【ナレーター】
SDGsの推進において、食品ロスは最も解決に注力すべき問題だと語る金谷。現在取り組んでいることとは。
【金谷】
たとえば、カトラリーを有料化することで使用量を減らす活動や、食品ロスについては「もったいない運動」を実施してお持ち帰り用のパック容器をお客様にお配りし、食べきれなかったお食事を持ち帰っていただくという取り組みを行っています。
また、工場で発生する野菜や肉などの端材をコンポストプラントに変える機械を保有しており、社会に還元できるようにと考え、取り組んでいるところです。
ほかにも、店舗の廃油を回収し、再生可能エネルギーに変えるというような再利用の取り組みもずいぶん前から実施しています。
【ナレーター】
多様な働き方を支援しながら、人財育成には特に力を入れているという。
【金谷】
たとえば、店舗で長年働いていただいているアルバイトの方々をマネージャーに登用しているほか、子育てが終わった主婦の方を採用してマネージャーになっていただくといった取り組みも行っています。
先ほども少しお話ししましたが、従業員が生き生きと働いている店舗には、良いマネージャーが着任しているケースが非常に多いのです。
そのため、当社ではマネージャー教育をとても重視しています。
そして、当社では“店舗中心経営”と呼んでいますが、それぞれの店舗の売り上げの向上に向けて、マネージャーの皆さんにいかにしっかりと頑張っていただけるかを大切に考え、評価体系やインセンティブなどの仕組みづくりも視野に入れて制度を変えていこうと計画中です。
また外国人従業員については、既にベトナム人の技能実習生を250人、工場で採用していますが、これを今後、ミャンマーを始めとするほかの地域にも広げていきます。
さらに工場だけでなく、店舗スタッフ、本部の専門職といったポジションにも外国人の皆さんを登用していきたいと考えており、現在、採用を強化しているところです。
【ナレーター】
今後の成長戦略について、金谷は3つの施策を挙げた。
【金谷】
1つ目は既存店の売り上げの成長で、特に、来店ピーク時間の売り上げのアップです。
お客様をお待たせせず、サービスよく、品質が高いものを提供できる体制をしっかりとつくっていきたいと考えています。
コロナ禍を期に広がった巣ごもり需要の中で盛んに利用された「ふるさと納税」や「お取り寄せ」は、高品質な商品が手軽に手に入るというサービスです。また同時に、料理や食品の宅配サービスもかなり定着しました。
そのような現状のもとで、当社としては、実店舗に来ていただく意義をお客様にしっかりと実感いただかなければなりません。
そのためには、サービスこそが非常に重要だと感じており、マニュアルをしっかり整備して他社との差別化を図っていくのが1つ目の大きな柱です。
そして2つ目は、国内外での出店の加速を計画しています。
このうち、国内では現状、当グループの店舗の立地はどちらかというとロードサイドが中心です。これを、大きなチャンスがある駅前エリアへ少しずつシフトしていこうと考えている状況です。
また海外出店については、現在、台湾に約70店舗、マレーシアは4店舗、アメリカのシカゴは1店舗という状況ですが、いずれもかなりの高売り上げです。
そのため、海外にも少しずつ出店の軸足を移していきたいと思っています。
3点目は、これまであまり取り組んでこなかったM&Aの積極的な実施です。
良いブランドをお持ちだったり、素晴らしいコンセプトがあったりしながら、リソースが足りないために展開がなかなか進まないといった企業様には、我々のインフラを提供して、お互いがウィンウィンになれるように、パートナー企業様とM&Aを行い、お互いに成長していくことができればと考えています。
【ナレーター】
ともに働く仲間に求める要素について、金谷は次のように語る。
【金谷】
当社のビジネスはサービス業です。そのため、お客様に対する奉仕の精神を持っていることが非常に重要だと思っています。
当社では能登地震の被災者の皆様に配食活動を実施していました。社内でボランティアスタッフを募って取り組み、外食ビジネスのベースである「温かい食事が提供されることの素晴らしさ」を実感してもらいました。
こういった活動にも積極的に参加いただけるような、ホスピタリティの高い従業員やスタッフを育てていければと考えています。
ー大事にしている価値観ー
【金谷】
我が社の経営理念は「価値ある豊かさの創造」です。
この「価値ある豊かさ」というものは、時代とともにどんどん変わっていくものだと思っていますので、新たな時代に合わせた新しい価値というものをしっかりとつくっていければと考えています。