
第一生命ホールディングス株式会社の100%子会社であるネオファースト生命保険株式会社は、「”生命保険から人生保険へ” 小さな人生不安にも、向き合う保険サービスを。」というビジョンを掲げて、個人・法人向けの医療保険や定期保険などを扱っている。
代理店による販売を中心に、顧客に寄り添う保険サービスを提供する同社の事業内容はどのようなものなのか。代表取締役社長を務める上原高志氏に、社長に就任した経緯や現在の事業、今後のビジョンについて話を聞いた。
銀行や新規事業開発の経験を経て保険業界へ参入
ーー入社までのご経歴を教えてください。
上原高志:
大学卒業後、1995年に株式会社三和銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行。以下、MUFG)に入行しました。入行後は浅草支店で中小企業向けの融資を2年半担当したのち、本部の産業調査部に異動しました。このときに、マクロ経済の動向や戦略論をゼロから学んだことが、今の事業に役立っています。
2004年からは法人企画部に異動となり、約10年間にわたり新規事業の開発に従事しました。まず2008年に1社目として、電子手形事業を取り扱う「日本電子債権機構(JEMCO)」という子会社を立ち上げています。その後、ロンドンへの留学経験を経て、2017年にMUFGの2社目の子会社、Japan Digital Designを立ち上げました。2021年にSOMPOホールディングスの子会社に転職し副社長を務めることとなり、2024年に現職に就任しました。
きめ細かな対応力を強みに、多彩な保険を提供

ーー貴社の事業内容をお聞かせください。
上原高志:
弊社は生命保険を中心に、特に怪我や病気などに対する保障を主軸とした商品を提供しているほか、法人や経営者向けの保険にも注力しています。営業職員を通じて保険商品を直接販売するのではなく、代理店による販売を中心に展開しているところが特徴です。
ショッピングセンター等にある保険代理店や、銀行の窓口販売、お客さまのご自宅に訪問する訪問代理店の3つのチャネルを通じて、「ちょうど、ちゃんと、いい保険。」をコンセプトにした保険商品をお届けしています。
ーー貴社の保険の強みや特徴はどのようなところですか?
上原高志:
特に20代〜40代の方々に選ばれやすい価格設計と、幅広い保障範囲を備えています。契約者の方が不安にならないよう、給付金支払いを迅速に行っているところも、特徴の一つといえるでしょう。
また、弊社は対面によるきめ細かな対応力を強みに、弊社の営業担当者を代理店に積極的に配置し、顧客との信頼関係を強化することに注力しています。デジタル告知といった募集人のタイパを引き上げる機能提供も行いながら、デジタルでは伝えきれない部分を丁寧に説明し、お客さまに最適な保険を提案できるところが、弊社の大きな強みとなっています。
デジタルマーケティングと周辺サービスで広がる保険の可能性
ーー今後はどのようなところに注力したいとお考えですか?
上原高志:
保険のマーケット全体の認知度をさらに高めたいと考えています。お客さまに保険の必要性を広めることができれば、保険を活用していただける場面が増えるはずです。Web広告やSNS運用などのデジタルマーケティングの技術を駆使することで、保険を検討中の方に弊社の商品をアピールできると考えています。今後は契約前のマーケティングを強化していきたいです。
また、弊社は2024年10月に、「”生命保険から人生保険へ” 小さな人生不安にも、向き合う保険サービスを。」というビジョンを打ち出しました。これは、お客さまが生きていく「人生そのもの」に貢献したいという思いの表れです。その思いを実現するために、これからは保険の内容を充実させるとともに、フィンテック(※)のサービスや、癌と診断されたときにセカンドオピニオンを受けられるようなサービスなど、保険の周辺にあるサービスにも注力したいと考えています。
(※)フィンテック:金融(Finance)と技術(Technology)を結びつけた造語で、スマートフォンを使った送金など、情報技術と金融サービスを結びつけた新しいサービスのこと。
ーー最後に、社長の保険に対する思いをお聞かせください。
上原高志:
保険商品は、昔のように漫然と遠い将来のもしもの時に備えて毎月保険料を支払うだけのものではなく、より利用価値が高いものへと変化しています。まだ資産形成の途上にある若い世代の方にも保険は必要です。なるべく安い保険料でより充実した保障内容を得て、残ったお金を自分に投資する。あるいは、資産形成に回すという考え方が大切です。投資や積立だけでなく、保険も上手く利用して、それぞれに合ったライフプランを立てていただきたいですね。
編集後記
2024年にデジタルエンジニアリング部というエンジニア組織を社内に立ち上げた上原社長。IT技術を保険の審査に活用することで、審査の日数を短縮し、生産性の向上に努めているという。DXやデジタルマーケティングにも注力しているネオファースト生命保険株式会社は、営業職だけでなく、エンジニアにとっても働きがいのある職場なのだと感じた。

上原高志/1972年、東京都生まれ。東京工業大学工学部卒。1995年、株式会社三和銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)に入行。2017年、JapanDigitalDesign株式会社CEO、2021年、SOMPOホールディングス株式会社デジタル戦略部チーフエバンジェリストなどを経て、2024年にネオファースト生命保険会社、代表取締役社長に就任。