【ナレーター】
大山は、いかに必要な機能を見極め、「値ごろ価格」を実現するかがアイリスオーヤマがメーカーとして最も重要にしていることだと語る。
【大山】
私たちは柔軟に物事を考えています。マーケットインといって、世の中にある商品をただ真似したり、同じ値段なら機能が一つでも多い方がいい、スペックが上だ、という考えでものづくりをしていくと、不要な機能が増えて価格も高くなってしまいます。
だからこそ「引き算の開発」と言っています。お客様が本当に求める機能と価格をベースに、そこからどうやって無駄を省き、ものづくりができるかを開発で突き詰めて考えているんです。
【ナレーター】
今後は、国内外問わず、新規事業を軸に、さらに事業を拡大していきたいと語る大山。見据える展望とは。
【大山】
国内に関しては、食品や消耗品をさらに伸ばしていきたいと考えています。今、国内は競争が非常に激しくなっており、購買活動もオンライン中心になってきたことで、お客様がいつでも買い物をする機会が増えています。
その時に一番大事なことは、お客様との接触頻度だろうと考えています。これまでは、どちらかというと年に1回、あるいは5年、10年に1回といった購入頻度の商品が多かったのですが、顧客との接点を増やすためにお米やお茶といった商品を広げながら、生活全体をサポートする事業を考えています。食品から最終的には家電までつながるような、そんなストーリーで生活をサポートしていきたいですね。
もう一つは海外です。中国のサプライチェーンが今、東南アジアに移動していることもあり、大きな社会変革が起きています。私たちは「変化がチャンス」と言っていますので、そのチャンスが生まれているというところで、積極的に北米、そしてヨーロッパ、中国の事業を伸ばしていきたいです。
今後私たちがフォーカスしていく事業の一つにロボティクス事業があります。日本は少子高齢化の中で労働人口がどんどん減っていくという大きな社会的ニーズがあると思っています。
それに対して私たちはサービスロボットという形で、まずはお掃除や配膳といったところから進めていますが、この人手不足をロボットやサービスで代替していくことで、少子高齢化の社会でも、日本が便利で、そして成長できる、そんな社会を実現したいと考えています。
【ナレーター】
求める人材像について、大山は次のように語る。
【大山】
私たちの採用基準は、意欲、人柄、能力という順番で決めています。アイリスオーヤマは事業の幅が非常に広いので、一つの分野で成功したことが他の分野でも成功する、そんなことがよくあります。ですから、自分の業務に没頭するのではなく、広い視野を持って、「今後5年、10年先はどうなるだろう」といったことを考えて行動してほしいと思っています。
アイリスオーヤマの平均年齢は約30歳で、若い方がマネージャーになり、30代の執行役員も2名います。そういった意味では、意欲さえあれば、さまざまなことに挑戦できる。それがアイリスオーヤマにとっての一番の魅力じゃないかなと思います。
■大事にしている言葉
【大山】
「変化はチャンス」です。世の中が大きく変わる時に、たくさんのニーズが生まれます。そのニーズにいち早く気づき、事業化するということが、企業競争の中で大事になってくると思っています。
「昨日までの満足は明日の不満になる」と創業者の会長がよく言っています。今いる立場に満足することなく、新しいこと、新しい事業を生み出していく。
それを支えるためには、やはり変化に目をつけ、そこから将来の需要を予測して取り込むことが大事だと考えています。だからこそ、変化はチャンスだと捉えているのです。