※本ページ内の情報は2025年6月時点のものです。

「システム、プロセス、意思決定、全てのものを加速し、快適な社会を実現する。」というミッションを掲げるAiritech株式会社。企業向けに、システムダウンや性能低下の問題を解決する製品・サービスを提供する「トラブルシュート」のパイオニア企業だ。トラブル解決率100%を誇る同社の確かな技術力は、どのように培われているのだろうか。代表取締役を務める山﨑政憲氏に話をうかがった。

トラブル解決のプロとして起業を決断

ーー学生時代からプログラミングに興味があったのですか?

山﨑政憲:
そうですね。小学生の頃、家庭用ゲームをきっかけにプログラミングに興味を持ち、中学の時には趣味として始めていました。大学では化学を専攻していましたが、研究テーマよりもプログラムを書くことにのめり込み、IT企業に就職した次第です。

ーートラブルシュートの分野で起業した経緯を教えてください。

山﨑政憲:
新卒で入社して1〜2年目の時期に、私が書いたプログラムがダウンすることが頻繁にあり、先輩に助けてもらいながらトラブルシュートをしていました。結果的に、プログラム以外の部分に原因があったのですが、その出来事をきっかけに、システムの問題を解決するトラブルシューティングの仕事に興味を持つようになったのです。

最初は社内の新規事業として立ち上げたのですが、その後、「自ら率いる組織で部下を育てたい」という思いから、起業を決意。2017年に弊社を設立しました。設立以前を含めると、20年以上もこの事業に携わっています。

活発な社内文化と透明な評価制度が働きやすさへ

ーー貴社の事業内容についてお聞かせください。

山﨑政憲:
弊社の事業の柱は、トラブルシュートとシステムの性能改善です。他にも、トラブルシュートから派生して、システム開発の仕事や、プロセスマイニング(※1)、ESG(※2)対応支援事業、AI活用支援など、企業のシステム関連分野において、パートナーとして伴走する形での支援も展開しています。

一見すると多様な事業を展開しているように思われるかもしれませんが、「大量のデータを集め、それを可視化分析し、有識者ならではの知見を加える」というコンセプトは、全ての取り組みに共通しています。扱う対象が、システムそのものや企業の活動、ESG分野のデータと多岐にわたっているだけです。現在は、これらの業務をAIを使って効率よく自動化するための研究を進めています。

(※1)プロセスマイニング:企業におけるさまざまな業務活動のログを分析して、業務プロセスを可視化することで、業務改善に活用する手法。

(※2)ESG:企業を評価するための3つの観点のこと。環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を指す。

ーー貴社の事業の強みはどのようなところですか?

山﨑政憲:
優秀なITエンジニアが多数在籍しているところが、弊社の強みです。弊社のエンジニアは、トラブルシュートの案件を数多く手がけているため、問題発生から解決に至るまでのプロセスを短期間で何度も経験できるのです。また、特定のプログラミング言語に偏らず、多様な言語に対応できる力も身につけてきました。ですから、2〜3年弊社で働くと、何十ものシステム開発プロジェクトを経験したのと同じくらいの知見を得られます。

このようなエンジニアは、業界全体においては稀少です。この幅広い対応力によって、弊社は「トラブル解決率100%」という圧倒的な実績を誇ってきました。

ーー優秀なエンジニアが貴社に定着しているのには、どのような理由が考えられますか?

山﨑政憲:
コミュニケーションを活発にする社内文化が醸成されていることと、評価制度の透明性が高いところが、働きやすさにつながっているのだと考えられます。

弊社は、素直に正直に話せる雰囲気を大切にしており、業務の改善点や新規事業へのアイデアなどについて、活発な意見交換を求めてきました。

さらに、一つひとつの案件について、受注額と会社の取り分、エンジニアの取り分を明確に提示しています。もしもエンジニアが給料を上げたいと考えた場合、より質の高い案件を受注できるよう、スキルアップすることも可能です。数字が可視化されていることによって、意欲的に業務に取り組む環境ができているところが、エンジニアにとって魅力的なのではないかと推測しています。

新卒採用を強化し、3年後の社員倍増を図る

ーー最後に、貴社の今後の展望をお聞かせください。

山﨑政憲:
今後は、新卒採用に力を入れていく方針です。特に、組織のリーダーになれる人材を育成することが必要だと考えています。もちろん多様な経験を持つ中途採用の方も重要な戦力ですが、企業文化や価値観への深い理解を基礎から築き、経営幹部候補として育成していく場合は、新卒採用に大きな可能性があると感じています。

会社全体として、今期から成長路線に転換しているので、現在約150人いる社員数を、3年後に300人くらいまで増やす予定です。成長意欲があり、裁量を持って仕事をしたい人が応募してくれたら嬉しいですね。

編集後記

企業としてさらなる成長を目指すAiritech株式会社。「今後、大手企業向けに、トラブルシュートを年間契約で請け負うサービスの提供を考えている」と山﨑社長は語る。新たな挑戦を続ける同社の飛躍に、大きな期待が寄せられる。

山﨑政憲/1975年、高知県高知市生まれ。2000年に高知大学大学院理学研究科(化学専攻)を修了後、IT企業に入社。同社内でトラブルシュート事業を立ち上げ、約600件のシステムのトラブルを解決。国内におけるトラブルシュートの第一人者となる。2017年、トラブルシュートを専門に取り扱うため、Airitech株式会社を設立し、代表取締役に就任。2018年にSHIFTグループに参画し、現在に至る。