※本ページ内の情報は2025年2月時点のものです。

株式会社MAKERSは、マッサージガンを中心としたセルフケア製品や、プロテイン、完全栄養食などの健康商品を展開するフィットネス&ケアブランド「uFit(ユーフィット)」の運営会社だ。

プロのセルフケアを自宅でできる家庭用マッサージ電気器「RELEASER」は、これまで1000名以上のアスリートに愛用されている。今回、セルフケア製品の販売事業を始めたきっかけや、製品づくりへの徹底したこだわりなどについて、代表取締役の林慧亮氏にうかがった。

セルフケア市場を開拓し、オリンピック選手も愛用する有名メーカーへ

ーーまずは林社長のご経歴をお聞かせください。

林慧亮:
幼少期から高校までは、ひたすらバスケットボールに打ち込んでいました。そのため私にとって運動やフィットネスは身近で、身体や筋肉について考えることが多かったですね。

大学生の頃は、ITのベンチャー企業でアルバイトをしていました。その企業の社長が楽しそうに仕事をしている姿を見て、「自分も起業したい」と思うようになったのです。そこで在学中に起業したのですがうまくいかず、卒業後はコンサル企業に就職しました。

その後独立し、最初はWeb広告やDX事業を行っていましたが、2年後にそれらの事業を売却して立ち上げたのが、現在のセルフケアブランド「uFit」です。セルフケア事業を始めたきっかけは、アスリートの友人から「プロであってもトップ選手以外は自分で身体のケアをしなければいけない」と耳にしたことでした。

そこで市場調査をしたところ、セルフケアができる健康器具が少ないことに気付いたのです。こうした背景からビジネスチャンスを感じ、今の事業を始めました。

ーー現在では多くの有名アスリートの方々が貴社の製品を使っているそうですね。

林慧亮:
オリンピック選手であっても専属トレーナーが付いておらず、1チームにトレーナーが1人という例も珍しくありません。そのため、弊社のマッサージガンなどを使ってご自身で身体をメンテナンスされているアスリートがいるのです。

実際に柔道女子48kg級で金メダルを獲得した角田夏実選手をはじめ、パリオリンピックに出場された選手の方々にもご使用いただいています。大会の出場時に持参されている方も多く、競泳の三井愛梨選手は「最高のパフォーマンスを出すのに欠かせないアイテム」として弊社の製品を紹介してくださっています。

また、健康志向の高まりにより、一般の方々のセルフケア需要も伸びていますね。特に弊社の製品は「いつでも好きなときにお金をかけずケアができる」と人気が高まっています。

多くのアスリートに愛される製品をつくり出す秘訣

ーー事業内容と貴社の強みについて教えてください。

林慧亮:
主力製品であるマッサージガン「RELEASER」のほか、「Vibrating Roller」や「Training Mat」などのケア関連商品と、プロテインや1杯で1食分の栄養素が摂れる完全栄養食などの開発・販売を行っています。

弊社の強みは、ものづくりに対して真摯に向き合っている点です。製造の際にメーカー任せきりにせず、製品の企画から設計まで自社で行い、イチから関わっています。現行の製品もトップアスリートの方のフィードバックをもとに、10回以上マイナーチェンジしてきました。

こうして使った方の意見を参考に改善を繰り返してきたからこそ、多くの方にご愛用いただいているのだと思いますね。また、改善点を踏まえて、みなさんに納得してもらえる製品に仕上げる、技術力の高さも強みのひとつです。

製品の設計に関しては弊社に在籍している元自動車メーカーのエンジニアに任せ、高いクオリティを実現しています。マッサージガンは、重心の位置によって使い勝手が大きく変わるため、細部にまでこだわって開発を行っています。

さらに、専門家による使用方法の解説動画を提供するなど、購入後のサポートを徹底していることも、弊社が支持されているポイントです。たとえば肩こりを改善したい場合、肩甲骨周辺にもマッサージガンをあててコリをほぐすなど、製品の効果を最大限引き出せるよう工夫しています。

新卒社員が即戦力として活躍できる職場環境。重要なのは当たり前のことをやりきること

ーー組織づくりについてはいかがですか。

林慧亮:
社員数が19名と小規模な組織のため、商品開発を同時並行で進められず、新製品を発売するまでに時間がかかるのが課題です。そのため現在弊社では、採用を強化しています。全職種の募集を行っており、将来の幹部候補となる人材も確保したいと思っています。

現在、19名いる社員のうち、およそ10名が新卒入社です。同業他社が少なく、特定のスキルが必要ないため、新卒入社の社員も活躍してくれていますね。求める人物像としては、とにかく「素直でいい人」を求めています。弊社は営業が中心ではないので、自分が先陣を切って開拓していくタイプよりも、協調性がある人の方がいいですね。

また、私が日頃から社員に口酸っぱく言っているのが、「凡事徹底」です。弊社は若いメンバーが多いため、どうしても一発逆転ホームランを狙いがちです。しかし、「ビジネスでは当たり前のことを地道に続けることが大切だ」と、自分自身への自戒も込めて話しています。

「身体のケアならuFit」と真っ先に思い浮かぶブランドになりたい

ーー最後に今後のビジョンをお聞かせください。

林慧亮:
私たちはスポーツにおけるセルフケアの分野で、日本一の企業になることを目指しています。現在はネット販売が中心ですが、今後は家電量販店や整骨院、スポーツジムなど、BtoBtoCの販路拡大を進めていく予定です。そして5年後を目途に、年間売上100億円を達成するのが目標です。

ただ数字はあくまで目安でしかなく、私たちの一番の使命は、弊社の製品を通してみなさんのお役に立つことです。弊社のパーパス(存在意義)で「スポーツと運動の力で、一人一人の健康に貢献する」と謳っている通り、これからも価値ある製品をお届けし、人々の健康をサポートしていきます。

編集後記

「せっかく起業するなら、人のために役立つことをしたい」と、今のセルフケアブランドを立ち上げた林社長。こうした思いでつくられた身体の疲労や不調を改善する同社の製品は、人々の大きな支えとなっている。株式会社MAKERSはこれからも最前線で戦うアスリートを支え、人々の健康を守り続けていく。

林慧亮/1993年生まれ。山梨県出身。横浜国立大学経営学部を卒業後、SNSマーケティングに関する会社へ入社した後に独立し、2018年に株式会社MAKERSを創業。Youtuberとしても活動し、チャンネル登録者数は34万人以上(2025年1月時点)。著書に「30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム」がある。父親が事故で半身不随になったことをきっかけに、障がい者の雇用支援にも注力している。