【ナレーター】
その後、事業は順調に推移し、2016年に東証マザーズへと上場、2017年に東証一部へ市場変更を果たす。そして現在、アジアを中心に900名以上のエンジニアを擁するまでに成長したUbicomホールディングス。青木が、挑戦を成功させるために意識しているのは「大局を見る」ことだと言い切る。
【青木】
経営者は大局を見るとき、「このビジネスの市場規模が500億円なのか、5000億円なのか、あるいは何兆円なのか」といった見方をすると思います。その中で、私が代表としてものすごく気をつけているのは、「大きいビジネスはしたくない」ということです。我々は「ニッチで勝っていきたい」。
メディカル事業がまさにそうですが、2016年のマザーズ上場時、セグメント利益はおそらく16.4%程度だったと思います。翌2017年に、私と本体からの役員2名を投入し、スクラップアンドビルドを決行しました。
そして、それまでの受託開発を少しシュリンク(縮小)させました。当時のメディカル商品は、販売価格に対し約10%の保守料金をいただくモデルでした。これを変え、価格を下げて月々払いの形にし、継続的に利用料をいただけるモデルを作りたいと考え、実行しました。
さまざまな事業がありますが、「ニッチで勝てる領域はどこか」という点に一番注力し、選択と集中(削減と投資)を行い、それをマネタイズしていく。このことは、過去も今もずっと考え続けています。
【ナレーター】
今後は、主力であるメディカル事業とコンサルティング事業をさらに拡大させ、クライアント数を増やしていきたいと語る青木。思い描く展望とは。
【青木】
両事業部とも、まさしくこれから市場がどんどん拡大していくと思います。そのときに大事にしなければいけないのは、「ニッチでナンバーワンのプラットフォームを作りたい」ということです。
我々はメディカル事業でリカーリングモデルを徹底し、ニッチで勝てる領域を確立します。それに加え、現在、国が進めているマイナポータルなどにもしっかりアクセスできる、そういったビジネスも考えていきたいです。
新しいチャレンジとしては、病院向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)支援があります。病院では医事課のスタッフやカウンセラーなど、多くの人材が派遣スタッフによって担われています。レセプト(診療報酬明細書)のチェックなどもアウトソーシングされています。日本にはこの分野で大手が3社ありますが、その一社と業務提携し、我々のエンジンを使ってもらうことになりました。
これにより、特に地方の病院では募集をかけても人が集まらないという課題を、我々のサービスで解決できます。BPOのニーズがなくならない限り、このサービスは使われ続けます。加えて、もし病院側から「こういう商品はないか」というニーズがあれば、我々から新たなご提供も可能になるわけで、これも非常にポテンシャルが高いと思っています。
次に、グローバル展開です。フィリピン、アメリカにもオフィスがありますが、海外市場の開拓も積極的に進めていきたい。そして最後は、M&Aによるグループ形成です。これにより、さらにスケールできるポイントを複数作っていく。この3つに力を入れていきたいと考えています。
【ナレーター】
求める人材像について、青木は次のように語る。
【青木】
年齢は問いません。大事なのは「チャレンジ精神」です。ご自身が歩んでこられたキャリアパスをつなぎ合わせ、「こういう領域でマーケティングコンサルとしてチャレンジしよう」とか、「エンジニアと一緒にこういうものづくりをしよう」といった形で、三方よしの考え方でどんどんチャレンジしてほしい。そういう方にはぜひUbicomに来てほしいですね。
【青木】
我々は、これから会社をどんどん拡大させていきたいと考えています。HR(人事戦略)においては、年齢にはまったくこだわりません。ただ、我々が向かう方向に共感し入社いただければ、必ず喜んでもらえるだろうと確信しています。なぜなら、チャレンジし放題の会社ですから。
もし明るく前向きな方がいらっしゃいましたら、ぜひ当社に問い合わせてください。若いメンバーも多く在籍していますし、これから起業しようと考えている方にとって、その一つの過程としてUbicomグループを活用してもらうこともできるかと思います。
また、豊富なキャリアをお持ちの皆さまには、そのキャリアを活かして、後進の教育や、さらには新しいクライアントへのチャレンジを担っていただきたいと考えています。