【ナレーター】
高橋の行動により、赤字事業の精算が順調に進む中、リーマンショックが発生。本業までが赤字になり、一転して窮地に陥る。この危機を乗り越えるために打った策とは。
【高橋】
関西の拠点は、それほど収益が上がっていなかったので「継続する、しない」という話が出ていました。滋賀工場は万年、低収益。そこで、当社の一線級の人材をどんどん送り込んで改革を託したところ、みるみるうちに高収益になりました。
次世代の工場長たちは、仕事への姿勢がピシっとしている。コスト管理もきちんとシビアにすると、あっという間に高収益の工場になりました。それには我々も驚きました。そういう人材を関東に戻して工場長に据えると、関東の工場も収益が改善していく。本当に「企業は人なり」だなと実感しました。
【ナレーター】
危機を乗り越え、業績回復を実現した高橋。さまざまな挑戦をしてきた中で、「人として正しく行動する」ことが、成功させるために重要だと語る。
【高橋】
経営者として正しいことは、利益を上げることです。下請けの人や社員を安い給料で働かせれば収益は上がります。けれども、それは目指す方向ではありません。
例えばコストがかかることは、社員からすれば言いにくい。ですから、コストを最小限にすることが目標ではなく、「何が正しいと思うのか」と聞くと、社員は安心して改善策を言えるんですよね。「私はこれが正しいと思います」と。
そういう案は、大体バランスが取れています。その案を認めれば、その人は自分の案が認められてやりがいにつながるし、会社にとってもいい影響につながる。人として正しい方向に導いていくことが、とても大事だと思っています。
【ナレーター】
今後は、時代のニーズに応えた製品づくりをしていきたいと語る高橋。思い描く展望とは。
【高橋】
私は今年で50歳から51歳に変わります。これからの10年間は、仕事人として充実できる最後の10年間だと思っているので、ここでひと花咲かせたい。そう思っています。
当社は「デザインと環境」で強みを伸ばしていこうとしていますが、デザイン面はかなり複雑なものも製造できる体制ができています。次は、脱炭素。CO2削減に貢献できる商品をつくって、時代のニーズに応えながら売り上げを伸ばしたいところです。
新規分野では、プールをつくる部門が好調です。今、マーケットが広がっているので攻めにいって、この分野も広げられたらと思います。
【ナレーター】
求める人材像と、人材育成の取り組みについて、高橋は次のように語る。
【高橋】
当社は日本でも有名な建築物をつくっているので、こういうものに携わりたいという気持ちがある人に来てほしい。建築学科出身の方も歓迎しますし、それ以外の方でも建物に興味があること。高い建物が好き、立派な建物が好き。そういう気持ちのある人が来てくれるとうれしいですね。
当社は入社後の研修では、5ヶ月かけて各部署を回ります。各部署の仕事を理解して、それから配属される仕組みです。会社としては採用した責任を持って、その後もずっとフォローして、何か困ったことがないか、のぞき込みに行きますので、安心して身を預けてくれればと思います。
ー大事にしている言葉ー
【高橋】
「魂を磨く」。この言葉です。
売上をいくらにする、利益をどうこうするというのは、達成してしまうとそれで終わります。でも「魂を磨く」というのは、終わりがない話。
無限に努力を積み重ねていく必要があることです。「現状がゴール」ではなく、常に努力をし続けて高めていくことが「魂を磨く」ことだと思います。それは私の原点として、根本にあります。
経営者プロフィール
氏名 | 高橋 武治 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1972年12月9日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 一隅を照らす |
愛読書 | 「生き方」稲盛和夫 |
尊敬する人物 | 稲盛和夫 |
日米リーダーシッププログラムフェロー
PCSA理事
会社概要
社名 | 高橋カーテンウォール工業株式会社 |
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本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町1丁目5-4 |
設立 | 1972 |
業種分類 | 建設業 |
代表者名 |
高橋 武治
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従業員数 | 189名 |
WEBサイト | https://t-cw.co.jp/ |
事業概要 | プレキャストコンクリートカーテンウォールの設計・製造・施工、建築用プレキャストコンクリート部材(N認定)の設計・製造・施工、水施設・水空間・水環境の企画・提案・設計・施工 |