株式会社グローバル・リンク・マネジメント マザーズ上場後1年で東証一部へ市場変更。創業者が語る急成長の秘密 株式会社グローバル・リンク・マネジメント 代表取締役社長 金 大仲　 (2020年3月10日取材)

【ナレーター】

都心への人口一極集中や少子高齢化、晩婚化が加速する昨今、より一層の変化が求められている不動産業界。限られた都会の土地の資産価値をいかに迅速に見極め、投資家のニーズに応えられるかが、今後の発展に重要な要素となる。

そんな中、都心の一等地やブランド沿線など長期的に収益性の高いエリアに特化した不動産ソリューションを展開し、成長を続けている企業がある。

株式会社グローバル・リンク・マネジメントだ。

土地の仕入れから企画、販売、管理までワンストップで手掛ける同社は、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を掲げ、自社ブランドマンション「アルテシモシリーズ」などを開発・分譲。

オーナーからの高いリピートや紹介率を獲得して驚異的な成長を遂げ、2017年12月に東証マザーズに上場し、そのわずか1年後に東証1部への市場変更を果たした。

創業直後のリーマン・ショックをも乗り越え、投資用不動産業界のリーディングカンパニーを目指す創業者の軌跡と、成功の秘訣に迫る。

神奈川県横浜市の中華街で生まれ育った金(キム)。将来の進路選択については、通常よりもやや特殊な考え方だったと語る。

【金】

私は在日コリアン三世ということが影響して、医者か弁護士か経営者になりなさい、商売しなさいと幼少時から言われていました。兄は医者になる、なら私は弁護士になる、だからお互い医学部・法学部に行くんだと自然に考えていました。しかし周りには飲食業や不動産管理業、宿泊ホテル業など経営者が多かったので、自分がビジネスをすることも非常に意識しやすい環境にいたと思います。

【ナレーター】

その後、バブル全盛期に実家が飲食店を開業。しかし準備や戦略が不十分であったからか、バブルの崩壊と共に事業は衰退。自転車操業が続いた中、金を支えたのは母親からのある言葉だった。

【金】

母親が言ったのが、「神は乗り越えられない壁を与えない」という聖書の言葉でした。「これは必ず乗り越えられる壁だから頑張りましょう」と言う母親の姿、その生き様や育てた背中を見て、どんな試練でも必ず乗り越えられるということを学生時代に学びました。

仕入や支払いなど焼肉屋の経営を通して、全てのビジネスに通じるシンプルな仕組みの中で、どうすればビジネスを成功させられるのだろうかと、失敗を体感できたことは今思えば良い経験でした。

【ナレーター】

当時の両親の姿を見て自分が家業を救いたいと思った金は、弁護士ではなくビジネスの道へと進む決心を固める。

【金】

ビジネスは非常に難しいものです。しっかりと経験を積んで戦略的にやらないと勝てません。特に待ちの立場にある営業に関して言えば、経験値がないと成功できません。このままではいけない、弁護士も素晴らしいが、自分自身はとにかく家を救うためにビジネスをやろうと決めました。

私は、中華街が拡大と周りの方々の成功の様子から、メイン事業を成功させることと同時に不動産収益を持つ、つまり資産のポートフォリオの中に不動産を入れることによって、収益や信用を拡大しつつ事業を拡大していく姿に気が付いていました。そのため、自分自身も不動産に関わるビジネスをしていきたいと考え、まず金融を覚えようと新卒で金融に勤めました。

【ナレーター】

起業に備え、研鑽と実績を積んでいた金だったが、28歳の時にある不動産デベロッパーと出会ったことで、起業までのスピードを一気に加速させた。

【金】

そのデベロッパーは創業5年で上場しようとしている会社で、社長は33歳でした。私は当時28歳。自分がマンションを買おうとした会社が、同じ年齢の時に創業し5年後の33歳には上場するということに驚いて、どんな資産や学歴や人脈のある人ならそんなことができるのだろうと思い調べてみました。すると、特に資産や学歴、人脈が関係あるわけではありませんでした。志と仲間と想いがあって起業し、仲間とともに良いものをつくり、お客様に喜んでもらおうという気持ちでここまで来たのだというのを知って、私もそうしようと思いました。このままの自分の人生の延長線上に同じような成功というのは自分の中で描けなかったので、環境を変えなくてはいけないと思い、すぐに家業を抜けることを決めました。

【ナレーター】

その後、知識を蓄えるために上場を目指している不動産会社へ入社。そこで得た最も大きな学びとは。

【金】

我々の商品は、全ての商品がそうであるように、お客様が喜んで購入されるかどうかが分岐点になります。そう考えていただけるケースが多かったことで結果が出たのだと思います。ただ一番大きいのは、そこからお客様が、この商品いいから、しっかりサポートしてくれるから、この担当の人と会ってみたらという形でたくさんのご紹介を下さったことです。結局は商品も重要ですが、その後の協力、支えてくれるお客様というのが一番のキーワードだったのではないかと思いますね。