※本ページ内の情報は2025年7月時点のものです。

コンサルティングと聞くと、大企業向けのサービスという印象を持つ人も多い。実際に、中小企業での導入はまだ限定的であり、ある調査では利用経験のある企業は全体の2割程度にとどまっている。

こうした状況を変えようと「もっと実用的で中小企業に寄り添うコンサルティング」を掲げているのが株式会社Def consultingである。同社が目指す支援のあり方とはどのようなものか。代表取締役の下村優太氏に話を聞いた。

事業立て直しのため銀行から転職。コンサルティング事業を1から育て上げる

ーー下村社長の経歴をお聞かせください。

下村優太:
大学卒業後はまず三井住友銀行に入社し、13年間にわたって、富裕層向けの資産運用や事業承継など、さまざまな金融コンサルティングを経験してきたほか、自社グループのM&A業務等様々な領域に携わってきました。

Def Consultingに入社したのは2021年のことです。大学時代の友人が当社の代表に就任すると聞き、彼から「一緒に会社を立て直してほしい」と声をかけられたのがきっかけでした。当時の弊社は「ぱど」というフリーペーパー事業が主力でしたが、私は新たに立ち上げたテクノロジーソリューション事業(現在のコンサルティング事業)を任され、経営企画部長として業務にあたっていました。

しかし、コロナ禍の影響で主な広告主だった中小企業からの出稿が落ち込み、フリーペーパー事業はやむなく売却することになったのです。事業構造の見直しを迫られる中で、エンジニア事業とコンサルティング事業を統合し、トータルコンサルティングサービスとして再スタートを切ることにしました。

そして2023年には友人から代表を引き継ぎ、現在は中小企業向けの経営支援を軸に、新しい強みを育てていく段階にあります。

ーーなぜコンサルティング事業を立ち上げようと考えたのですか?

下村優太:
コンサルティング事業を立ち上げたきっかけは、コロナ禍によってビジネス環境が大きく変わったことでした。ITを活用した業態転換や技術革新の需要が急速に高まりを見せたことを受けて、この機会にIT分野で新たな成長の柱をつくろうと考えたのです。

私は銀行時代に業務部門の統括や新規施策の立案などにも携わっていたので、構想を形にする力には自信がありました。おかげで、まったく新しい事業をつくっていく状況でも、なんとか体制を整えていくことができました。

今思えば、銀行で学んだノウハウを活かす舞台をもらったような感覚です。私の経歴や声をかけてもらったタイミングなど、いろいろな要素が重なったからこそ生まれた事業だと言えるかもしれません。

スピード感と現場重視のスタイルでゼロからの事業立ち上げをサポート

ーー貴社独自の強みは何でしょうか?

下村優太:
弊社の強みは、ゼロからの事業立ち上げをスピード感をもって進められることです。弊社はコンサルティングとしては後発ですが、これまで事業を運営する中で培ってきた経営ノウハウやマーケットの知見は豊富にあります。それらを活かし、他の企業だと多くの時間がかかる事業でも迅速に展開することができます。この強みを磨き上げて、ビジネスチャンスがある領域を見極めることで少しずつポジションを確立してきました。

また、フリーペーパー事業時代から培ってきた経営実務の知見と、コンサルティングの専門性を掛け合わせた、実践型のコンサルティングも強みの一つです。計画策定から現場に落とし込む実行フェーズまで一貫して支援する、実用的な伴走型サポートを行っています。

おかげでクライアントからは、計画から実行まで親身に支援してくれてありがたいという声を多くいただいております。

まだ見ぬ顧客にこそサービスを届けたい。多くの企業にリーチするための戦略とは

ーー求める人材や貴社で活躍できる人材の特徴を教えてください。

下村優太:
現在事業を拡大するフェーズにあることを踏まえ、会社を一緒に楽しみながら育てていく気概のある方を求めています。経営者と二人三脚で企業を成長させていきたい方、自分の働きが顧客に与える影響をダイレクトに感じたい方、自ら考えて行動したい方などは活躍できるのではないでしょうか。

また、幅広い視野を持ち、領域を限定せずに働きたい方も歓迎しています。弊社のコンサルティングは業界や領域を限定していないので、多角的な視点を持ちたい方やスキルを拡張していきたい方などにとっては、成長に最適な環境を提供できると思います。

ーー今後、貴社をどのように成長させたいとお考えですか?

下村優太:
弊社が目指す理想の姿とは、企業の規模に関係なく幅広い顧客をサポートできる存在です。コンサルティングは大企業が使うものという先入観にとらわれず、中小企業の皆様からも、気軽に困りごとを相談いただけるような会社になれたらと思います。

そのためには、弊社のブランド力を高めることが欠かせません。より多くの実績を重ね、大企業との取引も増やしていくことで、会社選びの選択肢に入る存在になる必要があるでしょう。弊社の力だけでなく、プロジェクトを共に進めていくパートナー企業との連携を強化して、顧客にリーチする機会を増やしていきたいところです。

また、業務の受け皿を増やすために積極的な採用にも取り組む必要があります。現在は年間約30名ペースで採用を進めていますが、今後は年間50名以上の採用を目指し、組織の規模拡大を加速させたいです。頑張る人が正当に評価される制度を用意したいと考えているので、多くの方に仲間になっていただきたいですね。

今後も、幅広い業界に対応できる柔軟性を活かし、クライアントに本当に価値のある提案ができるコンサルタント会社であることを大切にしていく所存です。社員一人ひとりにとっても、自分の成長を実感でき、弊社で働くことに誇りを持てるような場所であり続けられるように組織づくりを進めていきます。

編集後記

コンサルティングサービスをより中小企業でも使えるようにするという潜在顧客を掘り起こす戦略は、業界全体のニーズ開拓にもつながるものだ。業務提携やパートナーシップで業界内の連携を強めていけば、同社は顧客からも業界からも重宝される存在に成長するだろう。事業を育て上げた下村社長なら、挑戦的な取り組みの先へたどり着けるはずだ。

下村優太/早稲田大学政治経済学部卒業。2008年に株式会社三井住友銀行へ入行し、9年間リテール営業に従事。2017年リテール業務推進部に異動し国内営業拠点の統括業務等に従事。2019年にアジア事業戦略部に異動。海外子会社のPMI業務等に従事。2020年に経営企画部内部に異動、クロスボーダーM&Aのエグゼキューション業務等に従事。2021年に株式会社Def consultingに入社、経営企画部長に就任。2023年に当社代表取締役就任。