株式会社銀座山形屋 創業100年以上のオーダー紳士服の老舗大手企業 株式会社銀座山形屋 代表取締役会長 山形 政弘　

プライベート

【山形】

一人の人がいれば一人の人生がそこにあるわけですから、お客様も人、社員も人、自分もそうだし、そんな思いで一人ひとりの人と接していきたいです。

その中で小さな感動みたいなものを感じたいです。１日の中で美味しいアイスコーヒーを飲んでいる時間や、朝起きて外を見た時、それが雨の日でも青空の日でも、あるいは綺麗に咲いているアジサイを見ても、なんかこう気持ちの中で、あ、良いもの見たなという気持ちをね。

若い時はそういうものを見ても何も感じないで、ただ焦って食事をして、会社に行って仕事をしてという生活でしょうけど、時間がいつも間にか１０年、１５年経過してみると、歳とともにそういうことがわかるというか、歳になってきたのかもしれませんが。

今は今の歳で精一杯楽しくこういうことに感動したり、オシャレな服を着て、ちょっとかっこよくなったなと思えたり、美味しいものを食べにいったり、あるいは社員の方とああだこうだといって、ファッションの議論をしたり、あるいは数値の分析をしたり、それぞれがみんな楽しい時間なのではないかなと思います。

それを意味なくただ生きていくという、時間のもったいなさに気が付いてきた気がします。

【山形】

今、愛読書はそれほどないのですけれども、相田みつをさんの本や作品集が好きで、５冊くらい買っていつもパラパラとめくって見るのですが、その中にやはり「あ、そうだ」と思うことがいっぱいあるのです。

それは若い人が同じものを見るよりも、たぶん人生経験してきた人が同じ文章を見ると、全然気づきというか思いが違うのだと思うのです。それを見ながら自分はそういうことを大事にしようと思いながら、また忘れていたと、そうやって頻繁にそういうものを見ながら。

あっそうだこんなところにも良さがあったんだ、こういうふうに考えるべきなんだ、人間だもん、しょうがないよね、という気持ちも必要だよね、と言う風に、いろいろなところで、その言葉を見ながら、自分で年を取った良さの再発見をいつもしています。私の今の幸せ感というのはそういうことかもしれませんね。