【ナレーター】
2018年に初出店となった『WORKMAN Plus』は、見事多くの一般ユーザーを呼び込むことに成功。しかし一方で「まだ入店に抵抗がある」という女性客の声があったという。
この問題を解決すべく、小濱が新たに立ち上げたのが『#ワークマン女子』だ。その誕生の裏側に迫った。
【小濱】
「声のする方に、進化する。」という言葉をワークマンは謳っています。『#ワークマン女子』とつけて発信していただき、その輪が広がっているのを見てそこに、「その名前がいいのではないか」と思いました。
売り場的に女性の商品がもっと目立つようにして、さらに女性が入りやすいお店にすれば、女性の満足度も上がっていくのではないかと考えました。
『#ワークマン女子』をつくったのは、職人などプロフェッショナルな職種のお客様がもっと買い物しやすいように、という気持ちと、新たに来てくださった一般のお客様に当社の製品を長く愛してもらえるようにという気持ちがあり、『#ワークマン女子』が立ち上がりました。
【ナレーター】
飽くなき挑戦を続け、2019年に代表取締役社長へ就任した小濱。「チャレンジに失敗はない」と語る小濱のチャレンジ精神の原点に迫った。
【小濱】
常に挑戦している人が、1人ではなくて2人、2人ではなくて3人、3人ではなくて全員、となれば、それだけ成功に近づけます。
自分のチャレンジについて情報共有することで、他の人にプラスになり、他の人と話すことによって自分にもプラスになります。チャレンジを続けていくことで成功にたどり着けるため、「チャレンジに失敗はない」と思っています。
【ナレーター】
今後の展望として、1500店舗まで拡大をしていきたいと語る小濱。店舗拡大へのこだわりとは。
【小濱】
『#ワークマン女子』を400店舗、後は現在のワークマンの店舗を改装、スクラップアンドビルド、新店出店などで『WORKMAN Plus』を900店舗。
職人のようなプロフェッショナルな職種のお客様の多い地域はワークマンのまま200店舗。計1,500店舗を目指しております。
お店を増やしてワークマンの会社としての売上が上がればいいか、というとそうではありません。1店舗1店舗の売上がしっかり取れ、さらに店長の幸福度もしっかり向上させていきたいです。
家賃の構成を3%に抑える、というのもしっかり守りながら着実に店舗を出す。話題があり勢いもあるのだから100店舗一気に出していく、となると、店舗の出し方が荒くなりますし、家賃の高いところに無理して出す、ということにもなります。
常にいろいろなチャレンジを、店舗を増やしながらしていくため、一概に「場所がなくて店舗が増やせない」という考え方ではないのです。
【ナレーター】
求める人材像について、「チャレンジできる人」を挙げた小濱。その真意について次のように語る。
【小濱】
入社してすぐチャレンジできるか、というとそうでもないですから、なかなか難しいと思います。お店が基本で、やはり小売業なので商売が大切です。
では何が重要かというと、相手の立場に立って物事を考えられるか、ということ。そこがわからないと独りよがりになってしまいますし、実際相手の立場に立って考えてみたとき、それが相手にはまったく良いことではない、という可能性があります。
それができるかは、生まれ持ったものかというとそうではないですから、しっかり意識することによって相手の立場に立って考える力が身についていきます。それができる人が非常に活躍できるのではないかと思います。
-大切にしている言葉-
【小濱】
「今、ここ、自分」という言葉を常に自分に対して言い聞かせています。今、ここで自分がやらなかったら誰がやるんだ、という強い気持ちを持つということです。
「自分がやらなくちゃな」って思ったのは「任せてもらえる」という部分が大きいです。前社長もそうですし、その前の社長もそうです。日々接してもらいながら、「お前に任せているから思いっきりやれよ」というのが伝わってくるんです。
栗山前社長が商品部長で、私がその部下だった頃、品ぞろえを考えたりしたのですが、「これは売れると思うからやる」と突き進んでいた私に「他の商品が売れなくなって不具合が出ないか」など、「いろいろな角度から確認するように」と、当時上司だった栗山前社長からよく言われていました。
「今、ここ、自分」というのは、自分がやらなければならないという気持ちと、しっかり確認するという意味の両方が含まれていると思います。