【ナレーター】
顧客から生涯にわたって得られる利益を指す、LTVに特化したマーケティング分析サービスを提供する「株式会社Macbee Planet(マクビープラネット)」。
LTVは顧客の定着率向上という観点から重要な指標のひとつであり、その需要に応えるべく誕生した同社は、瞬く間に成長を遂げ、東証マザーズへ上場を果たす。
現在は、蓄積したデータやプロダクト、AI技術を活用し、LTVマーケティングをさらに進化させるべく、挑戦を続けている。
「夢・目標を共に実現し続ける組織に」を企業理念として掲げ、邁進する経営者の軌跡と成長戦略に迫る。
【ナレーター】
自社の強みとして挙げる「LTVマーケティング」の特徴について、千葉は次のように語る。
【千葉】
Webマーケティングで新規顧客の獲得を狙っている会社では、新規獲得数や獲得単価の部分に注視してしまう傾向にあります。
一方、当社はLTV(ライフタイムバリュー)という、一人の顧客が、特定の企業やブランドで取引開始から終了まで何回購入するのか、どれぐらいお金を使ってくれるのか。どれぐらいのユーザーが利用可能なお金を持っているのかということにフォーカスをあてたマーケティング手法をとっていて、ここがユニークなポイントです。
【ナレーター】
千葉のキャリアスタートは新卒で入所した監査法人にある。様々な企業のIPO支援や経営管理・監査業務の支援などで得た経験を、どのように将来に活かすか模索するなかで出合ったのが「Macbee Planet」だった。
【千葉】
監査法人で携わっていたIPO支援では、担当した会社の多くが、インターネット広告を扱っている会社でした。
何社か担当させてもらい「IPO株式公開の部分で仕事に携わることができ、インターネット広告を扱う業界の会社であれば、自分も成功できる」という実感があったので、そういう会社を探しました。
当社の経営陣と戦略を考えたりして。どうやれば会社がうまく回っていくのかを考えることで企業が伸びるという感覚を持っていたので、「ここだったら勝負できる」と思い、当社に入社しました。
【ナレーター】
2018年10月に入社後、「2020年4月までに上場をしたい」と創業者の小島・松本両氏から告げられ、早速上場準備に着手。
通常、上場には3年を要するといわれるが、わずか1年半での上場を見事に実現させた。当時について、こう振り返る。
【千葉】
大変だったのは、ものや書類が管理されておらず、会社としてしっかり確認・承認するプロセスが整っていなかったという点と、組織文化の改善という点。
当社はトッププレイヤーたちの集まりなので、そこの統制を取るのがものすごく大変でした。
管理の見直しに関しては、私の得意領域でもあったので、自力でできることは自力で、難しい場合は、管理部のメンバーにも力を借りながら進めていきました。
組織文化の改善に関しては、一方的に制限をかけるようなやり方だと当社に合わないと思ったので、人間関係をつくることを重視して、個人がのびのびと活躍できる状態をつくり、ダメなところはダメだと言いながら相互の理解を深めて、進めていきました。
もちろん反発もありましたし、納得いかないという意見もありましたが、そこは一部妥協しながら相互に理解して、「一緒に頑張ろうよ」と、同じ方向を向きながら頑張りました。
【ナレーター】
その後、実績が認められた千葉は、2021年に代表取締役社長に就任。挑戦を成功させるために意識していることとは。
【千葉】
ひとつのことに対して「執着する」、「粘り強く戦う」、そして「あきらめないこと」です。
世の中には地頭がいい人が沢山いると思うんですけれど、それだけではビジネスは成功しない。粘り強さや、耐え抜くという部分が、とても大事だと思っています。
ビジネスパーソンとしてなかなか結果がでなかった経験もありますが、見てくれている人はいると思いますし、その積み重ねで現在があるとも思っています。