※本ページ内の情報は2026年1月時点のものです。

長野県を拠点に、顧客一人ひとりの思いに寄り添うリフォーム・リノベーションを手がける13リノベーション株式会社。同社は「お客様の要望に最大限応えたい」という純粋な思いを原点に、細やかな仕事ぶりと高い技術力で信頼を集めている。代表取締役の金井旬也氏は、多様な職歴を経て32歳で本格的に大工の道へ進み、職人としてのこだわりと顧客への誠実な姿勢を貫く経営者である。独立までの経緯、仕事への信念、そして事業拡大に向けた今後の展望について話を聞いた。

多様な経験が礎に 32歳で目覚めた大工の仕事の面白さ

ーー社会人としてのキャリアはどのようにスタートされたのでしょうか。

金井旬也:
高校卒業後、体調が優れず進学を見送った時期がありました。父が大工だったこともあり手伝いを始めましたが、すぐには定着せず、その後は自分の道を探すように配達や工場勤務など様々な仕事を転々としました。中でも特に大きかったのが、5年ほど経験した自動販売機の営業です。飛び込みでの設置交渉なども行う中で培った対話力は、今の私の大きな武器になっています。一般的に職人は口下手な方が多いと言われますが、私はその経験のおかげでお客様とのコミュニケーションが全く苦になりません。

ーー一度は離れた大工の仕事に、なぜ再び戻ろうと思われたのですか。

金井旬也:
30歳を過ぎて、仕事に対する意識が変わってきたのが大きいです。20代半ばから真面目に取り組むようになり、32歳で本格的に大工に戻った時には、昔は「親父の手伝い」という感覚でつまらなく感じていた仕事が、すごく楽しいと感じられるようになっていました。その時はまだ独立などは一切考えておらず、ただ純粋に仕事が楽しくて、「技術を上げたい」「腕を磨いていいものを作ろう」という思いで日々取り組んでいました。

成長への渇望と独立 そして法人化への道のり

ーーそこからどのような経緯を経て、現在の会社設立に至ったのでしょうか。

金井旬也:
技術を身につけるためにある会社に入ったのですが、成長を妨げる環境であった為「ここでは自分が望む成長はできない」と感じ、3年でその会社を辞める決断をしました。そこからは特定の会社に属さないフリーランス(一人親方)として、様々な現場へ手伝いに行き、年下であっても技術のある先輩職人の方々に素直に教えを乞うことで技術を吸収していきました。

そうして活動するうちに、知人や同級生の親御さんなどから「リフォームをやってくれないか」と直接依頼をいただく機会が増え、それが大きな転機となりました。そこから徐々に仕事が広がり、5年前、ちょうど今から6期目前に会社を立ち上げました。

細やかな仕事の先に 信頼を育むリノベーション事業の神髄

ーー仕事において最も大切にされている信念は何でしょうか。

金井旬也:
「予算の範囲内で、お客様の要望に最大限応える」ことです。下請けとして働いていた頃、決められた仕様の中では、どうしても自分が理想とする「お客様への寄り添い」を100%実現しきれないもどかしさがありました。「それならば自分で会社を立ち上げ、制限なくこだわり抜いた良いものを提供しよう」。それが起業の原点であり、今も変わらない信念です。

ーー顧客と向き合う上で、特にこだわっている点はありますか。

金井旬也:
特に小さな仕事を大事にして積み重ねてきました。たとえば網戸の張り替えや小さな修繕であっても、お客様にとっては生活にかかわる大切な困りごとです。私は「300万円の仕事も、1万円の仕事も、お客様への思いは同じ」と心に決め、一つひとつの小さなご依頼に誠心誠意応えることで、次の信頼につなげてきました。

ーーお客様の要望を形にするために、どのような工夫をされていますか。

金井旬也:
まずはお客様が何に困っているのか、何を一番実現したいのか、優先順位を丁寧にヒアリングします。予算には限りがありますから、対話を通じて「ここは絶対に譲れない」「ここは数年後でも良い」といった判断を共有し、プロとして最適な提案を行います。結果として、お客様の想像を超える価値を提供できた時、これ以上の喜びはありません。

新たな柱を築き未来へ 仲間と共に描く展望

ーー改めて、現在の事業と今後の展開についてお聞かせください。

金井旬也:
現在は売上の95%以上をリフォーム・リノベーションが占めていますが、会社のさらなる飛躍には第二の柱が必要です。そこで来年からは、ある企業のフランチャイズに加盟し、新築事業を本格始動させる予定です。リフォームで培った品質を維持しながら新築事業も育成し、経営基盤をより強固なものにしていきます。

ーー事業を拡大していく上で、どのような人材を求めていますか。

金井旬也:
現在、対応しきれないほどのご依頼をいただいており、共に会社を盛り上げてくれる仲間が必要です。求めるのは、とにかく「素直な人」。私自身がそうだったように、素直な心があれば技術は後からついてきます。未経験でも、真っ白な状態で飛び込んできてくれれば、私たちが責任を持って一流に育て上げます。

職人や大工の仕事は、AIには決して代替できない、人の手だけが生み出せる価値あるものです。私たちの現場には、さまざまな職人が集い、活気と楽しさに満ちています。自らの手で日本の未来を支えたい、そんな思いを持った方と一緒に働けることを、心から楽しみにしています。

ーー3年から5年後、会社をどのような姿にしていきたいとお考えですか。

金井旬也:
会社を成長させ、お客様はもちろん、社員やその家族、そして自分自身の家族も含め、かかわるすべての人を幸せにしたい。それが私の願いです。そのために、5年後には社員数を10名規模に増やし、売上5億円、将来的には10億円を目指します。これからもリノベーションに魂を込めつつ、新たな挑戦を続けていきます。

編集後記

多様な職を経験したからこそ獲得できる視点がある。金井氏の歩みは、一見遠回りに見えても、全ての経験が未来の糧になることを証明している。その根底にあるのは、顧客への誠実な思いと、ものづくりへの純粋な探究心だ。地方企業であっても、熱意と行動力があれば道は拓ける。長野の地から新たな挑戦を続ける同社の、今後のさらなる発展が楽しみだ。この記事が、自身のキャリアに悩む若者にとって、一歩を踏み出す一助となることを期待したい。

金井旬也/1974年長野県生まれ、野沢南高等学校卒業。32歳で大工の世界に飛び込み、3年で独立。その後、様々な現場で腕を磨き、46歳の時に、13リノベーション株式会社を設立。令和7年12月から、6期目に入り、現在に至る。大工歴20年、現場が1番と定義して、お客様との信頼関係を構築。令和7年6月からREAL VALUE CLUB に加入し、トップクラスの経営者から学び、社会貢献できる会社を目指して、日々精進している。