※本ページ内の情報は2025年6月時点のものです。

プロポーションを整える補整下着や栄養補助食品、ボディケア、化粧品などをお道具と呼び、自分のカラダを知り、理想のプロポーションを目指すサポートを行っている株式会社ダイアナ。同社は1986年の創業以来、97万人以上(※)の女性を美しく導いてきた“美のプロデューサー”といえる存在だ。(※)2024年12月末現在(女性のデータ保有数)

代表取締役会長兼社長の徳田充孝氏は、2009年の就任以降、同社のブランド力向上と顧客との絆を深める取り組みを続けてきた。徳田代表にダイアナの魅力や今後の目指す姿について聞いた。

学生時代に商売の面白さを知り、流通やアパレル業界で経験を積む

ーー徳田代表の経歴についてお聞かせください。

徳田充孝:
私が商売に興味を持ったのは、学生時代に衣料品の卸問屋でアルバイトをしていたことがきっかけです。自分が提案した商品が全国の店舗に並ぶ様子を見て、商売を通じていろいろな人の暮らしに関われる楽しさに惹かれていきました。

大学を卒業後は、そのままアルバイト先に入社しました。仕入、販売、営業だけではなく新規事業の立ち上げも行う経営企画等の部署も経験させていただき、毎日早朝から夜まで働きながら、商いの感覚をつかんでいきました。

そうした努力のかいがあって、37歳のときにはグループ内で最大規模となる売上約500億円の事業会社の社長に抜擢されました。街中に立ち並ぶ自社ビルを見た時には責任の重さを痛感し、人の役に立つ経営がしたいという思いを強くしたのを覚えています。

次にオファーいただけたのは、大きな赤字が続いていた上場アパレル企業の立て直しでした。ブランドの再構築や営業手法の改革、組織体制の見直しに取り組んだ結果、2年で黒字転換を果たし、証券取引所や金融機関との信頼関係も取り戻すことができました。

その実績を評価され、2009年に投資ファンドからのオファーを受けて、ダイアナの社長に就任しました。現在は、プロポーションづくりを通じて美と健康を支える企業として、多くの人の人生に寄り添えるよう尽力しています。

エビデンスに基づき、97万人の女性のプロポーションづくりをサポート

ーー貴社の事業内容や美への取り組みを教えてください。

徳田充孝:
ダイアナは、1986年に創業されたプロポーションづくりの総合コンサルティング企業です。「女性美の原点はプロポーションの美しさにある」という理念のもと、全国に約740の店舗を展開し、これまで97万人以上の女性の美をサポートしてきました。

弊社では、自社開発の補整下着「ダイアジェンヌ」をはじめ、ボディメイク用品、栄養補助食品、化粧品やオーダーメイドウィッグ等、頭のてっぺんから足のつま先までのトータルな美と健康的なプロポーションづくりに必要なアイテムを製造、販売しています。

サロンでは、これらのオリジナル商品を一人ひとりに合わせてご提案し、カウンセリングや試着を通じて適切な商品を選定します。また、生活習慣や食事を含むトータルサポートを行い、総合的なプロポーションコンサルティングを提供しています。

中には、幼少期から体型にコンプレックスを抱き、おしゃれを楽しむことを諦めていた女性が、プロポーションづくりをすることにより、”なりたいわたし“に近づき、自信を取り戻した事例も沢山あります。これは、サロンでの丁寧なサポートと、お客様に合わせた継続的なアドバイス、そして更には“サロンの仲間”の支えがあったからこそ得られた変化です。

プロポーションが整うことで表情や姿勢が変わり、人生そのものが前向きになっていく。そうした瞬間に立ち会えることは、私たちにとっても大きな喜びです。

ーー貴社独自の強みはどのような点にありますか?

徳田充孝:
長年にわたって蓄積してきた体型データと、それに基づいた確かなエビデンスです。創業以来、全国のサロンで97万人以上のお客様の採寸や体型変化の記録を収集してきました。こうした膨大なデータをもとに、様々な商品やサービスの開発において、大学機関との共同研究を通じて、継続的に検証・改良を重ねています。

特に「ゴールデン・プロポーション」と呼ばれる独自の理想値データは、年齢や身長に応じた最適な体型をミリ単位で設定できるほどの精度があり、自分の理想形をより具体的にイメージしていただくのに役立っています。

こうしたメソッドは、美容意識の高まりを受けて、現在では男性市場にも展開しています。プロポーションの改善によって自信を取り戻し、それが仕事のパフォーマンスや対人評価の向上につながるケースも多く見られ、今後ますますニーズが拡大していくと感じています。

震災の際にかけられた言葉に心を打たれ、ダイアナブランドを守ろうと決意

ーーこれまでに印象的だったエピソードを教えてください。

徳田充孝:
とりわけ印象に残っているのは、社長就任から2年後に起きた東日本大震災のときのことです。東北にはダイアナの店舗もあり、震災直後、私は現地の様子を確認しに向かいました。
その際、お客様から「私たちにとってダイアナのサロンは、心の拠りどころなんです。どうか頑張ってください」と声をかけていただきました。その言葉に胸を打たれ、本当の意味でのお客様にとって大切な”サードプレイス”なんだと実感し、改めてこのブランドを守り続けなければ、と強く思いました。

その思いが資本政策を見直すきっかけにもなりました。当時、会社の株式は投資ファンドが保有していましたが、自分自身でこのブランドを支えていきたいと考えるようになり、会社のMBOに乗り出したのです。

さすがに総資産100億規模の会社の買収資金の調達は非現実的かとも思いましたが、多くのご縁と、理解ある金融機関の協力に支えられ、最終的には資金を集めることができました。

私は、ダイアナというブランドは、人の人生を前向きに変える力を持っていると信じています。だからこそ、この思いを忘れることなく、これからも経営に向き合っていきたいと思います。

より多くの人を美しく、自分らしく輝かせるための成長ビジョンとは

ーー今後、会社をどのように成長させたいとお考えですか?

徳田充孝:
長年培ってきた「プロポーションづくり」から、食事・運動・睡眠を見直すことで生活習慣全体を整え、持続的な美しさと健康にまでアプローチする「Dstyleづくり」へと、新たな改革が始まりました。いくつになっても生き生きと夢を叶える方々を世の中に増やしていきたいと考えております。

また、新しいチャレンジを進めるためには、新しい顧客視点や価値の発想、現場間の連携が必要です。こうした現状を確実につかんでいくためには、美と健康分野で更なる事業領域の充実が必要だと考え、グループのMission、Vision、Valueを策定しました。更にグループの存在を一言で示せるように、「人生の輝点を増やす。」というパーパスを設定し、グループ内に根付かせることをスタートしております。

今後はグループ会社全体の拡大を図りつつ、経営者育成にも注力していきたいと考えています。現在はダイアナが一番大きな柱となっていますが、今後は他事業も積極的に展開して、美と健康分野で圧倒的な存在感を示し、世の中にお役に立てる企業集団になりたいと考えています。

その一環として、私の代で100人の社長を生み出したいなとも考えています。経営者という仕事の面白さをより多くの人に実感してもらい、グループ全体での経営者を育て、グループを有機的に機能させ、その中から次世代へとバトンタッチできる仕組みづくりも進めていくことを考えています。

また、日本市場の縮小の影響を小さくするために、グローバル展開を進めることも必要です。現在は中国市場が中心になっていますが、今後はインドネシアや香港などのアジア圏や、中東などへも事業拡大を図りたいと考えています。

もちろん、国内でもしっかりお客様との絆を深めていきたいと思っています。そのためにグループ全体での店舗を4000店舗まで増やし、地域コミュニティの輪の中に溶け込み、社会貢献も積極的に行えるような企業集団になりたいと思っています。

私がここまで事業に注力するのは、弊社グループのビジネスには美と健康の提供を通じて、人々を笑顔にし、人生を変える力があると信じているからです。今後もたくさんの人の人生を変える瞬間に立ち会える喜びを原動力にして、Dstyle group.各社を皆様から愛されるブランドに成長させるため、全力を尽くしていきます。

編集後記

ダイアナの大きな強みは、美しいプロポーションを目指すことをきっかけに、人生そのものを前向きに変える力を持っている点にある。今後、店舗数の拡大とともに、より多くの人々と接点を持つことで、徳田代表が大切にしてきた思いはさらに広がっていくだろう。ダイアナという存在は、自分の可能性に気づく出発点として、これまで以上に多くの人に求められるようになるはずだ。

徳田充孝/1967年、大阪府生まれ。英国国立ウェールズ大学経営大学院MBAプログラム修了。大手流通グループの専務兼事業会社社長、上場アパレル企業の専務兼COO兼事業会社社長を歴任。2009年に投資ファンドに招聘され株式会社ダイアナに入社し、同年、代表取締役社長に就任。2024年からは株式会社ダイアナを中核とする9社体制のDstyle group.としてグループ経営へ移行し、自らは株式会社Dstyleホールディングスの代表取締役会長兼社長およびDstyle group.全体の代表を務めている。