※本ページ内の情報は2026年9月時点のものです。

システムの複雑化が進む現代ビジネスにおいて、従来の労働集約型のアウトソーシングは限界を迎えつつある。今まさに必要とされているのは、ビジネスとテクノロジーの架け橋となり、企業の変革を伴走支援する「ITコンサルティング」だ。クライアントのビジネスに深く踏み込み、最適なシステム戦略から実装までを一気通貫で伴走するこの領域において、いま際立った成長を遂げている企業がある。それが、優秀な人材の力を結集してクライアントに確かな価値を届ける「エンジニアリングコンサルファーム」、株式会社テクニケーションシードだ。今回は、同社を率いる代表取締役会長の高橋俊介氏と代表取締役の西田拳氏に、エンジニアリングコンサルファームとしての原点、企業理念、そして今後の展望について話をうかがった。

IT業界で急成長を遂げる企業になるまで

ーーこれまでの経歴と、経営者としてのバックグラウンドを教えてください。

高橋俊介:
私は学生時代、バレーボールにすべてを捧げていました。高校時代には主将として春高バレー全国3位を経験し、守備の要であるリベロを務めていました。その後、美容の専門学校を卒業して美容師、さらには営業職を経てエンジニアへ転身するという、少し変わったキャリアを歩んでいます。フリーランス独立後は外部CTOや技術顧問、請負開発を幅広く手がけ、ビジネスの基盤を築いていきました。

西田拳:
高橋が人や技術の現場を歩んできたのに対し、私はビジネスの視点からキャリアをスタートしました。大学卒業後、自分の持ち物が買値より高く売れた経験からリユース業で一度起業したんです。ただ、在庫を抱えるリスクに直面し、在庫を持たない持続可能なビジネスモデルはないかと模索する中で、27歳の時にSES企業へ入社しました。そこで1年2ヶ月ほどがむしゃらに営業を経験し、この業界の構造を深く理解したことが、私の起業の原点になっています。

ーー起業のきっかけと、代表になるまでの経緯をお聞かせください。

高橋俊介:
私にとっての大きな転機はコロナ禍でした。SNSを通じて多くのエンジニアと交流する中で、高い技術を持ちながらも、不遇な給与や環境に甘んじている開発者がいかに多いかという残酷な現実に直面したんです。彼らを守り、正当に評価される理想郷をつくらなければならないという強い使命感が込み上げ、株式会社SeeDを立ち上げました。

西田拳:
私もSES業界の営業を経験する中で、同じように業界の古い体質や課題を感じていました。自分がエンジニアならどんな会社で働きたいかを突き詰め、理想の組織を創るために株式会社テクニケーションを設立したんです。

ーーなぜ「合併」という大きな決断に至ったのでしょうか。

西田拳:
高橋のSeeDと、私のテクニケーション。両社は同じ高還元SESの企業として、当初は最大のライバルと目される関係にありました。しかし、対話を重ねる中で浮き彫りになったのは、お互いが抱く「エンジニアの価値を最大化し、不遇な環境を打破したい」という全く同じ熱い想いだったんです。

高橋俊介:
そうですね。お互いのビジョンが完全に一致したことで、競い合うのではなく、両社の強みを結集して1つの大きな組織になる決断を下しました。

西田拳:
単なる企業の統合ではなく、「日本のIT業界のスタンダードを変え、エンジニアリングコンサルファームへと進化する」という共通の理想を最速で実現するための、運命的な合併でした。

エンジニアリングコンサルファームへの挑戦

ーーなぜ従来の「SES」ではなく、「エンジニアリングコンサルファーム」へシフトしたのでしょうか。

高橋俊介:
現在の日本のIT業界、特に従来のSES市場は、幾重にも中間マージンが搾取される「多重下請け構造」が常態化しています。この労働集約型のモデルでは、現場で誰よりも汗を流すエンジニアが買い叩かれ、正当に評価されないという現実があります。言われた作業をこなすだけの作業者として扱われればエンジニアの成長は止まり、結果としてクライアントに対しても本質的な価値を提供できなくなってしまいます。

西田拳:
まさにその通りで、私たちはこの歪んだ業界の縮図を根本から変えたいんです。そのためには、単に労働力を切り売りするSESから脱却し、高い技術知見をもって自ら顧客の経営課題を解決に導く「エンジニアリングコンサルファーム」へのシフトが不可欠でした。

高橋俊介:
エンジニアがプロフェッショナルとして主導権を握り、ビジネスとテクノロジーの架け橋となる。これによって初めて、エンジニアの市場価値は最大化され、クライアントの事業成長を力強く牽引するパートナーになれると確信しています。既存の枠組みに囚われず、エンジニアと企業が対等に、共に成長できる新しいモデルを確立すること。それこそが、私たちが果たすべき役割だと考えています。

ーー「エンジニアリングコンサルファーム」としての強みを教えてください。

西田拳:
最大の強みは、超上流のコンサルティングから実際のシステム開発までを一つの組織で横断的にやり切り、クライアントの課題を根底から解決できる点です。私たちは単にシステムを作るだけでなく、根幹となる技術力を用いてクライアントのビジネスに徹底的に向き合います。

高橋俊介:
それを実現するために、個人ではなく40名以上規模の体制参画を主軸としているのが大きな特徴ですね。これにより、クライアントに対して大きな単位で価値を提供し、他社にはない確固たる信頼関係を築くことができます。

西田拳:
また、経営陣の多くがエンジニア出身だからこそ敷ける「キャリア選択制」も大きな武器です。エンジニアの適性や小さなニュアンスまで汲み取ってアサインを戦略的に設計するため、組織としての技術力の厚みが違います。この「提案から開発まで丸ごと任せられる信頼感」と、「優秀なチームが一丸となってクライアントを支える組織力」こそが、他社には真似できない当社の強みです。

エンジニアから選ばれ続ける「透明性」と「体制構築」

ーー深刻な人材不足が叫ばれるIT業界において、採用の現状をどう捉えていますか。

西田拳:
多くの企業が採用難に苦しむ本質的な原因は、エンジニアを案件を埋めるためのコマとして扱うような、業界の古い体質にあると考えています。エンジニアは自分の市場価値を高め、安心して長く働ける場所をシビアに見極めています。だからこそ、企業側がエンジニアをプロフェッショナルとして尊重し、その人生に誠実に向き合う環境を作らなければ、優秀な人材は集まりません。私たちが徹底的な透明性にこだわるのも、この市場の現実に真摯に向き合っているからこそです。

ーー透明性の高い「等級制」と、そこに込めた経営の本質を教えてください。

高橋俊介:
私たちは、案件単価と連動した明確な「等級制度」を導入しています。評価者の主観に左右されるようなあいまいさをなくし、「どの単価帯であれば、どの等級・給与になるのか」という基準をシンプルかつオープンにすることで、圧倒的な透明性を担保しています。

この制度の本質は、単なる成果主義の割り切りではありません。メンバー層の方にも最短で単価90万円(年収700万円)相当の等級まで到達してもらい、その先のスペシャリスト待遇へと一緒にステップアップしていくための明確な成長の指針です。評価の仕組みに嘘や不透明さがないからこそ、エンジニアは会社を信頼し、迷いなく自身の技術研鑽に集中できると考えています。

ーー「キャリア選択制」が、エンジニアの定着と自立を促す理由を教えてください。

西田拳:
多くの企業が「マネジメントかスペシャリストか」という二者択一の型に技術者をハメがちですが、キャリアには本来、もっと選択肢が存在するはずです。だからこそ弊社では、個人の適性や小さなニュアンスまで汲み取り、プロジェクトを戦略的にアサインする「キャリア選択制」を敷いています。一つの組織にいながら多様な挑戦ができるため、エンジニアは転職ありきのキャリアから脱却し、長期的な視点で自身の市場価値を高めていけます。会社が個人の可能性を縛らないからこそ、結果として高い信頼関係と定着率が生まれるのだと確信しています。

ーーコンサルタントのプロを育てる教育体制について教えてください。

高橋俊介:
当社の教育の核は、座学ではなく「チーム体制でプロジェクトに参画する」という環境そのものにあります。チーム内にはすでに、超上流のコンサルティングフェーズから参画している優秀な先輩やリーダーが多数在籍しています。同じチームで机を並べ、彼らがクライアントのビジネスにどう向き合い、どう課題を解決しているのかを間近で体感できる。この環境こそが、最もエンジニアを成長させます。単にコードを書く作業者で終わらせず、自然とコンサルタントとしての視点や当事者意識が養われていくのが、当社ならではの育成設計です。

ーー貴社がエンジニアから選ばれ続けるため、工夫されていることはありますか。

西田拳:
年間休日125日以上やリモート率90%以上、残業月平均6.8時間といった環境は、エンジニアが最高のパフォーマンスを発揮するための当たり前の前提に過ぎません。私たちが目指す次の一手は、どんな時代や環境の変化が訪れても、エンジニアが市場価値を高め続けられる絶対的な安心感の提供です。

高橋俊介:
そのために、AIなどの最先端技術を駆使したプロジェクトへの進出や、より上流のビジネスを牽引できる機会をさらに拡大していきます。常に市場のニーズを先取りし、挑戦の選択肢を広げ続けることで、すべてのエンジニアが自分の可能性をどこまでも信じられる理想の組織へと進化を続けていきます。

IT業界の常識を変える、未来への成長戦略

ーーこれから会社をどのように成長させ、どのような未来を描いていますか。

高橋俊介:
私たちが掲げるミッションは「変化の最先端で、エンジニアリングのこれからを切り拓く。」です。AIの台頭に始まり、IT業界は今この瞬間も激しく変化し続けています。クライアントが求めるものが変われば、私たちの貢献の形も多角化していくのが必然です。だからこそ私たちは、従来のSESや受託開発という枠組みだけに決して安住しません。

西田拳:
高橋の言う通り、市場のニーズに常に適応し、さらにその次を先取りするための選択をし続けます。今後は、既存のシステム開発やITコンサル領域をさらに強固にするだけでなく、ディストリビューション事業など新たな領域へも積極的に進出していきます。どのような時代になろうとも、私たちの根幹は「技術力をもってクライアントの課題解決に向き合う」ことに変わりはありません。

高橋俊介:
一つの場所に留まらず、挑戦の選択肢を広げ続けること。それこそが、会社とエンジニア、そしてクライアントが共に未来を切り拓くための唯一の道だと確信しています。

ーー最後に、読者やこれから貴社と共に歩む方々に向けてメッセージをお願いします。

西田拳:
私たちは、単にシステムを構築するだけの集団ではありません。超上流のコンサルティングから開発までを一気通貫でやり切る「エンジニアリングコンサルファーム」として、クライアントのビジネスの成功にどこまでも泥臭く、誠実に向き合い続ける組織です。だからこそ、私たちの挑戦に共感し、共に高い壁を乗り越えてくれるプロフェッショナルな仲間を求めていますし、その人生に報いるための最高の環境を用意しています。

高橋俊介:
市場や技術がどれだけ激しく変化しようとも、それを扱い、クライアントの課題を解決するのは常に「人」です。当社が徹底的な透明性と強固なチーム体制にこだわるのは、関わるすべての人間が嘘のない環境で100%のパフォーマンスを発揮し、最大の付加価値を生み出すためでもあります。

西田拳:
変化の最先端を楽しみ、クライアントと共に次なる未来を切り拓いていく。その強固なパートナーシップの輪を、これからさらに広げていきたいと考えています。

高橋俊介:
ビジネスパートナーとして、あるいは同じ志を持つ仲間として、私たちのビジョンに共感していただける皆さまと共に、IT業界の新しいスタンダードを創り上げていけることを心から楽しみにしています。

編集後記

IT業界には、長年「多重下請け」や「不透明な評価」といった根深い課題が存在し続けている。今回のインタビューで高橋会長と西田社長が語った言葉は、そうした旧態依然とした業界の常識に対する、極めて合理的かつ情熱的な挑戦状のように感じられた。「等級制度」や「キャリア選択制」は、一見するとエンジニア獲得のための魅力的な条件に見える。しかしその本質は、エンジニアを「一人のプロフェッショナル」として尊重し、その人生に誠実に向き合うという経営陣の覚悟の表れだった。「エンジニアリングコンサルファーム」へと進化を遂げ、2026年9月時点で800名という圧倒的な組織力を誇る同社。単に規模が拡大しているだけでなく、一人ひとりのエンジニアが強いチームとして機能し、クライアントの超上流から現場までを一社完結で支える体制は、これからのITビジネスにおける新しいスタンダードになるに違いない。変化の最先端を楽しみながら、企業とエンジニアが対等に成長していく。同社が切り拓くIT業界の未来が、今から楽しみでならない。

高橋俊介/美容師、営業職を経てエンジニアへ転身し、フリーランスや外部CTO、技術顧問として活躍。コロナ禍にSNSを通じて多くのエンジニアが不遇な環境に置かれている現状を知り、自ら理想郷となる会社を創ることを決意して株式会社SeeDを設立。その後、西田が経営する株式会社テクニケーションと合併。現在は取締役会長として、社内制度の設計や、同社の強みである「チーム参画」の構築を牽引。エンジニアの心理に寄り添った経営戦略で、2026年9月時点で社員数800名を擁する一大組織への急成長を支え続けている。

西田拳/大学卒業後にリユース業の会社を設立し、その後SES企業に入社。2019年11月に株式会社テクニケーションを設立。従来のSES企業に対するネガティブな印象を払拭すべく、「自分がエンジニアとして働きたい会社」というコンセプトのもと、エンジニア主体で会社の仕組みを構築。その後、高橋が経営する株式会社SeeDと合併。透明性の高い仕組みを構築し、現在も急拡大を続けている「エンジニアリングコンサルファーム」を支え続けている。