【ナレーター】
永遠の理念として「うぬぼれ」を掲げている鳥貴族ホールディングス。この言葉に込められた思いとは。
【大倉】
「鳥貴族」を6店舗ぐらい出店した時、ある店長が「社長、日頃から我々に語ってくれる、この業界の素晴らしさであるとか、目指すべき将来の姿みたいなものを明文化してくれませんか」「そうしてもらった方が、店のスタッフに落とし込みやすい」と話してくれたのです。
「それはそうだよね」ということで、今の「うぬぼれ」という企業理念をつくりました。
「うぬぼれ」はネガティブな意味で使われることが多い言葉ですが、この理念の中では「焼鳥屋で世の中を変えていく」とか「焼鳥屋で世の中を明るくしていく」という、とても壮大なことを言っているわけです。
当時6店舗ぐらいしかない焼き鳥屋がこんなことを言うと、おそらく「何をうぬぼれてるんだ」と思われるだろうと感じました。
「じゃ、最初に『うぬぼれ』と企業理念で宣言した方が、お客様や社外の方にもすっとスムーズにわかっていただけるんじゃないか」と考えたのです。
「だから、我々は『うぬぼれ』てますよ。でも本気ですよ」という気持ちで、企業理念に「うぬぼれ」と付けました。
【ナレーター】
『トリキウェイ』は、鳥貴族で働く全員が幸せになってほしいという目的からつくられた、全従業員の共通価値観だ。その真意と、推進している取り組みについて、大倉は次のように語る。
【大倉】
「社員・スタッフには絶対に幸せになってもらいたい」という強い思いから、「こういう考え方を持ったらいい仕事ができることはもちろん、幸せな人生を送れるよ」と皆に伝える目的でつくったのが『トリキウェイ(TORIKIWAY∞)』です。
もちろんその延長線上には「働く皆にこういった考えや共通の価値観を持ってもらえれば、会社が発展し、永続できる」ということもありますが、『トリキウェイ』はまず、社員・スタッフの幸せのためのものです。
そして、まず一番に大事なことは、社長である私自身が『トリキウェイ』の理念の通りに発言・行動し、経営を行い、生きているかだと思っています。
その上で、この理念を従業員の皆の間に浸透させることを第一の目的とする「理念推進課」という部署もつくりました。
また理念研修という研修の場を設け、10名から20名の店長、社員、そしてある時はアルバイト・パートを集め、まずは必ず私が直接話をしに行きます。
実は私は、会議では一切、売上等の数字のことは言いません。企業理念や『トリキウェイ』に通ずる考え方についてしか話さないんです。
【ナレーター】
長期ビジョンとして「グローバルチキンフードカンパニー」を掲る鳥貴族ホールディングス。その理由と、見据える展望とは。
【大倉】
この長期ビジョンを掲げた大きな理由は、今後はグローバル企業にならなければ、間違いなく弊社の将来はないという覚悟と、それを全社員・スタッフにも意識づけるためです。
また、当社は事業領域を“チキンフード”という形で「チキン」に定めています。私自身、長年ずっと、焼鳥屋をしてきましたが、チキンという食材の可能性、将来性について改めて勉強して理解を深め、「やはり、このチキンに賭けていこう」という思いをこの長期ビジョンに込めました。
「TORIKI BURGER(トリキバーガー)」もそうですが、チキンに関係する業態を、今後さらに新しく開発していきたいと思っています。
また現在は居酒屋という業態でイートイン形式の焼き鳥屋を営業していますが、これからはテイクアウト専門店をはじめ、販売チャネルも広げていきたいと考えています。
いろいろな業界の市場を見た上で「寿司、ラーメンの次には、間違いなく焼き鳥が来るな」ということを今、実感しているところです。
【ナレーター】
共に働く仲間に求める要素について、大倉は次のように語る。
【大倉】
やはり正しい人間、善悪の判断ができる皆さんに当社で働いていただきたいと思います。
それともうひとつは、自分で仕事をつくっていける方、自身で物事を考えていける方を求めています。
また当社の良さは“任せる社風”にあると私は思っています。
任される人も、その方が仕事は楽しいものですし、成長もできますので、会社としても任せていくような社風にしようと努めています。
ー視聴者へのメッセージー
【大倉】
素晴らしい仕事をし、そして素晴らしい人生を送るために、ぜひとも志を持っていただきたいと思います。
私が定義している「志」とは、社会貢献とつながっているような、自分が目指すべき目標や夢のことです。私利私欲的な目標、夢ではやはり弱いですし、いい仕事やいい人生にはつながりません。
ぜひ、このような「志」を持って仕事に向かい、そして人生を歩んでほしいと思います。