-自由時間から生まれたメイン商品-
【道具】
その当時、皆さん電話回線でインターネットしていたので、課題は電話代の請求だったんです。そういう課題に対しては、今いくら電話代がかかってますよというのがパソコン上で常に出ている。また、1日30分まででインターネットが自動的に切れるというようなツールをパッケージにして売ったりしていました。
マルチブラウザというのは、少しネットショッピングサイトが出てきましたので、その当時テレビが、4画面テレビとか、6画面テレビが出てきたんです。要は番組を小さくたくさん見られるということです。ブラウザにもそれがあったら便利ではないかと。たとえばカメラを買いたいが、このサイトでは1万円、このサイトでは1万2,000円、と比較するようなオリジナルのブラウザをつくって出しました。
次に出すものに迷ったというか、何をやろうかというときに当時、ラオックス・ザ・コンピュータ館が東京の秋葉原にできました。ここがインターネットのはしりで聖地だったんですが、99%が輸入物です。アメリカのソフトを並べて販売していました。
そこに行って店員さんに、なにが売れ始めましたか、と聞いては買ってきて、当時会社にいた人達にこれが売れ始めたらしいからこれを1カ月半でつくってくれと言って発売しました。要はアメリカで恐らく何百人がかりでつくったソフトを、学生アルバイト4〜5人で1カ月半でつくってするというのをやったんですよ。
なぜ1カ月半かというと、これは音楽でも同じなのですが、ソフトが売れて、売れ終わる。このライフサイクルが短いんです。大体3カ月から半年。売れ始めてきたよというときに二番煎じをつくると、一番は超えられないのですが、一緒に売れるんですよね。ほぼ努力せずにつられて売れるんです。
そういうことをやろうとすると、これが売れはじめるタイミングで、次はこれと同じもの、もしくは少し工夫がされたものをつくらざるを得ない。そうすると開発期間は1カ月。発売まで1カ月半というのも3本目から始めました。そういう元々売れそうなものをつくっているので、3カ月くらいは食べていけるんです。
要は3カ月です。1カ月半徹夜し、発売しました。残りの1カ月半は自由です。社員には会社には一応来い、だけど何をやっていてもいいよと言いました。それで、また1カ月半、自由に作品をつくっている。
次も何かを買ってきて、次はこれだと。また一カ月半でつくろうとして1カ月半徹夜します。でも残りの1カ月半は自由。それを年4回繰り返すんです。すると年に4本つくれるんです。それで開発者、僕らもそうですが、要は1年のうち半年間は徹夜して、半年間はフリーというのを2年ぐらい続けたんです。十分食べていけましたし、それなりの利益も出ていました。
自由な1カ月半でメイン事業のアイフィルターの原型ができたんです。実はあの当時はネットの有害情報が結構問題になりつつある状態で、その自由な時間で、あるプログラマーから、ホームページにあるキーワードによって、ブラウザを真っ白にしてしまう、もしくは表示するというのを切り分けるツールをつくったんですよ、と言われたんです。
最初は僕も、へえ、なんか面白いね、って言っていたんです。そのときふと思ったのは、学校教育をやっていたので、これから学校の授業でパソコンが使われていくというのは知っていたんです。一方インターネットは有害情報だらけだったので、こんな状況で学校がパソコンのインターネットで授業することはできない。
要はこのツールを使用して、子供には見せたくないサイトをコントロールするソフトをつくったら、少なくとも学校にはニーズがあるはずだ、よし、このソフトをつくろうと。そこから1年かけてフィルタリングをつくったんです。まさに自由時間から生まれた発想で、この会社の今があるんです。
経営者プロフィール
氏名 | 道具 登志夫 |
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役職 | 代表取締役社長 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 想えば叶う |
愛読書 | ハーバード流交渉術(YESを言わせる方法) |
2011年4月 Digital Arts America,Inc. Director, President & CEO
2012年6月 Digital Arts Investment,Inc. Director
2014年4月 FinalCode, Inc. Director President & CEO
2016年4月 デジタルアーツコンサルティング株式会社 代表取締役会長
2016年9月 Digital Arts Europe Limited Director
会社概要
社名 | デジタルアーツ株式会社 |
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本社所在地 | 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー14F |
設立 | 1995 |
業種分類 | 情報・通信業 |
代表者名 |
道具 登志夫
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従業員数 | 388名(2023年3月31日現在) |
WEBサイト | https://www.daj.jp/ |
事業概要 | インターネットセキュリティ関連ソフトウェアおよびアプライアンス製品の企画・開発・販売 |