【ナレーター】
プロジェクトを成し遂げた杉江は、新生フィナンシャルの代表に就任。社長就任と同時にあることを心に決めていたという。
【杉江】
当時40歳だったのですが、私はこのまま社長に居続けたら帝王になると思ったんです。そうなってしまったらこの会社は腐ってしまうと思ったので、5年が任期だち自分で決めたんですね。
当時その会社の平均年齢が45歳で私が最若手なわけです。ですので、どう考えてもこのままいってしまうとまずいわけですね。
例えば、20年後も社長していたとしたら、もう誰にもバトンを渡せないのは火を見るより明らかですよね。
社会の公共機関ですから、そうなってはいけないと思ったのと、特に人から継いだ会社ですから、そういう意味では見えるものだと思います。
【ナレーター】
そして社長就任から約5年後、Paidy創業者のラッセル・カマー氏と出会い、Paidyへの移籍を決断。その理由とは。
【杉江】
彼としては最初、自分を支えるCOOを探していたようなんですけれども、自分の経験をそれなりに認めてくださって、COOじゃなくてCEOでお迎えしたいというお話をいただいてジョインすることを決めました。
もうひとつはやはりここの商材、Paidyという商材がものすごく面白いなというのはあって。ある種、レイクみたいな商材と似ているんですね。
AIでお客様の信用度を測るとか、どちらかというと、裕福な人を助けるみたいなサービスではないとか。
ものすごく手触り感が感じられるサービスですし、かつそんなに違わないんだけれども、ひとつはスマホ、それから人工知能というこの2つの現在における変革のドライバーを思い切り使っているど真ん中のサービスで、これは絶対に世の中を変えられると。
それで、ここでお世話になることに決めて、会長のラッセルとそれ以来、二人三脚が始まるという感じですかね。
【ナレーター】
その後、累計300億円以上の資金調達を実現させ、事業を急拡大させているPaidy。杉江が語る、事業を通じて実現したい世界と、Paidyの使命とは。
【杉江】
何かしらのイベント、お買い物みたいなものをするたびに何かフリクションとかハッスルみたいなものが起きるという中で、僕らがお手伝いできることはたくさんあると思っていて。
僕らのコーポレートミッションとして掲げているのは、お買い物、消費の「めんどくささ」を全部解消したい。そのソリューションとして、やはり僕らは金融のプロフェッショナルではあるので、多くの場合は金融のことをお話させていただきます。
しかし、そこからもう少し半歩出て、お客様がそもそもお買い物を楽しめるようなメンタリティーになるような仕組みみたいなものも含めて、提供させていただきたいなと思っています。
ゲーム性みたいなものもほしいし、お得であってほしいし、めんどくさくなくしたい、みたいなところまで行けたらいいなとは思いますけどね。
【ナレーター】
ダイバーシティーな環境もPaidyの特徴のひとつだ。世界中から様々なタレントが集まっている。その構成と企業文化について、杉江は次のように語る。
【杉江】
開発陣はインド人や中国人というのが多いと思うんですが、弊社はどちらかというとヨーロピアンが多いです。
ただ一部フロントエンドという、いわゆるアプリですとかウェブサービスをつくる人たちはアジアの人たちが多めですね。間接部門の人事や経理、財務みたいなことはやはり日本人が大半ですかね。
まず文化というものの大きな礎には多くの場合常識みたいなものが含まれると思うんですが、皆さんは生まれ育った場所が別々なのでそもそも常識を共有していないんですよ。
唯一あるのはリスペクトみたいなもので、それしか礎になりようがないという意味で難しさはあります。
じゃあ何をもってリスペクトされるのか。大きく二つあると思うんですけど、ひとつは結果。もうひとつはやり方、いわゆる行動、ビヘイビアと呼ばれるものです。
今、我々はどちらかというとデリバリーカルチャーと呼んでいますけれども、とにかく結果を出す。やり方みたいなものはフリクションが多少あってもいいから、つかみ合いのケンカをしてもいいから、とにかく結果を出そうよと言い続けてます。
というのも。バランスの問題で、もともと皆さん協業は上手な人たちなんです。イネーブラーとして人のことを立てるということがみんなできる人なんですが、どちらかというとオンしてデリバーするということをもっともっと磨き上げたいですね。
ですので、あえてこっちに振っています。
【ナレーター】
杉江が語る、求める人材像とは。
【杉江】
平たく言うと、僕がすごく最近足りない人材だと思って採りたいなと思っているのはやっぱり自分で自分をコントロールできるリーダーなんですよ。イネーブラーはたくさんいるんですけど、国籍問わずビジネスをオンできる人がいない。
人に決めてもらうのではなくて俺が決めて、俺がこのビジネスをドライブするという人がいないと、今ペイメント事業はPaidyしかやってないから僕だけでやれますけれども、これがまたPaidy◯◯、Paidy◯◯、Paidy◯◯とかがたくさん出てくるとビジネスリーダーは必要じゃないですか。
何か他人にやられるんじゃなくて自分がやりたいことがあって、そこに向かって何かを思い切る時は思い切る。自分が守るべきものは守るみたいなことを考えてくれるような材料を提供したいですね。
【ナレーター】
Paidyが描く消費の面倒がなくなる世界の実現に向けて、杉江の挑戦は続く。