
「世界縁満(人と人が良縁で繋がる)」を掲げ企業の組織文化を変革する「伴走支援のインフラ」を提供する株式会社manebi(以下、マネビ)。eラーニングプラットフォームと人事評価コンサルティングを融合させた独自の仕組みを展開し、日本の強みである「ものづくり産業」のDX推進や次世代リーダー育成に注力している。今後は本則市場への上場を見据え、東南アジアから「10億ユーザー」へ価値を届けるグローバルな構想も描く。AI時代も代替されない「人の成長」を追求し続ける代表取締役CEOの田島智也氏に、創業の原点から未来への挑戦までをうかがった。
経営者の熱量に触れ他責から「自責」へマインドチェンジ
ーーまずは起業を志した原点についてお聞かせいただけますか。
田島智也:
大学3年の終わり、就職活動のイベントで飲食チェーン経営者の講演に足を運んだことがすべての始まりです。それまで社会人になることへネガティブな印象を抱いていましたが、夢に期限を設けて実現していく姿勢や、事業を通じて社会を豊かにしようとする熱弁に衝撃を受けました。この経営者との出会いがきっかけで、私は起業を志しました。
ーーその経験から、どのようにご自身のマインドを変化させたのでしょうか。
田島智也:
優れた経営者が皆、読書家であると気づき、本を読み始めました。最初に手に取った「『1日30分』を続けなさい」という本で継続の重要性を知り、学生時代に250冊を読破し、その中で結果を出す人間の思考や行動パターンを分析しました。たとえば、「自分は運がいい」と考える自己暗示やセルフコントロールの術を学ぶなど、成果につながるマインドセットを1つずつ吸収していったのです。
ーーその後、どのような経緯で貴社を創業されたのでしょうか。
田島智也:
新卒で保険代理店に入社しましたが、起業への思いが強く、わずか8ヵ月で退職して先輩とクリエイティブ制作会社を立ち上げました。そこで経営に携わる中、自分自身が読書や研修といった「学び」を通じてポジティブに変われた原体験を事業にしたいと考えるようになりました。その後、同じ志を持つベトナム人エンジニアと出会ったことで意気投合し、オンライン学習のシステムをつくるべく、マネビの創業に至りました。
eラーニングと人事評価で組織を進化に導く伴走支援

ーー現在の事業の現在地と独自性について教えていただけますか。
田島智也:
主力事業として、人材成長活性化プラットフォーム事業の中の『manebi eラーニング』を提供しています。使った分だけ課金されるコスパのよい価格体系や8000を超える豊富な教材数、直感的に操作できると評判のUI/UX(※1)で支持を得ていますが、単なるツールの提供には留まりません。教育と人事評価は密接に結びついているため、人事評価制度のコンサルティングを融合させ、組織を進化に導く「伴走支援」のインフラとなることを目指しています。
(※1)UI:User Interface(ユーザーインターフェース)の略。ユーザーがパソコンやスマートフォンなどの機器とやり取りする際の画面表示や操作感のこと。
ーーそうした独自の仕組みは、主にどのような業界・企業で活用されているのでしょうか。
田島智也:
私たちのサービスは、日本の強みである「ものづくり産業」のお客様に多く導入されています。ものづくり企業は高い技術力を持つ半面、次世代リーダーの育成や技術継承、DX推進といった深刻な課題を抱えています。私たちはパートナー企業との強固な共創を通じ、これらの課題を解決する「知識・製造インフラ」の構築を強力に推し進めています。
『manebi eラーニング』が日本の産業・インフラ・最先端科学技術における「知のインフラ」として、社会の持続的発展に貢献する「経営インフラ」への進化を確固たるものにするため、2026年2月に業界トップ企業5社との戦略的資本提携を発表しました。今後、業界のリーディングカンパニーである参画5社が持つ現場の実践知という「拡張機能」を一体化させることで、深刻な労働力不足や技能断絶という社会課題の解決に挑みます。
10億ユーザーへ価値を届けるグローバルな生存戦略
ーー今後の展開や長期的なビジョンをお聞かせいただけますか。
田島智也:
私たちの理念は「『人生開発』が当たり前の世の中を創る」ことです。一人ひとりが自らの人生の意義を見出せる社会を創り、この価値を「10億ユーザー」へ提供することが最終的な目標です。TPM(※2)への上場からのさらなるステップアップとなる本則市場への上場を見据えつつ、東南アジアを皮切りに中東、アフリカへのグローバル展開も計画しています。AI時代においても決して代替されない「人の成長と共存共栄」を追求し続けます。
(※2)TPM:TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)の略。東京証券取引所が運営する、特定投資家(プロ投資家)向けの株式市場のこと。
ーーさらなる飛躍に向けて、どのような仲間を求めていらっしゃるのでしょうか。
田島智也:
顧客課題を深く理解し解決へと導く「高い好奇心」と、過去の成功体験に縛られず変化できる「素直さ」を持った方です。弊社の理念に共感し、共に挑戦できることが重要です。次なるステージへ駆け上がるこの「未来へのワクワク感」と果てしない可能性を共有し、圧倒的なスケールで新しい歴史をつくる仲間をお待ちしています。
編集後記
「『人生開発』が当たり前の世の中をつくる」と語る田島氏の言葉からは、社会を根本から良くしたいという熱い使命感が伝わってきた。自社の強みである教育と人事評価のノウハウを惜しみなく注ぎ込み、顧客の組織改革に本気で伴走する姿勢は、日本企業が抱える課題解決の大きな希望となるだろう。グローバル市場を見据え、圧倒的なスケールで次なるステージへと駆け上がる同社のさらなる飛躍を期待せずにはいられない。

田島智也/AI駆動の人材成長活性化プラットフォーム事業を軸に、「manebi eラーニング」、業界No.1シェアの「派遣のミカタ」「playse.ラーニング警備版」を展開。多言語対応と学習管理の自動化で市場をリード。KCI教育センターとプライムコンサルタントをM&Aしグループ経営体制へ。海外戦略ではマレーシアやシンガポールの拠点展開を皮切りに、東南アジアへ。ものづくり企業との知識製造インフラも構築中。