※本ページ内の情報は2026年6月時点のものです。

設立から短期間で飛躍を遂げているクルマテラス株式会社。中古車販売業界におけるニッチな市場に目を向け、業界初となる「完全非対面」の独自の仕組みを確立した。感染症拡大の社会情勢を追い風に変え、3年で売上高を220倍に拡大させている。社会人経験ゼロの経歴を持つ代表取締役の渡邊誠氏は、「古い慣習に縛られなかったからこそ今がある」と語る。社員同士の会食を禁止するなど、合理化を進めている同社の強みと、上場を見据えた今後の展望について聞いた。

社会経験ゼロから築いた業界初の「完全非対面」モデル

ーーまずは、中古車販売事業を立ち上げたきっかけについてお聞かせいただけますか。

渡邊誠:
20代で立ち上げた飲食事業を譲渡した後、次の事業を模索していました。その中で、ローン審査が難しいお客様と販売店が直接契約を結ぶ「自社ローン」というビジネスモデルを知ったことが転機となりました。当時の仕組みは販売店側の資本力に依存するため、どうしてもお客様にとって割高な契約になりがちだったのです。そこに目をつけ、私たちが銀行や信販会社と提携することで、「より一般的な金利水準に近い契約」をお客様に提供できるのではないかと考えたのが、この事業を立ち上げたきっかけです。

ーーそこから、どのようにして3年で売上高220倍という成長を遂げたのでしょうか。

渡邊誠:
業界に先駆けて、「完全非対面」で車を販売する仕組みを確立できたからです。事業の展開と同時に、感染症対策で非対面の習慣が世の中に浸透しました。以前であれば、実物を見ずに車を買うことは避けられる傾向にありました。しかし、時代の変化と合致し、お客様に抵抗なく受け入れていただけたのです。このニッチな市場において、業界で初めて「完全非対面」の仕組みを確立し、先行者利益を得られたことが成長の要因です。

ーー急成長の背景には、社長ご自身の考え方も影響しているのですか。

渡邊誠:
古いルールや固定観念に縛られていないことが、よい影響を与えていると考えています。私は社会人経験がないまま起業したため、一般的な社会の感覚が最初はわかりませんでした。しかし、結果的にそれがよかったのだと思います。私自身に固定観念がない分、社員に私の考えを押し付けることもありません。社員には個々の選択を尊重し、自由に生きてほしいと考えています。弊社の特徴である「13時出社」や「6時間勤務」といった柔軟な働き方も、そうした想いから生まれたものです。これが現在の対等な組織文化につながっています。

「社員同士の会食は不要」馴れ合いを排除したプロ意識

ーーその自由な社風を保つために、独自のルールなどはありますか。

渡邊誠:
社員同士の馴れ合いを防ぐため、業務外の会食を禁止しています。過去の事業経験から、業務外の付き合いでの金銭的なトラブルや人間関係の摩擦が、仕事に悪影響を及ぼす様子を何度も見てきました。そのため、「会社で無理に馴れ合う必要はない」と考えており、交友関係はプライベートの友人と築くべきだと伝えています。仕事と私生活を明確に分け、プロとして結果で語る文化を大切にしています。

ーー他社には負けない強みや仕組み化についてお聞かせください。

渡邊誠:
当たり前の業務を徹底して遂行することが一番の武器です。問い合わせへの迅速な対応や、インターネット上の口コミへの真摯な返信を重要視しつつ、評価が満点でない場合やご意見をいただいた際は、幹部と担当者で原因を深く分析しています。お客様に直接ご連絡して事実確認を行い、不備があれば真摯に対応し、担当者へ改善を促す。こうした対応の徹底が信頼につながっています。

また、最近では外部のAIシステムを大規模に導入しました。AIに社内の知識や経験が蓄積される仕組みをつくり、新入社員が困ったときにすぐ解決できる環境を整え、個人の資質に頼りすぎない組織づくりを進めています。

「やる気さえあれば必ず売れる」若手が圧倒的に稼げる環境

ーー営業部門では、どのような人材を求めていらっしゃいますか。

渡邊誠:
「お金を稼ぎたい」という強い意欲を持つ人材を求めています。過去の経歴よりも、現在の向上心ややる気さえあれば十分に活躍できる環境です。私たちは精神論で意欲を上げるのではなく、成果報酬や明確な評価制度といった実利でしっかりと報いる姿勢を貫いてきました。会社側の力不足で社員が稼げないという状況は、絶対につくりたくありません。

ーー貴社の営業スタイルには、どのような特徴がありますか。

渡邊誠:
お客様からの問い合わせに対応する反響営業であることが最大の特徴です。お客様は「車がほしい」という明確な目的を持って連絡してこられます。そのため、「お客様の細かな要望に気づき、思いやりを持った対応ができれば、必ず売れる」と言っても過言ではありません。

ーー最後に、今後の展望をお話いただけますか。

渡邊誠:
上場に向けた準備は順調に進んでおり、昨年の段階で組織の内部をしっかりと充実させ、無駄のない強固な会社にすることができました。現在は「資金と人さえいれば、着実に実績を上げていける」という勝ち筋が明確にわかっている段階です。だからこそ、今この時期に入社してくださる方には、非常に大きな機会があると考えています。

20代や30代という時期は、今後の人生の軸を決める極めて重要な期間です。情報があふれる現代において、私たちの会社を選んで大切な時間を預けてくれた社員には、必ずよい経験をしてほしいと願っています。安心して働き、自分の人生に自信を持てる環境をこれからも全力で守り抜いていきます。

編集後記

社会人経験ゼロから独自の感覚と冷静な分析力で、業界初となる非対面販売の仕組みを確立した渡邊氏。「社員同士の会食禁止」といった一見冷淡に思えるルールも、すべては社員が純粋にプロとして成果を出し、確実に稼げる環境を守るための合理的な方針なのだと感じた。上場を見据え、勝ち筋が明確になった同社の次なる飛躍、そしてそこで育つ若い才能たちがどのような未来を描くのか、非常に楽しみである。

渡邊誠/2008年、オークションを活用したバイクの修理・車の販売事業を開始。2011年に飲食事業を立ち上げ、最大30店舗まで拡大。2020年、東京都にて株式会社Japan DHAホールディングス(現・クルマテラス株式会社)を設立。2021年より中古車販売事業「クルマテラス」を展開し、全国へ事業を拡大。2024年、本社を東京・虎ノ門に移転し全国展開を加速している。