※本ページ内の情報は2026年2月時点のものです。

プレミアグループ株式会社は、自動車向けのオートクレジットや故障保証事業を軸に、業界内で唯一の独立系ならではの柔軟なファイナンス・オートモビリティサービスを展開している。信販会社での経験を経て、株式会社ガリバーインターナショナル(現・株式会社IDOM)の金融事業立ち上げを牽引した柴田洋一氏は、2010年のスピンオフを機に代表取締役社長 CEOとして本格的に経営の舵を取る。東証プライム市場上場を達成した同氏に、ベンチャーマインドの原点と事業の独自性、同社が描く未来図について話を聞いた。

金融と流通の連携から生まれる戦略の可能性

ーー社会人としてのキャリアはどのように始まりましたか。

柴田洋一:
大学卒業後は商社に就職し、その後、信販会社、株式会社大信販(現・株式会社アプラス、以下、アプラス)に転職しました。当時、アプラスのクライアントの一つが株式会社ガリバーインターナショナル(現・株式会社IDOM、以下、ガリバー)でした。「金融事業を立ち上げたい」というお話があり、私自身も流通と金融を融合させる必要性を感じていました。特にこの二つが組み合わさった戦略は親和性が高く、成功の絵図を描きやすいと感じ、アプラスに約20年間勤務した後、ガリバーへ転職し、金融事業を立ち上げることになりました。

ーー大企業からベンチャー色の強い環境への変化はいかがでしたか。

柴田洋一:
前職までは年功序列で、いわゆる大企業的なカルチャーがありましたが、ガリバーは上場していたとはいえベンチャー色が強く、「こんなに違うのか」という驚きは非常に大きいものでした。

アプラス時代は役職も上がり、マネジメントが中心となったため、自ら手を動かす機会は少なくなっていました。しかし、ガリバーでは数人で事業を立ち上げるため、自ら手を動かし、やらなければならないことが山のようにありました。社会人になって一番仕事をした時期かもしれません。ただ、自分が描いた絵がどんどん実現していく醍醐味は、何物にも代えがたいものがありました。

企業の存続意義を定める二つのミッション

ーー経営者として大切にされている考え方を教えてください。

柴田洋一:
創業時に2つのミッションを作りました。1つは、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」。利益追求はあくまで手段であり、世の中にしっかりと貢献できる事業を行うことです。私自身、長く信販業界にいましたが、過去に貸金業法の改正・強化などにより業界自体が衰退した一因は、社会貢献よりも利益を優先するスタンスにあったのではないかと考えています。だからこそ、社会に貢献できる事業を第一にしています。

もう1つは、「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」。私自身が年功序列型の企業に長く勤めていた経験から、自由闊達に物が言え、社員が働きやすい環境をつくりたいと考えました。この2つのミッションを創業以来、一番大事にしています。

会員制ネットワークが築く独自の経済圏

ーー貴社の事業内容と強みを教えてください。

柴田洋一:
メイン事業は「ファイナンス」「故障保証」「オートモビリティサービス」の3つです。私たちは中古車マーケットに特化し、オートクレジット(※)を提供しています。ファイナンス以外の多様なサービスを提供できる点が、独立系である当社ならではの大きな強みです。

(※)オートクレジット:新車・中古車問わず、分割払・ボーナス併用払いや一部繰上返済など様々な支払いが可能なクレジット。

ーー近年どのような取り組みに力を入れていますか?

柴田洋一:
これまでは約3万社の自動車販売店などの加盟店と提携していましたが、より重点的に私たちのサービスを提供するため、3年前に会員組織「カープレミアクラブ」を始めました。現在、自動車販売店と整備事業者を合わせて約5000社のネットワークがあります。会員企業様には会費をいただく分、車両販売の促進や整備ユーザーの送客などが可能な弊社独自の「エコシステム(経済圏)」をつくっています。

また、今後は海外展開にも注力する方針です。日本の市場だけでは人口減少の観点から限界があります。私たちが日本で培ってきたビジネスモデルを海外、特にアジア市場に展開していくことには大きなチャンスがあると考えています。ファイナンス、ワランティ、モビリティという当社の事業構造は全世界共通であるため、積極的に力を入れていきます。

ーー5年後、10年後はどのような姿を目指していますか。

柴田洋一:
中古車業界には未だに「不透明さ」や「信頼性への懸念」といったイメージが付きまとっています。カープレミアのブランドを通して、お客様が心から安心して中古車を購入できる新たな世の中を築いていくことが、私たちの使命です。また、5年後、10年後はオンラインで車を購入することが当たり前になっていると考えています。信頼と安心さえ確立できれば、その時代は必ず来ます。私たちがその世の中をつくっていきます。

企業成長を支える心豊かな人財への投資

ーー今後どのような人材を求めていますか。

柴田洋一:
弊社は「強い」「明るい」「優しい」という3つのキーワードをVALUE(バリュー)として定めています。このバリューに心から共感し、体現してくれる仲間を求めています。

創業時からのミッションの一つとして「心豊かな人財の育成」を掲げており、人財への投資こそが最も大切な資産だと考えています。AIが進化する現代においても、最終的に価値を生み出すのは「人」であることに変わりはありません。特に、若いうちから大きな仕事を任せ、裁量を与えることができるのは、私たちの大きな特徴です。

ーー最後に読者へメッセージをお願いします。

柴田洋一:
私たちは既成概念にとらわれず、創業から成長を続けてきました。企業が大きくなると陥りがちな「大企業病」にならず、ベンチャースピリットを持ち続けることを大切にしています。まだまだ成長し続けられる企業だと考えていますので、ぜひ注目していただければと思います。

編集後記

ファイナンスを起点に、中古車を安心してネットで買える未来の「カープレミア経済圏」を構築しようとする同社。その挑戦は、業界内で唯一の独立系であるという強みを最大限に活かした事業戦略に基づいている。経営の原動力は、ガリバー時代に体感した「描いた絵が実現する喜び」と、信販業界で抱いた課題意識から生まれた「社会貢献」と「人財育成」という二つのミッションにある。同社の挑戦は、単なる中古車売買ではなく、自動車流通の常識を変え、新たな価値を生み出す可能性を秘めている。今後の動向に期待したい。

柴田洋一/大学卒業後、商社や大手信販会社を経て、2003年株式会社ガリバー・インターナショナル(現・株式会社IDOM)に入社し、金融事業の立ち上げに従事。2007年株式会社ジー・ワンクレジットサービス(現・プレミア株式会社)設立。2016年にホールディングス体制へ移行し、持株会社であるプレミアグループ株式会社の代表取締役社長 CEOに就任。