NKKスイッチズ株式会社(旧日本開閉器工業株式会社) 産業機器用の操作スイッチ専業メーカー。トグルスイッチで世界的に高いシェア NKKスイッチズ株式会社(旧日本開閉器工業株式会社) 代表取締役社長 大橋 智成　

歴史

【大橋】

昭和２６年に日本開閉器工業の前身の大橋研究所というものを作ったことにはじまります。その２年後に改組して日本開閉器工業と、スイッチの会社を立ち上げることになるわけですけれども、この日本開閉器工業株式会社という名前にも、とにかく日本でナンバーワンの産業スイッチの会社になりたいと、そういう意味を込めて「日本」と開閉器とは開く閉じるのスイッチの意味なのですが、日本開閉器工業株式会社と名付けています。

【大橋】

親から「そろそろどうだ」ということをいわれまして、この会社には最終的には自分の判断で来たわけですけれども、やはりこの会社からしてみると、今思っても異分子でした。今でも異分子かもしれません。まるでカルチャーが違うところで育ってきていました。

この日本開閉器というのは、本当にピュアな日本の企業です。そして前職のIBMという会社は日本で言えば外資という会社ですから、本当にグロ−バルな会社で天と地くらい違うので、何もかもがカルチャーショックでした。

そういう中で社員からも社長の息子と見られる部分と、異分子という風に見られる部分と両方ありました。ですから自分が言う事なす事というのは、社長の息子ですから、はいはいと聞いてくれるけれども、心の中や行動としては何も理解されていませんでした。そこが自分としては非常に辛いことでした。自分にとっては当たり前のことですから、なぜこういうことも理解してくれないのだろうかと思っていました。当たり前のことがこんなに難しいことだったのか、というのがこの会社に来て、一番最初に感じたことです。

でもやはりこの会社で私が社長として、旗を振る以上は、自分のカラーで染めていかないといけません。いつまでも現会長のカラーで、私がその延長線上を行くというのは、自分にとっても考えられないわけですし、自分にとって非常に苦しい内容ですから、コミュニケーションをする、今の役員とコミュニケーションする、部長とコミュニケーションする、課長とコミュニケーションする、係長とコミュニケーションする、社員とコミュニケーションする、そういう機会を会長がやった時以上に持ちました。

話しを積み重ねていくことで、一つひとつ今の現状が積み重なって、今の現状になっていると思います。当たり前のことが通じないという苦しさからはじまって、人の心を変える事の難しさを、私自身が知らされました。