※本ページ内の情報は2026年10月時点のものです。

株式会社ユニゲは、化粧品をはじめとする海外ブランドの日本進出を、物流からマーケティング、販売まで一貫して支援している。複雑な法規制のクリアや複数業者との個別契約といった障壁を取り払うオールインワン体制を構築し、海外メーカーから厚い信頼を獲得。世界10拠点以上のフルリモート人材を活用した組織力と、透明性の高い自社開発システムで成長を続ける。同社の代表である網本雅之氏に、事業の強みと今後のフランチャイズ展開に向けた展望をうかがった。

現場のニーズから生まれたオールインワンの支援体制

ーー現在の事業内容とこれまでの経緯について教えていただけますか。

網本雅之:
もともと共同代表の中条が創業した運送会社の新規事業として、十数年前に私が参画し、貿易・物流領域へ参入したのが弊社の始まりです。当時は価格競争が激しかったため差別化を図り、化粧品に特化した物流からスタートしました。

現在の主軸は、海外メーカー様が日本へ進出する際のコンプライアンス確認から、国際物流、国内での保管、エンドユーザーへの配送までを一括支援しています。さらにグループ会社を通じてSNSでのプロモーションや店舗での販売代行など、日本で商品を売るための仕組みを総合的に提供しています。

ーー物流から始まり、ワンストップで対応できる強みはどのように構築されたのですか。

網本雅之:
「日本へ運んできたものの、どう売ればいいかわからない」という海外メーカー様のお悩みが原点です。当初は販売ノウハウもなく試行錯誤の連続でしたが、自ら商品を販売して実績と経験を積み重ねていきました。外部に任せるのではなく、必要な機能を社内やグループ内で一つずつ内製化していった結果、物流からマーケティング、販売まで一貫して対応できる強みが確立されたのです。文化や言語の壁を越え、複数業者と個別契約する手間を省ける点が最大のメリットです。

自社開発システムと多様な働き方が支える組織

ーー体制を構築する中で、システムの自社開発も進められた理由は何ですか。

網本雅之:
以前はシステム開発を外部企業に委託していましたが、迅速な改善と運用のため約5年前に自社エンジニアによる内製化へ切り替えました。海外の企業様にとって、日本にある商品は資金と同等の貴重な資産です。そのため、商品が今どの倉庫にあり、誰にいくらで売れたのかを各国の言語でリアルタイムに確認できる管理システムを開発しました。社内の勤怠や請求管理もシステム連携させたことで、大幅な業務効率化とコスト削減も実現しています。

ーー世界各地で働くフルリモートスタッフの活用法についてお聞かせいただけますか。

網本雅之:
現在、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界10拠点以上にスタッフがおり、営業やシステム開発をフルリモートで行っています。時差を活かすことで、海外メーカー様とストレスなくコミュニケーションがとれるのが大きなメリットです。また、給与面だけでなく働き方をカスタマイズできる点に価値を見出すスタッフが増えています。有給を使わずに母国へ帰省しながらリモートワークをしたり、希望者が海外の展示会へ赴いたりと自由度の高い働き方を認めています。一人ひとりに合わせた環境を整えたことで、離職率は非常に低く保たれています。

在庫リスクのない物販モデルで目指す新たな市場開拓

ーー充実した組織体制を背景に、今後はどのような領域に注力されますか。

網本雅之:
次の段階として、小売店舗のフランチャイズ展開を構想しています。物販における最大のリスクは、売れるかわからない在庫を抱えることです。しかし弊社のビジネスモデルでは、海外メーカー様から商品をお預かりし、売れた分だけ還元するモデルのため、仕入れによる在庫リスクがほとんどありません。

まずは年内に東京や大阪で直営店を立ち上げて収益モデルを確立させます。そのうえで、この「在庫リスクがない物販」という独自の仕組みを、フランチャイズとして多くの企業様に提供していきたいと考えています。

ーー今後の事業における具体的な数値目標や展望についてお聞かせいただけますか。

網本雅之:
5年後に売上高300億円を目指しています。消費者がリアルタイムで海外情報を得る時代だからこそ、まだ日本に進出できていない世界中の素晴らしいブランドを届けていきたいですね。各国の領事館や大使館との連携も深まっており、大使館経由での現地メーカーへのアプローチなど協力体制も整ってきました。今後も積極的な提案を行い、魅力的な商品をいち早く日本の市場へ届けていきます。

編集後記

海外ブランドの日本進出を多角的に手掛け、貿易ビジネスの新たな可能性を提示する株式会社ユニゲ。印象的だったのは、現場で培ったノウハウを愚直に仕組み化し、顧客の困りごとに応えてきた経営体制の強固さだ。時差や国境を強みに変えるグローバルな組織づくりと、リスクを最小限に抑えた画期的な店舗モデル。既存の枠組みにとらわれない柔軟なアプローチが、日本の小売市場にどのような変化をもたらすのか、今後の展開から目が離せない。

網本雅之/1976年、広島県生まれ。1995年、高校を卒業し、大阪の専門学校に入学。同年7月に退学。その後、2010年に株式会社大豊物流システムに就職。2013年に同社代表取締役就任。中条一樹とともに、株式会社ユニゲを設立し、現在に至る。