【ナレーター】
アサンテの主力事業であるシロアリ防除、害虫駆除はあくまでも手段であり、事業を通してあることを社会に訴えているのだという。
【宮内】
シロアリ防除には、3つの守る要素があります。ひとつは、住宅の耐久性を維持すること。まず、これがメインです。
2つ目は、人を守ること。シロアリの被害により家の耐久性が大きく損なわれると、地震などが起きたときに家屋が倒れてしまうリスクが発生します。
3つ目は木造住宅の長寿命化です。家の建て替え周期を延ばすことで、産業廃棄物の抑制や新たな木材の伐採抑制といった環境を守ることにつながります。
当社は、「人と技術を育て、人と家と森を守る」という言葉を経営理念として掲げています。お客様の前に立つ社員をしっかりと育て、住宅と人命、そして環境である森を守っていくことが基本方針です。
【ナレーター】
今後、事業を拡充していく上で3つの重要なポイントがあると語る宮内。見据えている展望とは。
【宮内】
まずひとつは、エリアの拡充です。現在、当社は東北地方から中国・四国地方にかけて、全国に81の拠点を展開しています。
しかし、カバー率は日本全国の木造住宅地域全体から見ると約70%。対応できていない空白地域が存在しますから、より多くのお客様に当社の商品やサービスを提供したいという思いがあります。
2つ目は、サービスの拡充です。狭いところに入ることができる特徴を持っているため、そこから派生した商品をいろいろと提供できないかと考えています。
現在進めているのは、床下断熱を活用した天井裏の断熱材設置サービスです。床下だけでなく、家全体のメンテナンスを通じて、心地よい暮らしを提供する商品をお客様にご提案したい。
そして、害虫駆除のカテゴリーではシロアリだけではなく、外来種も含めた衛生害虫など、サービスの提供を広げていきたいと考えています。
3つ目は販売チャネルの拡充です。当社は1軒1軒、お客様宅を訪問するプッシュ型の営業がメインです。
その上で、これからの時代はプル型営業にも力を入れていかなければなりません。Webマーケティングなどを通じて、より広くお客様に情報をお届けする。そこから興味を持っていただき、当社にお問い合わせをいただくスタイルもとっています。
また、提携先の拡充も考えていることです。メインの活動としては、JAさんと提携させていただき、営業活動を行っています。
それ以外にも、地場の工務店さんやさまざまな企業様と提携することで、お客様を紹介していただく。それは、当社のサービスを広める要素として、非常に大きな比重があるスタイルとなっています。
家を建てたときやいろいろな不具合が出たとき、お客様に最初に声をかけていただける存在でありたい。「家の解決プロフェッショナルになろう。」これが、当社のビジョンとして掲げているものです。
【ナレーター】
求める人材像について、宮内は次のように語る。
【宮内】
当社の仕事は非常に地味な仕事ではありますが、人々に必要とされているものです。同時に、当社の事業そのものは、人と財産である家屋。森林などの環境を守るということでもあります。事業自体が、社会的に意義があり、その意義に共感してくれる方を求めています。
さらに、今までの固定観念にとらわれずに、新しいことにチャレンジしたいという方と一緒に働きたいと考えていますので、ぜひそうした志のある方に声をかけてもらいたいと思っています。
―大事にしている言葉―
【宮内】
「一期一会」という言葉は、もともと茶道から来ている言葉です。人と人との関わり合いということがメインではありますが、その時間そのものを大切にしないといけないと感じているので、この言葉を大事にしています。
社長になると、いろいろな決断を迫られるケースがあり、そのときどきの決断が後に効いてくることもある。今日のこの決断が自分の人生を左右する決断なのかもしれない。
そう思いながら、日々、仕事をしています。将来またお会いできるかもしれないし、お会いできないかもしれない。それは、すべてにおいて言えることだと思うからこそ、深く考えた上で大事にしたいものです。