※本ページ内の情報は2026年3月時点のものです。

「気合いと根性だけでは、成果の総量に限界がある」。そう断言するのは、家庭用蓄電池の販売で急成長を遂げている株式会社Green Energy Partnersの代表取締役、畠山大輝氏だ。同社は泥臭いイメージの強い訪問販売業界において、思考と仕組み化を徹底することで、わずか60名ほどの組織で売上高12億円規模を達成している。なぜ、経験の浅い若手が短期間でトップセールスへと変貌するのだろうか。その裏には、同氏の原体験に基づいた、勝つためのロジックが隠されていた。

親の顔色をうかがう少年が 中学時代に培った人を動かす力

ーーまずは、社長のルーツである幼少期についてお聞かせください。

畠山大輝:
幼少期は、親の後ろに隠れているような大人しい子どもでした。ピアノや水泳、塾など、たくさんの習い事をしていましたが、それは自分がやりたいからというより、両親が喜んでくれるからやっていたという感覚が強かったですね。夫婦喧嘩が絶えない家庭だったので、自分がいい子でいることで、少しでも仲良くしてほしかったのだと思います。

ーーそこから、どのように自我が芽生えていったのですか。

畠山大輝:
転機は中学時代です。小学6年生の時、学業やスポーツで成果を出していても、クラス内の序列、いわゆるパワーバランスにおいては下位にいる現実に直面しました。その悔しさをバネに、中学では「組織の中心人物になる」と決意し、バスケ部に入部してあえてキャプテンに立候補したのです。

ただ、私は勢いや威圧感で周囲を牽引するタイプではありませんでした。そこで、どうすれば部員が主体的についてきてくれるかを必死に考えました。反発を招かずに練習に没頭してもらうにはどうコミュニケーションを取るべきか。そのアプローチを毎日ノートに書き出し、シミュレーションを重ねていたのです。この時に培った「相手の立場やタイプに合わせて組織を動かす力」は、今の経営スタイルにも通じていると感じます。

ベトナムでの挫折と30日でトップを獲った「思考法」

ーー学生時代で特に印象に残っている経験はありますか。

畠山大輝:
大学時代、ベトナムで開催されたビジネスコンテスト形式のインターンシップに参加した時のことです。現地のアパレルショップの売上高向上を複数の学生チームで競い合う内容だったのですが、最初の一週間は全く成果が出ず、私のチームは最下位に沈んでいました。

当初は成果が出ない理由を環境のせいにしていましたが、「すべては自分の責任である」と自責思考に切り替えました。そこから毎日プレゼンテーションを行って仮説検証を繰り返すことで、最終的には売上高でトップとなり、優勝を勝ち取ることができました。思考の質と圧倒的な行動量さえあれば、どのような環境下でも結果は変えられる。そう確信した原体験です。

ーーその成功体験を持って、社会人生活はどのようにスタートされたのですか。

畠山大輝:
新卒で入社したのは、完全実力主義の訪問販売会社でした。入社当初から同期300名の中でトップになると決めていましたが、漫然と業務をこなすだけでは、経験豊富な先輩社員には到底及びません。

そこで私は、自身の商談の音声をすべて録音し、上司への報告前に徹底的な自己分析を行うようにしました。「なぜ失注したのか」「顧客の真意はどこにあったのか」。その仮説を構築した上で上司にフィードバックを求めるのです。この思考のPDCAを30日間回し続けた結果、通常1年を要する習熟レベルにわずか1ヶ月で到達し、同期300名の頂点となる成績を収めることができました。

気合いや根性はいらない 「凡人」を「天才」に変える仕組み

ーー貴社の事業内容と、強みについて教えてください。

畠山大輝:
現在は主に関東圏で、家庭用蓄電池の販売を行っていますが、具体的には、固定価格買取制度(FIT)の満了を迎えたご家庭に対し、余剰電力を蓄電・自家消費することで光熱費を削減する、経済合理性の高いソリューションをご提案しております。

弊社の最大の強みは、この業界にありがちな「精神論」への依存から脱却している点です。もちろん、成果を出すために一定の活動量は不可欠ですが、それだけでは成長に限界があります。そこで弊社では、トップセールスによるマンツーマン指導や動画マニュアルの整備に加え、「課題を抽象化し、構造的に解決策を導き出す」独自のトレーニングプログラムを導入しました。顧客心理を論理的に紐解くスキルが体系的に習得できるため、営業未経験の若手から東京大学出身者まで、バックグラウンドを問わず多様な人材が活躍できているのが特徴です。

ーーその独自の育成スキームは、実際の業績にどのような成果をもたらしていますか。

畠山大輝:
現在、組織全体で約60名体制となり、売上高は12億円ペースで推移しています。特筆すべきは一人当たりの生産性の高さで、業界平均を大きく上回る高収益体質を実現しています。この成果は当然、社員の報酬にも還元されます。実際、入社3年目の23歳で支部長を務め、年収2,500万円に到達した社員も誕生しています。

採用において学歴や職歴は一切問いません。ベースとなる「論理的思考力」か、あるいは「泥臭くやり抜く胆力」。このどちらかの素養さえあれば、あとは弊社の構築した仕組みによって、確実に成果を出し、高い報酬を得られるプロフェッショナルへと育成できると確信しています。

「100億企業を10個創る」 未来の起業家たちへのメッセージ

ーー今後のビジョンを教えてください。

畠山大輝:
定量的には「5年で売上高100億円、10年で1000億円」というロードマップを掲げています。ただ単に企業規模を拡大するのではなく、売上高100億円規模の事業を10個創出し、それぞれのトップに経営者として裁量権を持たせるのが私の構想です。

私自身、前職でトップセールスとなった後、組織マネジメントや教育により深く関わりたいと願いましたが、当時の環境ではその機会が限定的でした。だからこそ、社員には早期から経営者としての視座を持ち、将来的にはグループ会社の社長として活躍できるフィールドを用意したいのです。実際、現在の幹部候補からは「20代で生涯年収を稼ぎ切り、30代で起業する」といった野心的な声も挙がるようになり、頼もしさを感じています。

ーー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

畠山大輝:
面接の場で多くの学生と対話して感じるのは、わずか20代前半で「自分の限界」を勝手に決めてしまっている方が多いということです。人生100年時代、キャリアはあと60年以上続きます。現時点での能力やスキルは、未来を決定づけるものではありません。

いきなりリスクを取って起業する必要はありません。まずはインターンシップなど、リスクのない環境からでも構わないので、挑戦への一歩を踏み出してほしい。行動を起こさなければ、自分の本当の可能性を信じることすらできません。私たちのような、若くとも大きな裁量権を持って働ける環境で、自分の殻を破り、非連続な成長を遂げたいという意欲ある方を待っています。

編集後記

「思考力が足りない」。インタビュー中、畠山氏が何度か口にしたこの言葉が印象的だった。訪問販売という泥臭いフィールドにいながら、同氏が語る戦略は極めてロジカルで、数学的ですらある。過去の自分を「自我がなかった」と冷静に分析し、自分自身さえも客観的な駒として最適化してきた畠山氏。同氏が作り上げた「勝てる仕組み」の中で、若き才能たちがどう化けていくのか。10年後の売上高1000億円企業という言葉が、決して夢物語には聞こえなかった。

畠山大輝/1999年埼玉県生まれ、早稲田大学卒。20歳で個人事業主として家庭用蓄電池の販売、30人のマネジメントを経験。2024年に同社代表取締役に就任。