※本ページ内の情報は2026年6月時点のものです。

損害保険業界が激動の時代を迎える中、保険代理店に特化したコンサルティングで注目を集めるセブンスターズコンサルティング株式会社。代表取締役の佐々木篤史氏は、富士火災海上保険株式会社(現・AIG損害保険株式会社)で29年半にわたり、営業や人事などの部門を経て、労働組合委員長や営業教育の責任者など、多岐にわたる要職を歴任した実績を持つ。今回は、起業の経緯と現在のメイン事業である支援内容について、佐々木氏にお話をうかがった。

29年半の会社員生活と 父親の背中がつないだ起業への道

ーーまずは、キャリアのスタートについてお聞かせいただけますか。

佐々木篤史:
私は新卒で富士火災海上保険株式会社に入社し、トータルで29年半ほど在籍していました。最初は岐阜県の大垣支社で5年ほど代理店営業を経験し、その後は大阪の本社へ異動となりました。人事部や法人営業部をはじめ、労働組合の事務局長や委員長、さらには営業教育の責任者や営業推進課長など、現場と本社を行き来しながら本当にさまざまな部署を経験させてもらったのです。中でも最後に長く担当した「営業教育」や代理店コンサルティングの経験が、今の事業にそのまま直結しています。

ーー長年勤めた会社を離れ、起業を決断されたのはなぜですか。

佐々木篤史:
直接的なきっかけは、会社の経営統合のタイミングです。それまで「自分で商売をしてみたい」という思いがずっと頭の中にあり、思い切って起業しました。私の父は京都の西陣で織物関係の中小企業を経営しておりました。子供の頃から何度も危機を乗り越えながら頑張る姿を見て、「いつかそんな経営者の方々に役に立つ仕事がしたい」と考えていたのです。これまでの経験を活かし、独立するなら、今しかないと決意し、起業しました。起業当初の2年間は給料も取れず大変でしたが、前職時代からのご縁で応援してくれる方々に支えられ、少しずつ信頼をいただいて現在に至ります。

「ランチェスター戦略」と「循環型セールス」で導く確かなブランド作り

ーー現在のメイン事業について教えてください。

佐々木篤史:
日本の保険市場は人口減少や高齢化などが進展し、保険会社では経営効率化の流れにあります。その影響もあって、保険代理店は激動の経営環境に置かれているのです。そうした中で、代理店がしっかりと利益を出し、生き残っていくための「ブランド戦略」を支援しています。具体的には、コンプライアンス遵守等の体制(態勢)整備の支援に加え、売上高を上げるための営業戦略や社員教育を提供しています。その核となるのが「ランチェスター戦略」です。これは前職時代、会社の営業変革プロジェクトを任された際にも取り入れて成果を上げた販売戦略のバイブルです。

ーー具体的にはどのような販売手法を取り入れられているのでしょうか。

佐々木篤史:
ランチェスター戦略を基盤とし、差別化戦略の戦法のひとつである接近戦として、無理な売り込みをせずにお客様から自然と相談が来る仕組みをつくる「情報提供型(循環型)セールス」というマーケティング手法をお教えしています。この仕組みが回り始めると、勝手に契約が増えていく状態を作ることができるのです。さらに、これらの営業手法を組織全体で機能させるための人事評価や賃金制度の構築まで、経営全般のサポートを行っています。

専門性と誠実さを武器に 監査とアカデミーで業界の品質を高める

ーー現在、一番注力されている事業は何ですか。

佐々木篤史:
今一番力を入れているのは「監査事業(体制(態勢)整備)」と「ビジネスアカデミー」の2つです。近年、業界全体の品質改善が強く求められており、代理店には金融機関として法律に則った高い品質での業務運営が問われている状況です。それに伴い、社内規定やマニュアルが整備され、適正に運営されているかを客観的に評価する監査のニーズが非常に高まってきました。

ただ、内部だけで体制を整備し監査を行うのは、ノウハウの面でも人員の面でも限界が生じがちです。そこで私たちが外部の目線から厳正にチェックし、現場のヒアリングやロールプレイングも交えながら品質向上をサポートすることに加え、内部監査体制の構築支援も行うことで、保険会社からの評価向上や手数料アップにもつなげていただいております。

ーー「ビジネスアカデミー」とはどのような取り組みでしょうか。

佐々木篤史:
保険代理店向けの経営塾として、会員制の「ビジネスアカデミー」を運営しています。活躍されている保険代理店への取材動画や経営に役立つ研修動画を視聴して学んでいただき、個別のZoomフォローアップ講座で質問にお答えするという実践的な内容です。随時、集合研修やオンライン研修なども企画し、コミュニティを通じて広くノウハウを提供することで、業界全体の底上げに貢献しようと取り組んでいます。

ーー最後に、貴社の強みと今後の展望をお話いただけますか。

佐々木篤史:
私たちの最大の強みは、高い「専門性」と、お客様に対する「誠実さ」です。起業してから失敗もありましたが、やはり誠実に、手間をかけてでも付加価値の高いサービスを提供し続けることが大切であると考えています。業界の中で質の低いものを数こなすのではなく、「品質」と「信頼」の面で第一位と言われる会社を目指しています。今後もお客様に寄り添い、質の高い監査と教育を通じて、保険代理店の経営を力強く支援し続けていきます。

編集後記

取材中、佐々木氏のお話の端々から感じられたのは、出会った人々との縁を心から大切にする温かいお人柄だ。実際に、前職時代の上司や部下、さらには全国各地の経営者など、驚くほど幅広いネットワークをお持ちであり、そのご縁が現在の事業を力強く支えていることが窺えた。顧客に寄り添い、決して妥協せずに「誠実さ」を貫く同社の姿勢は、これからも多くの企業から厚い信頼を集め続けるに違いない。

佐々木篤史/1966年京都府生まれ、大阪市立大学(現大阪公立大学)卒。富士火災海上保険株式会社(現・AIG損害保険株式会社)に入社し、2017年にセブンスターズコンサルティング株式会社を起業、同社代表取締役に就任。保険代理店特化型コンサルティングおよび中小企業支援特化型コンサルティングの事業を展開。