※本ページ内の情報は2025年5月時点のものです。

ITコンサルティング、そして要件定義から開発・保守運用まで一貫して手がけている、株式会社GeNEE。同社はシステム開発、スマホアプリ開発を主軸として、脆弱性診断やセキュリティ監査、ケンスマ勤怠と呼ばれるSaaSサービスを含むITソリューション事業を幅広く展開し、大きく急成長している会社のひとつである。

そんな同社を率いるのが、代表取締役社長の日向野卓也(ひがの・たくや)氏だ。社員の働きやすい環境づくりにも力を入れている同氏だが、一体どのような取り組みを行っているのか。詳しい話を聞いた。

社長として大切にしている「最後までやり抜くこと」と「神は細部に宿る」の考え

ーー創業の経緯を聞かせてください。

日向野卓也:
大学卒業後はNTTデータに入社し、エンタープライズ領域の上流工程、いわゆる事業企画・事業構想、財務企画などに関わる業務を行っていました。

弊社が手がけるSaaSサービスに大きく関心を持ったのは、慶応義塾大学ビジネススクールMBA(経営学修士課程)に通っていたときに取り組んでいた研究がきっかけです。MBA在籍中はAPIを活用してTwitter(現在のX)ユーザーの声を機械的に取得し、独自に手を加えた感情極性辞書とベクトル分析を活用し、分析対象とするキーワードがポジティブかネガティブかといった感情値を分析する研究をしており、このときの経験から「定量的なデータをビジネスに活かしたい」という思いが強くなりました。

ーー事業内容を聞かせてください。

日向野卓也:
弊社の主軸は、冒頭でお伝えした通り、基幹システム・業務システムといったシステム開発事業で、法人のお客様向けに在庫管理や顧客管理ができるシステムを開発しています。ほかにも、マッチングアプリ・広告配信系アプリなどのスマホアプリを開発する事業を手がけており、そこから派生してChatGPTなどの生成AIを活用した開発事業も手がけています。

直近では、DX化の波を受けて、DX/ITコンサルティング事業が大きな伸びを見せています。お客様が抱える企業戦略や事業戦略の相談相手として入らせていただき、専門的な立場からご支援させていただいています。具体的にはコールセンターのコスト削減施策検討、カスタマーサービス部内に生成AIを導入する前段階での業務オペレーションの整理及び一部業務のAI化支援、従業員一人ひとりの付加価値を向上させるような価値向上施策の検討と実行支援等を行っています。

また、スタートアップ企業向けのMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)開発事業では、キラーコンテンツだけを搭載したプロダクトの開発を支援しています。必要最小限の機能だけを搭載したプロダクトを提供しており、お客様はプロダクトを通してユーザーからフィードバックをもらうなど、本リリース前の市場調査などで活用されています。

そのほか、企業のセキュリティ診断を行う事業やSaaS系勤怠管理サービス「ケンスマ勤怠」の開発・提供事業などを行っています。「ケンスマ勤怠」は建設業界に特化したサービスで、業界特性をしっかりと抑えたサービス仕様を採用しており、職人たちはどこにいても勤怠報告ができ、管理者が簡単に職人の就業状況等を把握・分析できる点が特徴の一つと言えます。

ーー社長に就任してから、どのような考え方を大切にしてきましたか。

日向野卓也:
特に大切にしていることが2つあります。

1つ目は「途中で諦めずに遂行し、最後までやり抜くこと」です。そして2つ目が「神は細部に宿る」という考え方です。設計を一つひとつ作り込むことがシステムやアプリの最終的な出来栄えや完成度に影響を与えますから、「細かなところまで意識する」という考えを大切にしています。

プロマネ力・設計力・開発速度力・人材力を強みに顧客からの信頼を獲得

ーー貴社の強みはどういった点にありますか。

日向野卓也:
強みは大きく4つあり、1つ目は開発を成功で終わらせる「プロマネ力」。2つ目が、システムのアップデートを見越して設計書をつくる「設計力」。3つ目が、一般の3倍のスピード感で開発する「開発速度力」。そして4つ目が、エンジニアやコンサルタントの質、つまりは「人材力」です。

弊社は、行動力のある人材が多いのも特徴です。社員たちは、お客様が何を求めているのかの調査やしっかりとキャッチアップすることを得意としています。問い合わせに対するレスポンスの速さも大きな強みですね。

ーー社員の働きやすさなどについては、どのような取り組みをしていますか。

日向野卓也:
コロナ禍以降、基本的に在宅で働けるようにしていますが、「月に1回は出社したい」という社員のために、東京、大阪、名古屋、北海道、福岡に拠点を構え、出社して集中しながら働ける環境を整えています。実際、社内アンケートでも9割以上の社員から「非常に働きやすい」という回答をもらっています。

「エンジニアが働きやすい企業ランキング1位」に向けて社内環境づくりを進めたい

ーー今後の展望を教えてください。

日向野卓也:
エンジニア目線では働きやすいIT会社のポジションを、そしてお客様の目線ではIT全般を任せられる開発品質とコンサルティング品質の高い会社を目指していきます。近い将来、「働きやすいIT企業ランキング」などにも入れるようになりたいですね。

また、2027年からは新卒採用もスタートする予定なので、人材教育の方にも注力していきたいと思っています。

ーー最後に、若手人材へメッセージをお願いします。

日向野卓也:
私が若手人材に伝えたいのは、「新たな出会いを積極的に掴みにいってほしい」ということです。人との出会いは転機を生み、人生に劇的な変化をもたらします。

一歩を踏み出すにはそれ相応の勇気がいるかもしれませんが、新たな人と会話し、知見を得ることで、今よりも楽しい未来が待っているはずです。人生をより面白いものにし、将来の可能性を広げるためにも、新たな出会いというものをぜひ大切にしてみてください。

編集後記

より良いサービスを開発するためには、社員一人ひとりがパフォーマンスを最大限発揮することが不可欠。GeNEEが顧客から高い評価を得ているのは、日向野氏が社員の働きやすい環境づくりに徹底してこだわっているからだと感じた。

質の高いエンジニアやコンサルタントの人材が集まる同社なら、これからも画期的なソリューションサービスを開発し、多くの企業の業務改善に貢献してくれるだろう。

日向野卓也/東京工業大学環境・社会理工学院、慶応義塾大学ビジネススクールMBA(経営学修士課程)修了。国内最大手SIerの株式会社NTTデータなどで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画、財務企画等の業務に従事。米国・スタンフォード大学への研修留学を経て、株式会社GeNEEの代表取締役社長に就任。