【ナレーター】
持続的な成長に向けた国内外での施策について、清水は次のように語る。
【清水】
国内は質的拡充、海外は、量的拡大を進めていきたいというのが基本としてあります。
国内に関しては、少子高齢化で嘆いてはいけないよと。「増子中年化」というのを言っているのですけれども、そういった中年の方をターゲットにした、たとえば、『チョコバット』という商品、もう少し大人が喜ぶような味つけにしたものを販売して、大人になっても『チョコバット』を楽しんでもらえる。
そうすることによって、新たな需要が出てくるのではないかなと考えることもありますし。
量は少なくてもいいから高級感のある商品やヘルスケアを意識した商品など、そういったものを出していけば、また需要が広がるのではないかという意味で、質的拡充になると思っております。
海外に関しては、今、中国の売上が、全体の6〜7%ほどあるんですけれども、代理店に任せて、ものを出荷するというところから、もう一歩踏み出そうと。
量の拡大をしようということで今、始めているのが、中国のテレビショッピングに出たり、中国でキャンペーンをやったり、あとはネット通販が日本よりも進んでいるので、ネット通販でどうやったらお客様に購入してもらえるのか、現地のマーケティング会社と一緒に取り組むなど、そういった活動をしていますね。
【ナレーター】
2021年に創業100周年を迎えた三立製菓。次の100年に向けた想いとは。
【清水】
創立100年になりますと、次の100年ということをやはり考えていく必要があると思うんですが、新しいビジネスモデルを創造しないとやっていけないだろうという想いがありまして。
そのあたりの意味を込めまして、「不易流行」。
三立製菓の今まで良かったこと、100年という歴史は続いていくんだけれども、100年、リスタートのときにはまさにビジネスモデルの変更も含めて、リスタートを切れるようなビジョンを描かなければいけないというのを強く思いました。
【ナレーター】
求める人材像について、清水は次のように語る。
【清水】
“見える化”、“聞ける化”、“言える化”、“やってみる化”。これらを目指す人材になってほしいというのを言っております。
“見える化”という部分になりますと、今の情報や知識というのはインターネットで入ってくる部分が多いんですけれども、その情報から課題や問題点を見つける能力を身につけてほしい。
課題を見つけるだけで終わるのではなくて、“聞ける化”。たとえば何かわからないことがあったら、社内外問わず、すぐ聞こうという姿勢のある方を求めたいなと。
それから、“言える化”ということで、実際に言わないと相手には伝わらないので、まず言おうということができる人材も求めています。
そして最終的に、一番大事だと思うんですけれども、“まずやってみる”。スモールチャレンジ、スモールスタートでやってみることができる人。そういった人材を迎え入れたいと思っています。
-大事にしている言葉-
【清水】
「利他の心」を大事にしています。相手のために、みんなのために尽くす、そういう人間になりたいなと思っております。
松島十湖という、俳人・政治家がおりまして、彼は私財を投げ売って治水工事にお金を投じたという話があります。
また、当社の創業者は松島保平(松島十湖の三男)になるわけですけれども、保平も質素倹約ということを考えており、継ぎ当てがあるような衣服を着ていても、全く気にせず、倹約した部分を従業員に還元するということが社史に書いておりまして。
私はそれを入社時に見て感動しまして、「いい会社に入ったな、頑張っていきたいな」と思うきっかけになりましたね。
まだまだ私は修行中ですけども、「利他の心」というのは、常に大事にしたいと思うようにしています。
経営者プロフィール
氏名 | 清水 康光 |
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役職 | 取締役社長 |
生年月日 | 1972年5月14日 |
出身地 | 静岡県 |
座右の銘 | 着眼大局着手小局 |
愛読書 | 「心」稲盛和夫著 |
尊敬する人物 | 松島保平(創業者) |
平成12年 企画開発部にて商品企画に従事
平成22年 企画課長
平成29年 企画開発部長
令和2年 専務取締役
令和3年 代表取締役社長就任
会社概要
社名 | 三立製菓株式会社 |
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本社所在地 | 静岡県浜松市中区中央1-16-11 |
設立 | 1921 |
業種分類 | 食料品・飲料製造業 |
代表者名 |
清水 康光
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従業員数 | 480名 |
WEBサイト | https://www.sanritsuseika.co.jp |
事業概要 | パイ、クッキー、パン、カンパン、チョコレート加工品ほかの製造販売 |