※本ページ内の情報は2025年4月時点のものです。

鎌倉の地で半世紀以上の歴史を誇る「鎌倉カントリークラブ」をはじめ、3つのゴルフ場を運営する朝日観光株式会社。同社はゴルフ場運営において、伝統を守りながらも革新を取り入れ、多くの人に親しまれる新しいスタイルを提案している。今回は、代表取締役社長の手塚勇貴氏に、運営の課題と取り組み、そして未来へのビジョンについてうかがった。

現場での経験が育んだ顧客本位の経営

ーー社長就任までの経緯を教えてください。

手塚勇貴:
私は大学卒業後にITベンチャー企業を経て、朝日観光株式会社が手がける修善寺カントリークラブでキャリアをスタートしました。住み込みで接客サービスや営業活動、コース管理などを兼務しその後、2015年に朝日観光の専務に就任し、鎌倉カントリークラブや鎌倉パブリックゴルフ場の責任者として現場での運営に携わりました。

この経験を通じて、ゴルフ場運営が単なる施設の管理ではなく、利用者一人ひとりに豊かな体験を提供するための柔軟な対応力が必要だと感じました。2023年の社長就任後は、現場で培った課題解決のノウハウを経営全体に反映させるとともに、ゴルフ場運営に新しい視点を取り入れることを目指しています。伝統を守りながらも、柔軟に革新を取り入れる姿勢が、弊社の強みだと考えています。

ゴルフ場のデジタル化と効率化への挑戦

ーー社長に就任されてから、どのような取り組みをされてきましたか。

手塚勇貴:
まず取り組んだのは、ゴルフ場のデジタル化と効率化です。鎌倉パブリックゴルフ場ではいち早くキャッシュレス化を行い、来場者の若返り、快適なゴルフライフを考案し、「誰でも気軽に楽しめる施設」を目指しています。

また、鎌倉カントリークラブではこれまで割引券や営業案内が紙ベースで行われていましたが、時代に合わせてアプリを導入しました。この取り組みにより、スマホ1つでチェックインやチェックアウト、清算ができるようになり、サービスの提供がシームレスになっています。

ーーキャッシュレス化に対してのお客様の反応はいかがでしたか。

手塚勇貴:
導入当初、特に年配のお客様から反発もありましたが、徐々にポジティブな反応をいただけるようになりました。特に、キャッシュレス化やアプリ導入に初めは不安の声もありましたが、若い世代のお客様からは非常に歓迎されています。

たとえば、先日、60代の女性のお客様がいらっしゃった際、QRコード決済に不安を感じており、最初は現金でのお支払いを希望されました。しかし、スタッフが丁寧にQRコードの使い方を説明し、実際にスマートフォンで決済していただくと、その便利さに驚かれ、「これならもっと簡単にゴルフ場を利用できるわね」と大変喜んでいたというエピソードがあります。

その後は、他の場所でもQRコード決済を利用されるようになったとも伺いました。こうしたお客様の変化を見て、私たちの取り組みが確実に実を結びつつあると実感しています。

デジタル化と効率化を進めたゴルフ場運営の革新

ーー事業内容について教えてください。

手塚勇貴:
弊社はゴルフを通じて、多くの人々が楽しむ場を創出しています。鎌倉カントリークラブでは、メンバーやその家族が集う社交の場としての側面も大切にしており、ゴルフだけにとどまらず、くつろぎの時間を過ごせる空間づくりに注力してきました。

さらに、鎌倉パブリックゴルフ場では、初心者や女性、ジュニアを対象としたプログラムやシーズンイベントなどを開催し、ゴルフの魅力を広める活動を行ってきたことで、あらゆるプレーヤーが、気軽にゴルフを楽しめる環境が整ってきました。

また、地域と連携したイベントや、初心者向けのレッスンも積極的に実施することで、参加者にとって新たな発見の機会となり、ゴルフの世界への理解を深める一助となっています。

ーー今後の展望をお聞かせください。

手塚勇貴:
今後5年、10年後に向けて、若い世代の方々が気軽にゴルフを楽しめる機会や環境を創出し、ゴルフ場が単なるレジャーの場にとどまらずプレーヤーとスタッフ、そして地域全体に豊かな経験と成長を提供する社交場としての真のカントリークラブを目指していきます。

ーー最後に読者の方へメッセージをお願いします。

手塚勇貴:
弊社では、新しいことに常にチャレンジできる風土づくりに励み、変化に柔軟に対応できる環境整備を進めています。社員一人ひとりが自発的にアイディアを出し合い、積極的な挑戦を重ねることで、ゴルフ場としての持続的な進化を目指しているところです。ゴルフ経験は一切問いませんので、新たな環境で挑戦したいと考えている方々にぜひ弊社で活躍していただきたいと思っています。

編集後記

アプリやキャッシュレス化は、単なる利便性向上にとどまらず、新しい世代の利用者層を取り込み、ゴルフ場に新しい可能性をもたらしている。手塚社長が手がけるゴルフ場はより幅広い層に親しまれる施設として、今後も成長を続けていくことが期待される。

手塚勇貴/1986年東京都生まれ。立教大学卒業後、2013年に修善寺カントリークラブ入社。2015年に朝日観光専務に就任し、鎌倉カントリークラブ、鎌倉パブリックゴルフ場の責任者を務める。2023年より代表取締役社長に就任。