株式会社共立メンテナンス 業界シェアトップの寮事業や、ホテル事業の「ドーミーイン」など、約700の施設を運営するプライム上場企業 株式会社共立メンテナンス 代表取締役社長 中村 幸治  (2024年8月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
学生寮・社員寮事業、ホテル事業を中心に、食と住と癒しを通して、「人々をお世話する心」を形にする「株式会社共立メンテナンス」。

全国、520の事業所、4万5000室を運営する業界ナンバーワンの寮事業、ブッフェバイキングの朝食や夜鳴きそば、本格サウナ付き温泉などを完備したホテルドーミーイン、各地の名勝に立地し、地元の食事と癒しの湯宿が楽しめる共立リゾートなど、その事業は多岐にわたる。近年は、高齢者向け住宅のシニアライフ事業にも注力している。

2023年5月には、新たな中期経営計画を発表し、寮・ホテル・高齢者住宅の事業拡大、DX、人材、サステナビリティ戦略の他、将来の海外展開も視野に入れて、さらなる成長に向けた挑戦を続けている。

躍進する企業をけん引する経営者のあゆみと、思い描く未来像に迫る。

【ナレーター】
自社の強みについて、中村は寮事業のビジネスモデルを挙げる。

【中村】
この会社の原点であり、すべての信用の源は、現在2100法人との取引がある寮事業です。

食と住のサービスなので、帰ってきてほっとしてご飯を食べて、風呂に入って「明日も頑張ろうか」と思えるような、安心安全が大切です。

自社のホームページにも「よい朝を迎えましょう」と書いているのは、安心安全を毎日愚直に提供するこだわりがあるからです。

食と住と癒しと、それに対する現場のサービス力が、当社の特長です。また、1室単位から契約できる上に、全国に4万5000室あるスケールメリットも強みです。他社は追従できない規模だと思います。

銀行の方や投資家には、「当社は寮事業の安定性と信用、ホテル事業の成長性、この2つのエンジンで成り立っている」と説明しています。まだ伸び続けるので、このビジネスモデルのすごさは当社の宝です。

【ナレーター】
中村のファーストキャリアは大手人材会社だった。32歳の時に共立メンテナンスのオーナーである現会長の石塚からスカウトされ入社。新規事業を担当することになったが、当時のあるエピソードが今もなお活きていると振り返る。

【中村】
入社後、新規事業部門の事業開発本部で企画を任されました。1つはホテル事業で、もう1つは高齢者向け住宅事業。その他、フードレストラン事業もありました。

その頃に石塚オーナーが現地を視察し、「沖縄でホテルをやるぞ」という話が上りました。投資もオペレーションも当社で行う、初のリゾートホテルです。

当時、経営は順調だったのですが、そのリゾートホテルは、当時純資産が80億円ほどだった当社が70億円の投資をするプロジェクトだったため、取引のあった十数件の都市銀行すべてから大反対を受けました。

「寮事業だけやっていれば順調に伸びる会社だから、やらなくてもいいじゃないか」「なんでそんなリスクを取るんだ」と言われました。

社内でも揉めに揉めましたが、紆余曲折を経て最後には「やる」と意思決定し、70億円のお金を借りることができました。

結果的にそれは大成功し、初年度から黒字になりました。その経験はホテル事業に対する自信となり、投資が進みました。

事業リスクを取ってまで実行することは、普通の方にはなかなかできません。しかし、石塚オーナーはもともと起業家です。後になって「成功すると分かっていたんですか?」と聞いてみると、「そんなのは、やってみないと分からない」と言うのです。

しかし、事業リスクを取ったことで、今期は2200億の売上になろうとしています。寮事業だけやっていれば、会社は毎年一定の安定成長をしますが、ここまでの売上にはなりません。

事業リスクを取ることは企業の失敗にもつながりますが、成長にもつながるため、その判断がトップに求められるということが、石塚オーナーの横にいて明確になりましたね。

とはいえ、ただやみくもにリスクを取るのではなく、周到な準備が必要です。

石塚オーナーは、「すべての銀行に説明し、すべての銀行から少額でもいいからお金を出してもらう。すべての銀行がこのプロジェクトを応援しているという絵を描け」と言います。

そこまで周到な準備をする姿には、大変な薫陶を受けました。

【ナレーター】
その後、取締役経営企画本部長、常務取締役を経て、2021年に代表取締役社長に就任。当時はコロナショックの影響で初の赤字を計上していた。立て直しに奔走する中で得た、ある気づきとは。

【中村】
当時はコロナ融資を行っていたので、銀行がすぐお金貸してくれたのです。また、家賃を下げてくださるオーナーもいて、たとえ赤字になっても取引先も当社から離れていきませんでした。

社員は辞める人もいましたが、残ってくれた人ももちろんいました。やはりそういう人たちとの共生を大切にしてきたから、まだついてきてくれているのだと思っています。

コロナ禍によって、共立メンテナンスは、そういう価値を世の中に提供していくことが使命だとはっきりしたように思います。弊社の事業に社会性があることや、弊社自身が社会に生かされていることを強く感じましたね。

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経営者プロフィール

氏名 中村 幸治
役職 代表取締役社長

会社概要

社名 株式会社共立メンテナンス
本社所在地 東京都千代田区外神田2丁目18番8号
設立 1979
業種分類 サービス業
代表者名 中村 幸治
従業員数 5,939名(連結)※2024年3⽉末現在
WEBサイト https://www.kyoritsugroup.co.jp/
事業概要 ●寮事業(学生寮・社員寮・ドミール(ワンルームマンションタイプ)・受託寮の管理運営)●ホテル事業(ドーミーイン・リゾート)●シニアライフ事業(高齢者向け住宅の管理運営)
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