※本ページ内の情報は2026年8月時点のものです。

創業からわずか4年で、従業員300名規模の組織へ成長した株式会社VISIONARY JAPAN。ITSolution事業を基盤とし、AI Technology事業、AI DX Strategy事業、Consulting事業を展開することで、日本企業の変革を支援している。同社を率いる代表取締役の小野恭佑氏は、理学療法士としての経験を持つ。そこで培った「誰かを守るためには、思いだけでなく実力が必要である」という価値観は、現在の経営にも深く根付いている。社員を守り、顧客に価値を届け続けるために組織を強くし続ける小野氏に、起業の経緯や組織づくりにかける思い、そして今後の展望について聞いた。

思いだけでは救えない 原点にある「結果で応える責任」

ーーまずは、これまでのご経歴についてお聞かせください。

小野恭佑:
大学卒業後、私は回復期リハビリテーション病院で理学療法士として勤務していました。脳卒中などによって突然それまでの日常を失い、もう一度自分らしい生活を取り戻そうと懸命にリハビリに取り組む患者さんと向き合う仕事です。当時の私は、担当する患者さんの人生と本気で向き合っていました。

患者さんにとっては人生を左右する数ヶ月であり、その時間の大部分を自分が担っています。だからこそ、知識や技術を磨くことは努力ではなく「責任」でした。その経験の中で、今でも変わらない価値観が生まれました。「誰かの人生を預かる以上、思いだけでは誰も救えない。どれだけ相手を思っていても結果を出せなければ意味がなく、守りたい人を守るためには、思いだけではなく実力が必要だ」と痛感したのです。そこから人一倍、誰よりも勉強し、技術を磨き続けました。この考え方は、今の経営にもそのまま繋がっています。

ーーその価値観は、起業という決断にどのように結びついているのですか。

小野恭佑:
「社員を守りたい」「お客様に価値を届けたい」と思うだけでは何も変わりません。会社として成長し、利益を生み出し、変化する市場の中でも価値を発揮し続ける実力が必要です。一方で、理学療法士として働く中で、自分一人が直接届けられる価値には限界があることも感じました。どれだけ努力しても、自分一人が関われる人数には限りがあり、本当に大きな価値を生み出すためには、自分一人の力では限界があります。これからの時代は、個人の能力だけではなく、組織としてどれだけ大きな価値を生み出せるかが問われるようになると考えるようになりました。

同じ志を持つ仲間が集まり、価値を生み出し続けられる組織をつくることができれば、より多くの人の人生に責任を持ち、価値を届けられます。自分自身がプレイヤーとして成果を出す人生ではなく、多くの仲間が活躍し、より多くの人の未来に責任を持てる組織をつくる人生を歩みたい。それが起業を決意した思いでもあります。

仲間との信頼関係が、組織の土台をつくる

ーー起業を決意してから、貴社を設立するまでにどのような経験をされましたか。

小野恭佑:
予定していた起業時期から逆算して、自分に足りない経験を身につけるための修業期間を設けました。その中で選んだのは、当時設立3ヶ月だったHR系スタートアップ企業です。創業メンバーとして、事業をゼロから立ち上げ、組織が拡大していく過程を当事者として経験し、営業、採用、組織づくり、マネジメント、顧客への価値提供にいたるまで、スタートアップ経営に必要な要素を現場で学びました。

特に大きかった学びは、事業は戦略だけでは伸びないということです。どれだけ良いサービスがあっても、それを届ける営業力がなければ広がらない。どれだけ売上高が伸びても、組織が整っていなければ継続的な成長はできない。そして、どれだけ優秀な人材が集まっても、同じ目的に向かう文化がなければ強い会社にはならない。この経験を通じて、事業の成長には営業、採用、組織、文化、マネジメントのすべてが必要であることを学びました。

また、数多くの経営者とお会いする中で、競争優位の源泉となるのは商品やサービスだけではなく、組織そのものだと実感しました。どれだけ優れた戦略があっても、それを実行する組織がなければ価値は生まれないのです。

ーーVISIONARY JAPANの創業期についてお聞かせください。

小野恭佑:
私の思いに共感してくれた仲間たちと、VISIONARY JAPANを立ち上げました。創業初期は共同生活を送りながら、昼夜を問わず事業づくりに没頭していました。当時を振り返ると、あの時間の中で最も大きかったのは信頼関係でした。私は会社経営の本質は事業ではなく、人と人との信頼関係だと思っています。

義理を果たすこと。約束を守ること。仲間やお客様のために本気になること。これらは一見すると非合理に見えるかもしれませんが、最後に組織を支えるのは人と人との信頼だと思っています。当然、合理性が必要なのは大前提です。ただ、どれだけ優れたビジネスモデルも、どれだけ優秀な人材も、信頼がなければ長く成長することはできません。逆に、強い信頼関係があれば、環境が変わっても何度でも挑戦できます。VISIONARY JAPANの文化の根底にあるのも、仲間への敬意と信頼です。それが創業期から今まで変わらない強さの本当の源泉だと思っています。

AIを導入するだけでなく、成果が出るところまで責任を持つ

ーー現在注力されている事業について教えてください。

小野恭佑:
創業当初からITSolution事業を基盤として成長してきましたが、現在はAI Technology事業、AI DX Strategy事業、Consulting事業にも力を入れています。AI市場は急速に拡大している一方で、多くの企業が「AIを活用したい」と考えながらも「何から始めればよいのか、そもそもAIで何が実現できるのかわからない」あるいは「PoC(初期段階の概念実証)やAI導入までは進んでも現場に定着せず成果に結びつかない」という課題を抱えているのが実情です。私はAIによって、これからあらゆる産業の競争ルールが変わると思っています。これまで評価されていた仕事のあり方や組織のあり方も大きく変化していくでしょう。だからこそ企業には、変化へ適応する力が求められるのです。

ーーそうした企業の課題に対し、どのようなアプローチをとられているのでしょうか。

小野恭佑:
本質的な課題はAIそのものではなく、経営課題を理解し、最適なソリューションを選定し、現場へ定着させ、成果へ繋げる人材が不足していることにあります。ですから私たちは、AIを導入すること自体を目的にするのではなく、あくまで経営成果を生み出すことを目指しています。そのため、お客様の業務や組織を深く理解し、戦略設計からPoC、本開発、定着浸透への支援までを一貫してサポートしているのです。

ーー支援を行う上で、貴社ならではの強みはどのような点にあるとお考えですか。

小野恭佑:
弊社には約380名規模のエンジニア組織があります。構想だけを語るコンサルティング会社でもなければ、開発だけを行う会社でもありません。経営課題を整理し、事業課題、業務課題、現場の課題にまで分解した上で、実際に現場で使われて成果につながる形まで落とし込みます。そして、経営の意思決定と現場の実行をつなぎ、成果が出るところまで伴走する。このように、構想だけで終わらずに成果まで責任を持てる実行力こそが、私たちの価値であり競争優位性だと考えています。AI時代に求められるのは技術そのものではなく、企業変革を実現する力です。私たちは単にAIを導入する会社ではなく、企業変革そのものを支援する会社でありたいと思っています。

仲間を守るために、進化し続ける組織へ

ーー組織づくりで最も大切にしていることは何ですか。

小野恭佑:
私は、社員を雇用している以上、その仲間を守り続けることが経営者の責任だと思っています。ただ、守るということは甘やかすことではありません。変化の激しい時代において、現状維持は実質的な後退であり、過去の成功体験だけで未来を生き抜くことはできません。だからこそ会社も、一人ひとりも、進化し続けなければならないのです。私たちはそのように考えて、ITSolution事業を軸に、AI Technology事業、AI DX Strategy事業、Consulting事業へと事業領域を広げてきました。それは単に事業を増やして顧客への提供価値を最大化させたいだけではなく、仲間が10年後、20年後も市場から必要とされ続ける存在であり続けるためでもあります。AIによって仕事がなくなるのではなく、価値の出し方が変わると考えています。

ーー変化の先を見据え、今後どのような組織を目指していきたいとお考えですか。

小野恭佑:
会社には、未来でも必要とされるスキルや経験を仲間に提供していく責任があります。私たちが目指しているのは、一部の優秀な人材に依存する組織ではなく、組織として再現性高く価値を生み出し続けられる企業です。どれだけ優れた戦略も実行されなければ意味がなく、戦略を成果に変えるのは最後は人と組織の力に他なりません。VISIONや理念に共感する仲間が集まり、その力を最大化できる組織を創り続けることにこだわっています。会社が成長するのも、新しい挑戦を続けるのも、仲間とその家族を守るためには絶対に欠かせません。「守るために強くなる」。私は経営とは、その繰り返しだと考えています。

人の人生を背負う覚悟と次世代への挑戦

ーー社長が一貫して大切にされていることは何でしょうか。

小野恭佑:
人の人生を背負う覚悟です。これは理学療法士時代から何一つ変わっていません。当時は患者さんの人生と向き合っていましたが、今はお客様や各パートナー様はもちろん、社員一人ひとりと、そのご家族の未来とも向き合っています。

私は利益を追求するためだけに経営を行っているわけではありません。ただし、利益は仲間とその家族を守るために必要不可欠な要素です。社員が安心して挑戦できる環境をつくること、仲間が胸を張って誇れる会社をつくること、お客様に継続的に価値を届けられる会社であり続けること。そのために私は、誰よりも会社を成長させる責任があります。仲間が人生を懸けてこの会社に期待して集まってくれている以上、経営者である私が責任を果たさなければなりません。

苦しい状況に直面することもあり、悔しくて涙を流す日も少なくありません。それでも踏ん張れるのは、自分一人のために経営しているわけではないと思えるからです。会社が成長し続けることで、より多くの人の人生に良い影響を与えられるからこそ私は、成長にも結果にも徹底的にこだわってきました。経営者として、人の人生を背負う覚悟を持ち、その覚悟に見合う実力をつけ続けること。そして、お客様、仲間、社会に貢献し続けることは、何よりも大切にしています。

ーー最後に、今後の展望についてお聞かせください。

小野恭佑:
まずは売上高100億円を実現します。ただし、AIによって産業構造そのものが変化する時代において、私たちは既存の枠組みに留まるつもりはありません。ITSolution事業で培ってきた技術基盤と顧客接点を軸に、AI Technology事業、AI DX Strategy事業、Consulting事業を掛け合わせ、日本企業の変革を支える存在になりたいと考えています。

目指しているのは、単なる事業拡大ではなく、経営課題を事業・業務・現場の課題にまで落とし込み、テクノロジーと人の力で成果につなげることです。その積み重ねによって、日本企業の競争力向上や生産性向上に貢献していきたいと思っています。

また、将来的には上場することも重要な選択肢の一つとして視野に入れています。それも目的ではなく、より大きな挑戦を実現するための手段に過ぎません。会社としての可能性を広げることで、お客様、仲間、社会へ届けられる価値も大きくなります。私が実現したいのは、誇れる仲間たちと日本を代表する会社をつくることです。そのための通過点として、まずは売上高100億円を必ず実現します。

編集後記

理学療法士として患者の人生と向き合ってきた経験は、小野氏の経営の根幹に今も息づいている。しかし、その思想は単なる「人を大切にする」という言葉では表現しきれない。誰かを守りたいのであれば実力が必要であり、仲間を守りたいのであれば会社は成長しなければならない。その成長を実現するためには、組織は進化し続けなければならない。理学療法士時代に培われた責任感は、今や社員、その家族、顧客、そして社会へと向けられている。
同氏の強みは、単に人を大切にすることではなく、人を守るために成長と変化から逃げないことだ。AI時代という大きな変革期において、VISIONARY JAPANがどこまで進化を続けるのか。その挑戦から目が離せない。

小野恭佑/HRスタートアップ企業に創業メンバーとして参画し、組織・採用コンサルティング事業に従事。トップセールスとして活躍後、事業責任者として組織マネジメントや事業を統括。2022年3月、代表取締役として株式会社VISIONARY JAPANを創業。設立4期目にして売上高27億円を達成し、業界トップクラスの急成長を遂げる。