WAmazing株式会社 累計45億円超の資金調達に成功する注目のベンチャー。会員数45万人以上の訪日外国人旅行者向けサービスを展開 WAmazing株式会社 代表取締役CEO 加藤 史子  (2023年10月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
インバウンド向けのOTA事業を軸に、さまざまなビジネスを展開しているWAmazing株式会社。

2017年1月にリリースした旅行支援アプリ「WAmazing」は、日本国内の宿泊施設や観光アクティビティ、交通機関などの検索・予約・購入が可能で、会員数は45万人を誇る。

近年では、インバウンドの取り込みを強化したい事業会社との戦略的な資本業務提携を推進しており、日本の魅力を世界に発信すべく、挑戦を続けている。

「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というビジョンのもと、躍動する創業者が見据える未来像とは。

【ナレーター】
自社の特徴について、加藤は3つの主力事業を挙げて次のように語る。

【加藤】
オンライントラベルエージェント事業では、外国人旅行者の5大消費である、買い物、宿泊、飲食、交通、娯楽サービスという5つの領域の事業社さんが我々の顧客、クライアントとなります。

クライアントの情報・商品をインターネット上に載せ、外国人旅行者に届けます。外国人旅行者が旅の前にいろんな日本の素晴らしい観光資源を知って、宿泊手配やお土産の購入などができるようにする、インターネット上の旅行会社です。

2020年4月からは訪日外国人旅行者の回復を見据え、地域のDX(デジタルトランスフォーメーション)や、インバウンド集客対応をコンサルティングする地域DX事業を立ち上げています。

行政や観光協会、地域の民間事業者様がいかにインバウンド観光で稼ぐ力をつけるか、伴走しながらコンサルティングをさせていただいています。

また、訪日マーケティングパートナー事業を2022年11月に立ち上げました。こちらは比較的大手の民間企業様で、インバウンドの消費、バイイング・パワーを取り込みたいという際のサポートをさせていただく、広告代理店のような事業を行っております。

【ナレーター】
加藤のファーストキャリアは、人材サービスを提供する大手企業だった。新卒で入社し、新規事業開発に従事。多くのプロジェクトに携わり、順調にキャリアを重ねていったが、日本が抱える、ある社会問題を解決したいと思ったことが独立のきっかけになったと振り返る。

【加藤】
日本人の人口減少は著しい状態になり、外国人旅行者が増えてきているなか、地域のことを考えると、日本人による国内旅行市場の活性化で地方創生を目指すだけではなく、「訪日外国人旅行者の消費を地域の元気に結びつけられないか」という気持ちが大きくなりました。

それが独立のひとつのきっかけだったと思います。

【ナレーター】
そして2016年にWAmazingを共同創業。訪日外国人旅行者向けのサービスを展開し、創業1年で累計資金調達額10億円を超えるなど順調なスタートを切る。

しかし2020年、新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要が激減し、売り上げがほぼゼロになるという危機的状況に陥る。これを乗り越えるべく、加藤が打った手とは。

【加藤】
(2020年)2月14日、台湾の公衆衛生の整備をつかさどる、日本でいうところの厚生労働省のような機関が日本への渡航について注意喚起を出しました。

これにより、マーケットがいずれおそらくゼロになるだろうと予測し、打てる手を全て打っていこうと、頭を切り替えました。

打てる手というのは本当にシンプルな話ですが、企業というのはキャッシュフローが大事です。お金が尽きたら終わりですので、キャッシュアウト、つまりお金が流出していくのを止めることをまず行いました。

また、既存の事業は売り上げが上がらないため、新しい事業を作り、売り上げを稼ぐという手を打ちました。

ただし、新規事業の売り上げだけでは100人以上いた従業員の雇用を維持できないため、エクイティという株式を使った資金調達も行っています。これら3つの対策を通じて何とか生き抜こうと考えました。

【ナレーター】
加藤の取り組みが功を奏し、危機を乗り越えたWAmazing。困難に直面し、それを乗り越えるために大事にしていることについて、独立時のエピソードを引き合いに、次のように語る。

【加藤】
一回覚悟を決めたら、その方針が間違っていない限り、新しい材料が出てこない限りは貫き通すということが大事ではないかと思います。

正しい方向に正しい戦略で継続して挑んでいれば、いつかタイミングが合ったときに必ず成功します。それは、前職時代の新規事業開発経験でもずっと体験的に学んできたことでした。

また、コロナ禍のような状況になると被害者モードになりがちです。「私、何も悪くないのに、こんなつらい思いをして」と。

でも、客観的に自分を顧みると、誰に頼まれたわけでもなく、私がやりたくて起業した会社だ、という思いもありました。

ただそうすると、すべては自分でやりたいからやっているという自責の話になるので、つきつめてしまうと、生身の人間ですからしんどいところも出てきます。

そういうときは好きな理論を軸にして考えると良いですね。私の場合は「自分の機嫌は自分でとる」という考え方が好きで、起業家には必要なことだと思います。

そして、20億円近い資金調達をしているうえ、私がやりたいことに賛同してくれる仲間でもある従業員が、100人以上いることに対する責任感もありました。

【ナレーター】
「訪日外国人旅行者が知らない日本との出合いを通じて、感動の提供をしたい」と語る加藤。自社の使命について、ビジョン、ミッション、バリューを用いて次のように語る。

【加藤】
「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というのがビジョンです。

ミッションとしては「地方経済・日本経済の再興をインバウンドで実現」したいと思っています。

バリューは「旅する人と迎える人、それぞれに寄り添う、マッチングプラットフォーム」です。地域はそれぞれ、おいしいご飯、素晴らしい文化・芸能、素敵な宿泊施設などのプロダクトを持っています。

よくプロダクトアウト型がいいのか、マーケットイン型がいいのかといった議論がありますが、本当は両方が必要です。

地域が提供するもの、旅行者が欲しいもの、それをうまく融合させ、翻訳して、マッチングするというのが我々の役目だと思っています。

インターネットや多言語翻訳なども通じて、外国人旅行者の方がちゃんと見て、知って、事前に購入できるように整えるというのも我々の仕事ですし、両者に寄り添って、いいマッチングが起こるようにサポートするのが、企業としての提供価値かなと思っています。

【ナレーター】
ともに働きたい人材像について、加藤は次のように語る。

【加藤】
自分の頭で考えて自分で行動する人を求めています。

私たちは社外の人たちに価値を提供することで、利益が生まれ、お給料をもらいます。ですから究極は、私たちの上司は社外にいるはずです。

その社外の上司である旅行者の視点と、受け入れる地域側の気持ちに寄り添うことができ、どのように自分が動けば両者のマッチングができるだろうということを、自分の頭で考えて行動できる人が望ましいと考えます。

そういう方を当社は求めていますし、当社で成長してほしいと思います。その人自身のキャリアとして、人生として、成長するのを阻害しない環境を提供したいですね。

ー大事にしている言葉ー

【加藤】
「運命がレモンをくれるならば、それでレモネードを作ってみようじゃないか」という言葉です。

実際にWAmaizingはコロナ禍にあっても、いいこともたくさんありましたので、物事をポジティブに捉えて、ピンチに見えるものもチャンスに変えて進んでいく、トライしていくことはとても大事だと思っています。

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経営者プロフィール

氏名 加藤 史子
役職 代表取締役CEO

会社概要

社名 WAmazing株式会社
本社所在地 東京都台東区三筋1-17-12 長沼ビル201
設立 2016
業種分類 情報・通信業
代表者名 加藤 史子
WEBサイト https://corp.wamazing.com/
事業概要 インバウンドプラットフォーム事業(訪日外国人旅行者の日本旅行中に使う 「スマホ向けアプリサービス」を提供)
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