株式会社ニイタカ 固形燃料のシェア国内60％ 株式会社ニイタカ 代表取締役社長 奥山 吉昭　 (2013年8月取材)

事業

【奥山】

自社で製造している製品が今期１００億くらいなのです。そのうちの２割くらいが固形燃料でそれ以外が洗剤洗浄剤とこういう割合です。固形燃料自体の市場は正確にはわかりませんけれども、３０億もないくらいの市場だと思います。

その中でメーカーは５社しかありません。実は需要自体、数自体もずっと減り続けています。価格競争で単価も下がってきています。ですから量も金額もかなり急激に縮小している市場です。

今までの経緯から言いますと、発売した当初は高度成長期の時代で、いわゆる団体旅行が多かったのです。団体旅行で２００人、３００人のお客様が一度に食事をする。そこに温かいものを提供すると言いましても、温めておいても冷めてしまいます。ですから１人用の鍋などを作りまして、そこで固形燃料を燃やして料理が出来上がるわけなのです。

ちょうど１個で料理が出来上がる量なのです。そうすると温かいものが食べられると。そういうことで固形燃料が観光旅館を中心に普及していったのです。だ出し観光旅館自体も廃業とかでどんどん数が減っていますし、固形燃料については今後、売上を増やすということは難しいと思います。

そういうこともあって、中国の福建省に固形燃料の製造と販売を目的に進出しまして、現在中国国内で販売しています。そちらの方は順調に売り上げを伸ばしていますので、固形燃料については海外を期待していきたいと考えています。

洗剤洗浄剤ですが、これも大きく分けると３つくらいの市場に分かれます。食器洗浄機用洗剤は差別化するといってもなかなか難しいですけれども、当社の製品にジャストパックというのがありまして、どう違うのかと言いますと、使う都度水に溶かすという仕組みになっています。

通常粉や固体の洗剤というのは、ポリ容器にはいっていまして逆さまに供給装置にいれて、下から水を当てて溶かす仕組みなのです。ただ容器の中の洗剤に水がかかりますから、成分が劣化してしまうのです。

当社の製品は劣化しないようにその都度、粉を水で溶いて使用するので洗剤自体に水が直接かかりませんので、成分が劣化しないという特徴があります。

外食チェーン店さんだとどうしても価格競争になってしまいます。ですからポリ容器に入れた固体のものですね、粉は従来作っていましたが、これを固形燃料の生産目的に進出した中国の工場でその固体の食器洗浄機用の洗浄剤を中国で作らせています。これでかなりコストダウンになりました。競争力もでてきて、チェーン店様にも利用いただいています。

手洗いの洗剤ですけど、食器洗浄機用の洗剤で売り込んでですね、こちらをついでに採用していただく、というような戦略もとっています。それと今パウチと言いまして、濃縮洗剤ですね、５キロのボトルにそれを薄めて入れて使うのです。洗剤自体はほとんど中身は水みたいなものですから、それを運送屋さんで運ぶと、水はどこにでもあるわけですから運ばなくてもいいですよね。ということで濃縮して販売するという手法をとっています。

そうするとお客様のことろでもごみの量が減らせますし、捨てやすくなります。お客様のメリットとしては同じ一斗缶の洗剤と比べて価格が安くなります。販売店さまも安く販売していただけます。安く販売するのですけれど利益はそちらの方が上がります。

同じものは他のメーカーが作っていませんから、洗剤の分野ではK社さんを抜くということを目指して頑張っているところです。

最後に雑多な洗剤の分野としては、鳥インフルとかが今年も中国でありましたけれども、そうすると手指を消毒するアルコール製剤と言いますが、それの需要がどんどん伸びています。

要は衛生意識が高まってきているということの反映だと思います。それに乗っていく、あるいは昔から油汚れの洗剤というのは、当社にもありますが、非常に評判が良くて、発売してかなり経ちますがロングセラーになっています。そういう特徴的なものを持っています。

できるだけ環境にやさしいということからすれば、一斗缶などの缶をなくしていくということが、将来必要だと思いますので、そのように変えていって、できるだけ水を運ばなくても良いようにしたいと思います。

また省資材という方向性でも製品開発をしていって、その分野で伸ばさせていただいているということになります。