【ナレーター】
日本初の「ゲストハウスウェディング」というスタイルを確立し、これまで10万組以上の結婚式をプロデュースしてきたアニヴェルセル。
全国展開するウェディング事業と、カフェ・イベント運営などを担う旗艦店事業を柱に、着実な成長を続けている。
現在は結婚式にとどまらず、一生涯のライフステージに寄り添う「記念日プロデュース企業」へと進化すべく、次なる挑戦を続けている。
なぜ、彼らが強いのか。その理由は、「結婚式を売る」という発想そのものを根本から見直したことにあった。
【ナレーター】
結婚式という1日だけではなく、お客様の一生涯に寄り添う。その独自の戦略の最前線にあるのが、実は「表参道のカフェ」だった。
【松田】
「アニヴェルセル表参道」が1998年にオープンして、カフェを立ち上げて、皆様に認知いただくことで「デートをする」きっかけの場所になりました。そこから思い出の場所になり、「ここでプロポーズをしたい」という需要が高まり、「プロポーズ事業」が生まれました。
「大好きな人に喜んでもらいたい」「笑顔を見たい」。そのような目的でカフェを利用する。そしてプロポーズをして、チャペルを利用して結婚式を挙げるという方が、2010年代から増えてきていますね。
【ナレーター】
通常の結婚式場は「一生に一度」しか利用しない場所だ。しかし、日常的に利用できるカフェを旗艦店として併設することで、未来の顧客との「最初の接点」をつくり出している。
そして、このカフェ事業は単なる集客のフックではない。現場のスタッフたちのアイデアを吸い上げ、形にする場にもなっている。
【松田】
今でもリピートして飲んでいただいているカフェラテは、ずっと人気がある商品なんです。
他に、昨今人気が高いのがミルパン。ミルフィーユとパンケーキをドッキングしてつくった商品があるのですが、これを実際につくったシェフから「とにかく美味しかったので食べてくれ」と言われて食べてみたら、あまりにも美味しかったので、次の日からもう商品化しようということになり、スタートいたしました。
今でも非常に人気で、一番売れている商品だと思います。
【ナレーター】
現場の声から生まれたスイーツを、翌日には商品化する。トップダウンではなく、現場の自主性を徹底的に尊重するその組織風土は、どのようにしてつくられたのか。
そこには、松田自身が29歳という若さで支配人に抜擢された際の経験が影響していた。
【松田】
当時はもう若さで突っ走っていましたので、理想や正しさを追い求めて組織を動かすことばかり考えており、あまり周りが見えていない状況だったと思います。
ただ、組織というのは正しさだけではなく、それもすごく大切なことですが、やはり社員全員が自分ごととして動けないと、何も変わらないということを学びました。
20代というのは、一生懸命仕事をしていると周囲が気づいてくれるので、頑張っていると比較的成功しやすい、成功する確率が高い年代だと思うんですよ。ただ、それを自分の力だと勘違いしないことが大切です。
20代から30代になった時に、自分が今までやってきたことをどれぐらいプラスにできるか、ということを評価してもらえる軸のひとつだと思っておくことが大切だと考えています。
私が29歳で支配人になった時はまさにそうでした。若くして支配人になった自分を支えてくださった方々に、今度は自分がやってもらったことを返さなければいけないんだと気付き、余裕ができたのはやはり30代からでした。
それから大きな仕事を任せてもらうことが続いたので、20代の学びを30代で還元できるか、会社や社員に還元できるかというのが大切なポイントだと思います。