※本ページ内の情報は2025年3月時点のものです。

建築資材の卸売事業をコアに据えながら、太陽光発電や蜂蜜の販売、ブルーベリー生産まで手掛ける丸栄工業株式会社。同社は創業から60年以上、時代のニーズを捉えた多角的な経営で着実に成長を遂げている。最新技術であるメタバースやAIの活用も視野に入れ、既存事業の強化と新規分野への挑戦を両立。

「新しい事業の種を次世代に残したい」という思いで、建設・エネルギー・農業の3分野で独自の価値創造に取り組む代表取締役の本庄邦之氏に話をうかがった。

リスクを恐れず新しい挑戦に向き合う

ーー社長に就任した経緯をお聞かせください。

本庄邦之:
私の祖父は他の会社の経営者だったのですが、私の父は祖父の会社を継がず、1960年に新たに起業しました。それが、現在の丸栄工業株式会社です。私が35歳のときに後を引き継ぎ、弊社の2代目社長に就任しました。出資者の方々が協力してくださったおかげで、今日まで順調に事業を続けてこられたのだと思っています。

ーー仕事においてどのようなことを大切にしていますか?

本庄邦之:
常に新しいことに挑戦し、勉強を怠らないようにしています。1つの事業に関するノウハウや知識がたまるまでには、やはり一定の時間を要します。私は事業を継続させることを主な目的と考えているため、多角的に事業を運営している中でも、入念な情報収集を欠かしません。

その結果、現在も多くの事業を継続できているのです。これからもしっかりとした知識を身につけて、さらに多くの事業を展開していきたいと考えています。

建築資材を主力に多角的に事業を展開

ーー貴社の事業内容を教えてください。

本庄邦之:
弊社の事業の柱は建築資材の卸売です。主力のポリエチレンパイプ以外にも石材やレンガ、アルミ門扉などのエクステリア(※)や、石膏などをさまざまな企業に向けて販売しています。

また、弊社は太陽光発電のエネルギー事業や、無添加にこだわった純国産蜂蜜を販売する蜂蜜事業、ブルーベリーの生産といった農業にも取り組んでいます。太陽光発電は2014年からスタートしており、栃木県那須町にある約4万坪の社用地にメガソーラー発電事業を開設しました。

その後、2017年に青森県青森市にも太陽光発電所を開設しています。開設当時はまだ太陽光発電事業そのものが黎明期でしたが、さまざまな情報を精査した結果、事業として成立する見込みがあると判断しました。10年たった現在も事業として継続しており、多くのノウハウも蓄積しています。

新しい情報や技術を積極的に取り入れながら、既存の事業を継続させていくことが、弊社の理想のスタイルだと考えています。これからも建築資材事業、エネルギー事業、農業の3つの分野で、次世代に残せる事業の種をつくっていきたいと思います。

※エクステリア:庭やウッドデッキなどを含んだ、家の外の空間のこと。

ーー情報発信のために、どのような取り組みをしていますか?

本庄邦之:
これまでは主にインスタグラムを活用し、建築資材の写真を定期的に投稿してきました。現在はデジタル領域での展開を積極的に模索しており、ECサイトの構築を進めているところです。特に注目しているのがメタバースの活用です。

たとえば、お客さまがアバターを通じて、オンライン上でさまざまな建築資材を確認できる仕組みができたら面白いですね。AIとの連携も視野に入れながら、業界の常識に捉われない、弊社ならではの情報発信の形を追求していきたいと考えています。

時流に合わせた成長戦略で商圏拡大を狙う

ーー今後はどのような方向性で、事業を拡大させていきたいですか?

本庄邦之:
時流に沿った方法を重視しています。事業が成長するためには、新規取引先の開拓も必要になるでしょう。既存の事業で培ったノウハウを武器に、新しい顧客を獲得していきたいと思います。弊社の新商品の蜂蜜やブルーベリーは、すでにホテルなどで販売実績があり、こうした実績を足がかりに商圏を広げていけると考えています。

また、弊社の商材は同業他社と比較すると規模が小さめです。しかし、ニッチな市場に特化している分、サービスを充実させているため、同業他社に負ける要素が少ないと自負しています。今後は人材確保を進めながら、メタバースなど次世代技術も積極的に導入し、より一層のサービス向上を目指していきます。

ーー最後に、貴社の中長期的な展望をお聞かせください。

本庄邦之:
5年後までに、およそ50億円の売上を達成したいですね。弊社の今期の利益は約40億円前後だったため、売上を10億円伸ばすことになります。単に売上の規模を上げるだけではなく、3割程度は利益が乗るようにしていきたいと考えています。卸売業で3割の粗利を確保することは難しいのですが、エネルギー事業や農業を成長させて、会社全体でより利益が上がる体制を構築していきたいですね。

編集後記

建築資材の卸売から太陽光発電、そして農業まで。各分野で徹底的に学び、ノウハウを蓄積してきた同社。その真摯な学びの姿勢が、60年以上にわたる同社の持続的成長を支えているのだろう。メタバースやAIにも強い関心を示す本庄社長の探究心は、これからも新たな価値を生み出し続けるに違いない。

本庄邦之/1961年、埼玉県生まれ。22歳で丸栄工業株式会社に入社。