ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社 未曾有の金融危機を乗り越えて。信念を貫いた創業者の軌跡と想い ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社 代表取締役 山口 聰  (2022年8月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
四面楚歌の中、ある経営者の言葉が山口を窮地から救った。

【山口】
その時に有名なスティーブ・ジョブズ氏のスピーチに出合ったんですね。

「今経験している出来事は、今はどういう意味か分からなくても、将来必ず点と点がつながって、意味があるとわかる日が来るだろう」と。「その可能性を信じて、今を頑張りなさい」と。

それを聞いて、「この苦しみさえもいつか自分にとってなくてはならない経験だったなと思える日が必ず来る」と。

そういう一節に出合えたからこそ、私は逃げずに前を向いて、もしくは上を向いて何とか進んでいけたのかなと思っています。

【ナレーター】
苦難を乗り越えた山口はその後、外資系の金融機関に転職。

金融商品だけでなく、事業承継などの資産に関わるさまざまな提案をする仕事にやりがいは感じていたが、顧客の思いより、目の前の営業成績を優先する指導に違和感を覚えていた。

そんな中、頭に浮かんだのが起業という選択肢だった。

【山口】
会社が求める営業成績を出さないと、日本の会社と違って本当にクビになるんですよ。そうするとやはり毎日、プレッシャーからは逃げられないんですね。

ですから、「お客様のためにいい仕事をしたい」という反面「日々結果を出し続けていかないといけない」というプレッシャーの両方で苦しむということには変わりがなかったですね。

特にマーケットが悪いとき、お客様のお考えや気分を重視して「ちょっと待ちましょう」と言っていると、会社の上司からは「何をやってるんだ」と問い詰められてしまいますので、そういうことが重なっていくと、私自身やりたい仕事がどんどん自分の中で固まっていって。

あるとき、セールスマシーンとしての自分に限界がきまして。「もうこれは、本当に追求するのであったら、起業して自分でやるしかないな」と思いました。

【ナレーター】
そして2017年、ペレグリン・ウェルス・サービシズを創業。

資産運用のサポートを中心に、小規模M&Aの仲介から各種士業への紹介、ヘッジファンドやプライベートエクイティなど、資産全般に関わるサービス提供を行っている。

その上で考えるべき2つのことについて、山口は次のように語る。

【山口】
1つは“時間”です。

資産運用というのは、世界経済の、私たち人類の成長に乗っかっていくものですので、当然長い時間が必要になってくるんですね。ですので、長い時間軸でお客様をサポートするということがとても重要になります。

もう1つは、資産運用の“リターン”ですね。

成果を決める大事な要素というのは“アロケーション(割り当て)”と言われております。いわゆる「どういうものに投資をするか」という配分、料理でいうとレシピですね。

あらかじめしっかりレシピが決められていて、それを再現していくと、ある程度誰でもおいしい料理ができますよね。

資産運用においても、どのような配分にするかというのをしっかり決めて、ぶれずに行っていくということが大事なんですね。

では、なぜその2つが大事ってわかっているのに、金融サービスを行っている私たちを含めて、なかなかそれができないのか。

やはり長期的にそういった資産配分をしっかり決めて運用する。これをサポートする、という成功体験が、日本ではあまりないからだと思うんですね。

そういう意味では、私が外資系で経験をしてきた考え方を日本でも浸透させていきたいなと思っています。

【ナレーター】
ホスピタリティあふれる金融サービスを実現するために大事な2つの要素と、現在自社で取り組んでいることとは。

【山口】
1つは“お客様のご要望にお応えする”ということなんですけれども、これは言いかえれば、お客様に“NO”と言えるということなんですよ。

お客様は、「自身の考えとは異なる見解」や、「どういった投資を行うべきかの提案」が聞きたいとおっしゃるんですね。

ただ、いろいろな金融機関を回っても、自身に賛同する“イエスマン”しかいない。

そういう意味では、当社は“NO”と言える判断基準を、会社としてモデルポートフォリオというものを運用しています。

それをもとに「お客様のお考えと当社のモデルポートフォリオは確かにこういう点でずれていますね」とか、「こういう点で今あってないですね」と、NOと言える根拠をしっかり会社としてつくっています。

2つ目は、“お客様のご要望をいかに先回りして汲み取れるか”ということだと思います。

当社では毎朝、時間を区切って「お客様からこういう話をしたらこういう反応があった」、ですとか、「こんな気づきからこういうストーリーにつながっていった」、といった経験を発表・共有をして、皆で業務スピードの向上と洞察力を磨いていく取り組みをしております。

【ナレーター】
求める人材像について、山口は次のように語る。

【山口】
新しい金融機関を一緒につくっていこうとする熱いハートがある方に、ぜひ来ていただきたいと思っています。

アメリカなどでは、よく「3人の友人を持って」と言うんですね。1人目は医師です。2人目は弁護士、法律の医師ですね。そして3人目がファイナンシャルプランナー、お金の医師ですね。

私は医師や弁護士の方と同じように、資産を管理・サポートする仕事について、プロとして自立していける。そういう気概のある方と、ぜひ一緒に新しい金融機関をつくっていきたいなと思っています。

―大事にしている言葉―

【山口】
「至誠天に通ず(至誠通天)」です。

至誠とは、極めて純真な真心という意味で、当社が大事にしているホスピタリティに通じると思います。

金融市場というのは常に動きますので、どんなに一生懸命考えたとしても、それが必ずしも正解とは限らない。とにかく正直に誠実に仕事をするしかないんですね。

そういう意味では、この「至誠天に通ず」という言葉を、常に胸の中に刻んで、これこそがいってみれば、社員やお客様、ひいては人の在り方として重要な教えではないかと思っています。

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経営者プロフィール

氏名 山口 聰
役職 代表取締役
生年月日 1978年6月18日
出身地 大阪府
座右の銘 至誠天に通ず
愛読書 巨大投資銀行(黒木亮著)・七帝柔道記(増田俊也著)
著書 かんたんポートフォリオの作り方(仮称・2022年12月出版予定)
略歴
2003年同志社大学法学部卒業後、大和証券時代へ入社。梅田支店にてリテール営業に従事した後人事部付きインストラクターを経て渋谷支店に配属。

2009年3月アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー入社。営業教育本部コンサルティングセールス研修部配属。富裕層向けアプローチ手法の研修と営業サポートに従事した後、2011年7月バークレイズ銀行に入行。三井住友銀行とSMBC日興証券と共同で立ち上げたウェルスマネジメント部門にて事業オーナー等の超富裕層の資産管理業務に従事。

2016年10月クレディスイス証券入社。プライベートバンキング本部にて同じく超富裕層の資産管理業務に従事。海外の富裕層向けサービスノウハウを習得。

2017年9月ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社創業。代表取締役就任。2018年12月東京支社開設。現在に至る

会社概要

社名 ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社
本社所在地 大阪府大阪市西区西本町1-7-21
設立 2017
業種分類 その他金融業
代表者名 山口 聰
従業員数 37名
WEBサイト https://peregrine.co.jp/
事業概要 金融商品仲介業・生命保険代理店
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