Vol.4 経営哲学
―経営哲学―
【伊久間】
あんまり、こんなまだ発展途上の人間なので哲学とかで語るっていうのはおこがましいと思っているんですね。哲学と呼べるものではありませんが、私が1992年に、バブルが弾けてから社会人になったのでほぼデフレの世の中でしか経験していない訳です。そんな好景気だった所は実感値がほとんど無い所ですので、良い事よりも悪い事ばかり経験してきたという所は大きいと思っています。中ではもういろんな、特に倒産する会社とか不良債権で回収しなくてはいけない局面を商社時代に経験させて頂いたので、なるほど。こうしたら会社はつぶれるんだなという実感値はあると自負しているつもりです。
その中で大切にしているって事であったりしますと例えば会社とは必ず勝負しなくてはいけない局面がある。それはもう、自分も毎日勝負しているつもりであるんですけれど。その勝負をした事によって、その一勝負で会社がつぶれるような勝負、私はそれはしないです。そこのところでは常にどんな勝負を仕掛けるところがあっても、これの勝負に負けたとしても会社が潰れることがないとの確信がない限りは、勝負はしないと思っています。いつでも勝つことばかりではなく時に負けることがあっても、きちんと会社の財産が残って戦える武器さえ残れば再び戦える局面はあると思っています。その中で言うと、私は博打を打つというような事というのは多分、会社の経営のところではいわゆる博打を打つみたいな風に見えることですね。もちろん普段の勝負もある人から見れば博打みたいにみえるかもしれないのでその表現は難しいですけど自分の中で博打を打っているという所はないです。そこは物凄くこだわっていると思います。
会社でやっぱり、いろいろな会社さん、倒産したりとかっていう局面を見ていると従業員本人のみならず家族の人の生活も変えてしまうと思うんですね。ここではもちろんウォーターダイレクトという会社で働くこと、これが全員ハッピーだとは思いませんが、少なくとも家族の方がウォーターダイレクトで働いているお父さんやお母さんがいるところでそれが不安になるような経営をしてはいけない、これだけは凄く心掛けているつもりです。
だから一発勝負が当たって会社がゴーンとなるようなことはしませんので一気に会社が10倍、100倍になることはないと思います。ただ着実に力をつけていく、ただスピードをゆるめているわけではなく。ただ、その裏腹としては強固な形での成長を心掛けて経営させていただいているつもりではいると思っています。そうですね、あえて言ったりしますと経営哲学と言えるものはないかもしれませんが会社が潰れるような勝負はしない経営ということになるかもしれません。
尊敬する人物は何人もいますが最近ものすごく意識していますのが毛利元就です。毛利元就の執事が広島の一小豪族の所から中四国地方一帯をほぼ収めるに至ったという所であったり致しますとそのプロセスがベンチャーの発展過程においてもの凄く参考になります。例えば織田信成は、織田家も徳川家の後を継いでいる。豊臣秀吉は織田信成の所にくっついていってという所であったりしますので今の参考になるところがあったりしてもベンチャーの経営の所にイメージをつけられるような形では中々ないのですが、一方で毛利元就の発展過程はもの凄くイメージがつきやすいです。地方の小豪族からいかに周りを囲い込んでいき、その時に非常に大きかった尼子氏や大内氏とうまく付き合いながらそれでその傘下に収まりながら自分たちの勢力を拡大しチャンスがある所で自分たちがそれを凌駕したという事で中国、四国の盟主となられた。
自分が今後会社を大きくしていくところでは、色々な大企業の方々のお力も頂かなければいけないという風に思っていますし、じゃあ誰かに偏ってお付き合いをするとその系列の会社になるということでそれというのもあまり面白くないですね。色々な方と色々なバランスをとりながら発展させていかなればいかない。まだまだ我々も中小企業ですから毛利元就の発展過程、これを学びながら自分たちの会社という事も、より強固な大きい組織にしていきたいという風に思っています。
これはもう高校生の時からなんですが昔から歴史が好きで、特に幕末が好きで、その中でも一番好きな人物が高杉晋作です。初代内閣総理大臣の伊藤博文が高杉晋作を称した言葉というので、高杉晋作という人物は動けば雷電の如く、発すれば風雨の如しと。それを聞いたとき高杉晋作という人物のイメージがそれでついたわけです。騎兵隊を組織して幕府を敵に回し本当に幕末の流れを変えていったという所の中心人物だと思っています。その行動力は人生の中ではずっと参考に生きてきました。
自分は凄く能力に恵まれた人間だとは思っていないんです。ただ思い立ってそれを行動に移す、このスピードを上げるだけでもしかしたら自分の競争力の原泉になるかもれなないと感じる時があり、そしたら自分の中で高杉晋作のように人に動けば雷電の如く、発すれば風雨の如しと言われるような人間になろうと。結局能力のない人間が他に勝つためにはスピードで勝負しなくてはいけない。それは着手は言うまでもない、例えばこれをやろうと思った時にいかにすぐ着手でき、いかにスピードをもって仕上げられるかという事はこだわって生きてきましたし、今後もこだわって生きていきたいと思いますので高校の17才の頃から変わらず30年間これが座右の銘で使っています。
経営者プロフィール
氏名 | 伊久間 努 |
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役職 | 前代表取締役 執行役員社長 |
生年月日 | 1967年7月3日 |
座右の銘 | 『動けば雷電の如く発すれば風雨の如し』 他より秀でる為に最も必要な能力はスピートと思っているので |
愛読書 | 深夜特急 |
会社概要
社名 | プレミアムウォーター株式会社(旧株式会社ウォーターダイレクト) |
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本社所在地 | 東京都渋谷区神宮前1-23-26 神宮前123ビル |
設立 | 2006 |
業種分類 | 食料品・飲料製造業 |
代表者名 |
伊久間 努
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WEBサイト | http://premium-water.co.jp/ |
事業概要 | ミネラルウォーター等の飲料水の製造及び販売、各種付帯サービスの提供 |