株式会社カイノス 生化学・免疫・輸血など臨床検査試薬の開発製造を手掛ける医薬品メーカー 株式会社カイノス 元名誉会長 中村 利通　

事業

【中村】

臨床試験薬とは何かについて説明すると、主に病院等で検査するときに使用される検査試薬です。大きく病院内で検査というと、１つはお医者さんが問診したり、または接診など、いくつかの行為がありますが、それ以外に機器を用いて測定する画像診断とかそういうのはよくお聞きになるかと思いますが、そういうものにあわせて、血液、尿といった体内の組織それらを用いて測定する検査という分野があります。

その分野で使われる対外診断用医薬品という位置づけになっています。みなさんが健康診断で、または具合があるくなった時に血や尿をとって、またインフルエンザなどの検査で体内の物質を取り出して、その成分を測る、そういう測るために用いる試薬を製造販売しています。

【中村】

１９８３年に臨床検査薬協会が設立されました。そこに今加盟している会社は１２３社、２００９年３月２３日に朝日新聞の全面広告で協会として国民一人ひとりの方に検査の必要性、有用性を理解していただくために、初めて打った広告なのです。

ここにいくつか検査項目が並んでいますが、一滴の血液でこういう検査をして、癌の診断とか、いろいろな予防に効果があるという形で、参加している企業１２３社が一堂に会しているという内容のものです。

【中村】

当社だけで、いろいろ考えても、なかなか資本、技術を確立できないのですが、先生方のアイデアをいかに形にするかというのも重要ですし、企業関係でも当社が手を出せない分野のところへ、当社の技術を参入させていただくという面で、大きく共同開発関係というものが生きているかと思います。

非常に微量の成分を測るという技術を持っていますから、そういう意味で、治療薬の開発中にすごく微量な成分を測りたい、こういった要望が当然でてくるわけですが、それを実現化するという形で研究試薬としては、世界の研究者向けに製品を供給して、好評をいただいているものもあります。当社の特殊な技術や持っているものを十分活用していただければ、ありがたいと思います。