【ナレーター】
さまざまな施策を実行し、危機的状況を脱することに成功したパンチ工業。挑戦を結実させるために意識していることについて、森久保は次のように語る。
【森久保】
“取り組みを止めない”というところですかね。
例えば私、代表取締役社長ですが、結果が出なかったら辞めるということではなく、結果を出すのが責任だと思っているんです。
結果を出すまで動くなり、もがくなり、何かしらの行動をするということが、その時に必要だと非常に感じましたね。
ですので、途中でもう結果が出ないと、諦めてしまうような時もあるとは思うんですけれども、そこで止まらず、また違う考えを持って諦めずに目指すところに向かっていくというのが大事なことかなと思います。
【ナレーター】
2016年から掲げている「パンチスピリット」は、パンチ工業の文化そのものであり、同社の特徴のひとつだ。
この文化を醸成・推進するために取り組んでいることについて、森久保は次のように語る。
【森久保】
掲げているのは“チャレンジ”と“創意工夫”と“自由闊達”といったところで、推進させていくための体制を取っていますね。
例えば、受注時の一つの取り組みとしては、今のものづくりの仕方ですと、どうしても価格が合わないものってあるんですね。
お客様はこれぐらいの値段で欲しいと。「競合さんはこれぐらいの値段らしいよ。どうするパンチさん」と言ったとき、以前までは「それならすみません、ちょっとうちではできません」となりがちだったんですよ。
それだと今後、競争には勝てないと。ついていけなくなるぞ。ということで、まずそういったニーズをとろうと。
価格に合わせたものづくりを考えていこうと、少しずつ体制を変えているというのは取り組みとしてありますね。
私のほうでも、一つひとつの案件で「それはいいよ」とGoを出すなどして取り組んでいまして、少しずつ「あ、やっていいんだな」ということで社内では広がっています。
ただ、それをやった後がまた大変でして。製造部門はそれに応えないといけないので、次にまたお見積りをいただいたときに、お客様から出てきた金額でちゃんと製品が出せるような取り組みを今、進めているところですね。
【ナレーター】
森久保が目指すパンチ工業の未来像について、ドイツにある工場を訪れたときのエピソードを引き合いに、次のように語る。
【森久保】
本当に無人の工場という、そういったものが随分進んでいまして、私もそういう工場をつくりたいと感じたところはありますね。
付加価値の高い仕事を人が頭を使い、生産性を上げていくというようなことをやっていきたいと考えています。
それをやっていく上で、今までどうしても金型部品事業というのに軸足を置いていたんですけれども、今後はファクトリーオートメーション、FAの業界やFAのお客様への販売というのをもう少し力を入れていきたいと。今年度に発表した中期経営計画の中にも入れております。
【ナレーター】
求める人材像について、森久保が挙げた3つのポイントとは。
【森久保】
当社の経営理念は3つあるんですけれども、1つ目が常に最新の技術、そういったものを習得して、先進的な取り組みをしていく、チャレンジしていくといったところと。
2つ目が若い方の行動力。フレキシブルな考えというのを発揮して、活気ある職場をつくろうということで。
3つ目が環境対応、法令遵守ですね。ルールをしっかり守る。そして地域に愛される会社になる。この3つを経営理念の中に掲げているんですね。
ですので、チャレンジ精神を持って会社の仲間と和気あいあいと活気が出るような職場づくりができる方。そして社会貢献も含めた地域貢献がしっかりできる。
そういう考えを持っていらっしゃる方には、是非当社に来ていただきたいなと思っています。
―大事にしている言葉―
【森久保】
「蒔かぬ種は生えぬ」という言葉があるんですけれども、努力などをしない限りは、良い結果というのは訪れませんよという意味です。
良い結果を出すには、何かしらの行動を起こさないと出てこないということを非常に意識しています。
今、色々な取り組みをしていますけれども、それが結果につながっていくイメージがちゃんと持てているかどうか。そして私自身が持てるかどうかというのは常に自身に問うことを心がけています。