※本ページ内の情報は2026年10月時点のものです。

不動産の購入から解体、リフォーム、そして売却までを自社で一貫して手がける株式会社ノーブデンス。同社は3つの事業を柱に、確かな施工管理の技術力で高品質な施工を実現し、法人顧客から厚い信頼を集めている。同社の代表取締役である山住広大氏は、会社員時代に全国トップの営業成績を残し、組織づくりと向き合ってきた。32歳で自らの会社を立ち上げた背景には、学生時代に培われた「自己犠牲を払ってでも組織に貢献する」という精神がある。同社の強みや、社員の幸福を最優先に掲げる組織戦略、細部へのこだわりに迫る。

組織への貢献と自己犠牲の精神 マネジメント経験を経て起業へ

ーーまずは、起業を決意された背景についてお聞かせいただけますか。

山住広大:
自分の裁量と責任において、意思決定や組織マネジメントを行いたいと考えたことが最大の理由です。私はこれまで、リフォームベンチャーで人材育成に携わって組織拡大のプロセスを経験したり、不動産会社で関西支店の立ち上げメンバーとして全国トップの営業成績を残したり、さらに別会社で部署立ち上げの責任者も経験したりと3社にわたってさまざまな経験をしてきました。その後、採用や人材配置といったマネジメント業務を自らの手で形にしたくなり起業を決意、32歳で創業しました。

ーー3社での経験は現在の経営にどのように活きていますか。

山住広大:
組織を盛り上げたいという強い思いから成果を追求し、営業として全国トップの成績を収めた経験が活きています。私のモチベーションの根底には、学生時代から続けていた野球の経験があります。野球には、自分がヒットを打ってヒーローになるチャンスを捨ててでも、仲間を有利な状況に進めるためのプレーがあります。個人の手柄を手放してでも、組織全体を勝たせるために縁の下の力持ちになる。その精神は、当時の営業活動における大きな原動力でした。その思いは今、会社を牽引する上での基盤となっています。

「不動産×リフォーム×解体」の内製化で実現する圧倒的クオリティ

ーー貴社の事業内容とビジネスモデルの強みについて教えてください。

山住広大:
弊社では不動産事業、リフォーム事業、解体事業の3つを柱としており、すべて自社で完結できる体制が強みです。特に不動産事業では、一棟丸ごと購入して加工及び売却を行っています。前職で不動産の仕入れと売却を繰り返す中、他社から買って他社にリフォームを依頼し、高く売る仕組みに疑問を抱きました。単にお金を動かしているだけの感覚があり、経営的なリスクも感じたため、解体からリフォームまでを内製化する、現在のモデルを構築したのです。

ーーすべて内製化したことで顧客からの評価に変化はありましたか。

山住広大:
高品質な施工と丁寧な対応が可能になり、法人のお客様を中心にご紹介やリピートを多くいただけるようになりました。その最大の理由は施工管理の質の高さにあります。現在リフォームと解体をあわせて、約10名の優秀な施工管理スタッフが自社に在籍しており、彼らが中心となってクオリティの高い仕事を提供することで、お客様とサステナブルな関係性を築くことができています。

適材適所と権限委譲で築くプロフェッショナルな自律型組織

ーー組織づくりにおいて、重視されていることは何ですか。

山住広大:
弊社には35名の社員が在籍していますが、一人ひとりがプロフェッショナルとして業務に専念できるよう、「事業別組織」を採用しています。明確な役割分担と権限委譲を行っており、営業や施工などすべてを広く浅くこなすのではなく、得意領域に特化して突き詰めてもらうスタイルです。マニュアル化を進めるとともに、特性検査や定期面談で適性を把握し、適材適所の人材配置を行っています。

ーー採用活動において、特徴的な点はありますか。

山住広大:
実は、社員の多くがリファラル(社員紹介)採用を経て入社しています。これは、私が考案したミッション・ビジョン・バリューに対し、深い共感が生まれているからだと考えています。会社の目指す方向性や、大切にしている価値観が社内に浸透しているからこそ、同じ志を持つ優秀な仲間が自然と集まってくる循環が生まれているのです。

数字は後からついてくる 社員と顧客を泣かせないディテールの追求

ーー今後の展開や展望についてお聞かせください。

山住広大:
従業員一人ひとりの自己実現と幸福を追求していくことが最優先です。やろうと思えば、1年で組織を倍にして目先の売上高を伸ばすこともできます。しかし、急激な拡大によってクオリティを落とし、社員やお客様を悲しませるようなことは絶対にしたくありません。社員が幸福な状態で社会貢献をすれば、その輪が広がり結果として数字は後からついてくると考えています。

ーー社員の幸福を追求するため、具体的にどのような取り組みをされていますか。

山住広大:
社員が心地よく働けるよう、五感で楽しめるオフィス環境の整備など「ディテール」に徹底してこだわっています。視覚的な空間デザインや温度・湿度の調整はもちろん、BGMにクラシック音楽も導入し、味覚を楽しめるドリンクも充実させています。また、女性専用の休憩室や、ゴルフ、筋トレ、卓球ができるレクリエーション施設も設けました。規模の拡大ばかりを追うと、こうした社員思いの環境づくりがおろそかになるため、細部にまでこだわり抜くことを大切にしています。

編集後記

社員を想う温かな眼差しと、ビジネスモデルを俯瞰する冷静な視点。山住社長への取材を通して感じたのは、最前線で結果を出してきた実力と、利他を貫くブレない軸があるからこその「圧倒的な頼もしさ」だった。若き日の組織への熱意は形を変え、今では「社員と顧客を絶対に泣かせない」という力強い決意となり、会社全体を優しく包み込んでいる。急成長を焦らず、オフィスの快適さやサービスの質といったディテールに徹底してこだわるその姿勢は、効率化ばかりが叫ばれる現代において一層の輝きを放っていた。一人ひとりの自己実現と幸福が結実した結果としての躍進を今後も追い続けたい。

山住広大/1988年、兵庫県尼崎市生まれ。大学卒業後、リフォーム系ベンチャー企業に入社。その後、旧東証一部上場の買取再販専門企業で全国売上高トップの営業成績を残した。さらに中堅不動産会社にて事業責任者として買取再販事業部の立ち上げ、マネジメントと営業および採用担当業務を経験。2021年に株式会社ノーブデンスを設立。現在は立命館大学大学院にてMBA取得中。成長企業の組織づくりに注力している。