【ナレーター】
2023年にVision、Mission、Valuesの再定義を行ったbitbank。その真意について次のように語る。
【廣末】
この技術の素晴らしいことのひとつとして、価値を定義できるわけです。
たとえばリアルな世界で「ありがとう」と言われるとうれしいですよね。「ありがとう」と言われる価値をもらっていると思うんですけど、これは定義ができないからタダということですよね。
でも、デジタルの世界ではそういう「ありがとう」というものも価値として定義できる。
こういうものがきちんと価値として定義をされて、いい形で使われた場合、世の中が良くなると思うんです。
もちろん、すぐにはそうならないかもしれませんけども、技術的には可能。将来的にそういうことをイメージしながら、今の事業をやっています。
ビジョンの1つ目は、「オープンでフェアな社会実現をする」としています。
ビットコインは、つくることそのものにも参加できるし利用することもできる。誰もが自由なのです。つまり資本家にもなれれば、労働者にもなれる。あらゆる立場で参加することができます。
これは非常にフェアな仕組みだと思うんです。資本主義の構造問題を解決しているようにも思えますし。非常に遠い未来の社会構造がこうなのではないかとイメージして、このビジョンを描いています。
Values(社会に与える価値)でいうと、最初に来るのはIntegrity(誠実さ)なのですが、関わるお客様も社員も取引先もそうですが、Integrityがなければ満足させたり、笑顔にしたりすることはできません。
「一番重要なことは何か」と考えたときにIntegrityだと思っているので、まずそれを挙げています。
2つ目は「Challenge」。
新しい業界の中で、私たちはスタートアップ企業であるからこそチャレンジを定常化できるようにしておかなければいけないかなと。
これは活動の精神として、とても重要な価値観だと思っています。
そして3つ目は「One Team」。
チームでやらないと大きな成果は出せません。「チームビットバンク」ということを常に意識しながら、横の連携を取りながら進めています。
この3つが私たちにとって一番大事なことなので、掲げさせていただいています。
【ナレーター】
今後は、「暗号資産の技術を応用し、デジタルの分野で経済活動の担い手になりたい」と語る廣末。見据えている展望とは。
【廣末】
短期的な目標は、取引所として国内で圧倒的なナンバーワンになることです。基本的には現物の取引量で、ある一定以上のシェアを取ること。それを目標にしています。
長期の目標は今後、経済活動の主体がリアルからどんどんデジタルに変わる。人間の手からAIや機械にどんどん変わっていく中で、AIをはじめとするソフトウエアは、いろいろな価値の交換として暗号資産的なものを使うはずです。
新しいライフスタイルが生まれてくると思いますが、デジタルの世界とリアルな世界の間で、我々が行っている取引所が生きてくる。
あるいはデジタル社会の中で、流通機能をつくるために私たちが何かのサービスを提供する。今までできなかった暗号資産の技術・応用。
これを行うことで、経済社会に欠かせない役割を担っていきたいと思います。
【ナレーター】
求める人材像について、廣末は次のように語る。
【廣末】
暗号資産に対して、まず興味・関心があってポジティブであること。これは重要です。
同じ興味・関心を持って物事に取り組まないと、いい成果も出ないだろうと思っています。なので、まずは大前提としてそれがありますね。
非常に重要視していますし、「もっとみんな関心を持とう」ということを毎日、伝えています。
ー大事にしている言葉ー
【廣末】
「人間万事塞翁が馬」ですね。
将来はわからないわけだから、いいことも悪いことも、感情に流されずにやっていきましょうということですね。その場はしんどいとか辛いと思ったとしても、後で振り返るとそれがいいことだったと思えるかもしれない。
「辛いな、しんどいな」と思ったとしても必要以上にそう思う必要がないし、逆にいいことがあったとしても、必要以上に浮かれちゃいけない。平静を保っていなきゃいけないと思うんです。それはとても重要なことだと、失敗を通じて思うようになりました。