【ナレーター】
現在、全国に約900店舗を展開し、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立したクオール。挑戦を成功させる秘訣について、柄澤は自身の過去のエピソードを交えて、次のように語る。
【柄澤】
部長の頃、子育て大学というものがしたくて、クオールの薬局の薬剤師、小児科の先生、離乳食メーカー、靴のメーカーなどが協力して、月に1回の勉強会をスタートさせました。
そういう時、私はやはり一人ではやれないといつも思っています。いろいろな人に声をかけ、巻き込んで、一緒にやることで、さまざまなことに挑戦できるし、それが成功できる秘訣ではないかと思います。
挑戦することがすごく好きなのですが、挑戦する時に一人ではやらないということをルールにしています。
【ナレーター】
時代の変遷に伴い、薬局に求められる役割も変わりつつあるという。今後の薬局のあり方について、柄澤は次のように考える。
【柄澤】
今までは薬局というと「処方箋を持って行くところ」というイメージが強かったのではないでしょうか。
これから、100年健康寿命を求められている時代の薬局の役割は、ヘルスケアや、より健康になるための相談場所であることだと思っています。
コロナ禍を経た今、自分の個性に合わせた健康を考え、健康増進を自発的に目指す行動をすることが重要だと、多くの人が学んだはずです。
薬局を利用して、例えばサプリメントや、運動、食事なども含めて、治療以外のところでも、一人ひとりが自分に合ったものを選び、自発的に健康を維持しなくてはなりません。
それを、薬局が導くことがこれから大事になると思っています。
【ナレーター】
今後は医療のDXにも注力したいと語る柄澤。見据えている展望とは。
【柄澤】
未来を考えるに当たって、薬局の医療にとってもDXを推進させることが重要だと考えています。
その一つとして、物流の改革になるかもしれないのですが、ドローンを使った医薬品の配送について実証実験を行っています。活用場所の一つとして考えられるのは離島です。
診察はオンラインでできるかもしれませんが、薬を届けるとなると、何日もかかります。そこで、ドローンですぐに薬が届けられないかと考えています。
また、地震などで孤立した被災地にも、医薬品の配送にドローンを活用できないかと考えています。新しい未来の薬局を、実証実験などを重ねて担いきたいと思っています。
【ナレーター】
ともに働く仲間に求めることについて、柄澤は次のように語る。
【柄澤】
社員に求めるのは真摯さです。ひたむきにやってもらいたいし、会社の底力になると思っています。
私どもの仕事は、人にとって大切な健康や病気にかかわることです。そのことに私たちがひたむきに真摯に向き合うと、必ず「ありがとう」という言葉が返ってきます。感謝の言葉をいただくたびに、それはまさしく財産であり、とてもうれしいことだと感じています。
それが、私たちが医療をやっている意義であり、目的なのではないでしょうか。真摯に、ひたむきに、真面目に、やりがいを持って働くことで、必ず「感謝」という財産が戻ってくると思っています。
ー大事にしている言葉ー
【柄澤】
日本の女性活躍の第一人者で緒方貞子さんという方がいらっしゃいましたが、彼女に教えていただいた言葉が「熱い心と冷たい頭を持て」です。つまり情熱と冷静を持てという意味です。
その言葉は、社長という仕事の中で、とても大事な言葉だと思っています。情熱は必要ですが、冷静に判断することも非常に大事であると思って、この「熱い心と冷たい頭を持て」という言葉を大切にしています。