JXホールディングス株式会社は持株会社

近年ホールディングスという社名が目立つようになりました。ホールディングスとは持株会社のことです。持株会社は、その会社自体は具体的な事業部門を持たないで、他の会社の株式を所有することによって、他の会社の事業を自社の管理下において、他の会社を実質的に支配することを目的にした会社のことです。

持株会社の収益源は、所有する傘下の会社の株の配当です。合併ではありませんから、親会社のJXホールディングスもJXホールディングスの子会社もそれぞれ独立した企業です。それぞれに代表取締役社長が居り、統率しています。但しそれぞれの子会社の株式は全量、JXホールディングスが所有しています。

経営統合の目的とコンセプト

JXホールディングスは、新日本石油及び新日鉱ホールディングスを統合し、両社の株式を全量保有する持ち株会社です。
JXホールディングスのHPに、その統合の目的及びコンセプトが掲載されており、理解することができます。また、この経営統合の目的とコンセプトを基にJXグループの広範な中期経営計画、長期ビジョンが作成され掲載されていますので御覧ください。

JXホールディング株式会社HPより引用

■経営統合の目的

両社グループ(新日本石油及び、新日鉱ホールディングス)は、エネルギー、資源、素材の分野において、事業環境の構造的変化に先手を打ち、激化する競争に勝ち抜くため、両社グループの経営基盤を一層強固なものとするとともに、新たな経営理念の下で飛躍することを目的として、両社グループの全面的な経営統合(JXホールディングス)を行うこととし、もって国内外におけるエネルギー、資源、素材の安定的、かつ、効率的な供給の使命を果たします。

JXホールディング株式会社HPより引用

■経営統合のコンセプト

1、 両社グループ(新日本石油及び、新日鉱ホールディングス)は対等な立場において、各事業にわたる全面的な統合を実現し、両社グループの経営資源を結集して、これを最大限使用することにより、石油精製販売、石油開発、及び金属の各事業を併せ持つ世界有数の総合エネルギー、資源、素材グループへと発展することを目指します。

2、 JXグループ(親会社JXホールディングス)は、積極的かつ、グローバルに成長戦略を展開することとし、ベストプラクティスをキーワードとして、収益性の高い分野に経営資源を優先配分することにより企業価値の最大化を図ります。

3、 JXグループ(親会社IXホールディングス)は、石油精製販売事業について、経営統合により初めて可能となる劇的な事業変革を早期に実現します。
とあります。

JXホールディング株式会社HPより引用

JXホールディングス株式会社の概要

社名JXホールディングス株式会社
本社所在地東京都千代田区大手町1丁目1番2号
設立年月日平成22年(2010年)4月1日
本社所在地東京都千代田区大手町1丁目1番2号
設立年月日平成22年(2010年)4月1日
代表取締役社長内田幸雄
株式公開東証第1部(5020)
資本金1,000億円
事業内容エネルギー事業、石油、天然ガス関連事業、金属事業を行う子会社及びグループ会社の経営管理ならびにこれに付帯する業務
代表取締役社長内田幸雄
株式公開東証第1部(5020)
資本金1,000億円
事業内容エネルギー事業、石油、天然ガス関連事業、金属事業を行う子会社及びグループ会社の経営管理ならびにこれに付帯する業務
JXホールディングス株式会社HP参照

JXホールディングスの沿革

2010年4月:JXホールディングス株式会社設立により、新日本石油株式会社及び新日鉱ホールディングス株式会社がJXホールディングス株式会社の完全子会社となりました。同時にJXホールディングス株式会社は普通株式を東京証券取引所、大阪証券取引所、及び名古屋証券取引所に上場しました。

新日本石油の沿革及び新日鉱ホールディングスの沿革はJXホールディングスのHPでご覧いただけます。因みに新日本石油の創業は1888年(明治21年)、新日鉱ホールディングスの創業は1905年(明治38年)です。

JXホールディング株式会社HP参照

JXホールディングス株式会社の基幹企業

〇JXエネルギー株式会社(新日本石油):代表取締役社長 杉森務 資本金1,394億円 従業員数6,128名(連結14,559名) 石油製品の精製及び販売その他
〇JX石油開発株式会社:代表取締役社長 三宅俊作 資本金98億円 従業員数949名 石油、天然ガス、その他の鉱物資源の探鉱及び開発 その他
〇JX金属株式会社:代表取締役社長 大井滋 資本金200億円 従業員数2,600名(連結4,604名) 非鉄金属資源の開発採掘、非鉄金属製品(銅、金、銀)の製造販売 その他

JXホールディングス株式会社の従業員募集

JXホールディングスの従業員募集はありません。JXホールディングスの従業員は、子会社からの出向者で構成されています。
グループの各子会社ではそれぞれ独自に従業員募集を行っていますので採用情報につきましては、それぞれの会社のウエブサイトで確認ください。

JXホールディングス株式会社の業績について

JXホールディングスは全国にガソリンスタンド13,000店のエネオス特約店を擁しています。国内シェアは34%にもなり、圧倒的な販売量を誇っています。
しかし、JXホールディングスのガソリン販売事業は超低収益で喘いでいます。国内のガソリン需要が伸び悩んでいるからです。

ガソリンスタンドを経営するJXホールディングスの特約店には、なんとしても地域でのシェアを守ってほしいために、卸価格を下げて、儲けてもらうしかないのです。卸価格を下げれば当然、JXホールディングスの収益は悪化します。しかし、JXホールディングスの特約店がシェア争いに負けて潰れてしまっては、スタンドが減少し、製油所の稼働率が落ちることになります。しいてはJXホールディングスの製油所の閉鎖に繋がり、これだけは阻止したいところでしょう。

JXホールディングスの業績は、毎期ごとに利益が大きく変動しています。JXホールディングスの直近の業績の利益を見て見ますと、2014年3月期では1,070億円の純利益が出ていますが、2015年3月期では2,772億円の大幅赤字、2016年3月期では3,300億円の赤字となっています。
この原因は、国からエネルギー安定供給のために70日分の在庫を常備するよう義務付けられていることが1つあります。石油価格は資源価格であるために輸入価格が大きく変動します。従って備蓄の在庫評価価格が必然的に大きく動きます。当然業績に直接影響します。
そしてもう1つは、構造的に利益率が低いことです。在庫調整の影響を除いても経常利益率は僅か1~2%くらいしかありません。

2017年4月にはJXホールディングスとモービルなどを展開する東燃ゼネラル石油の経営統合が株主総会で承認されて、新会社JXTGホールディングスができます。JXホールディング傘下のJXエネルギーと東燃ゼネラル石油を合併させ、東燃ゼネラル石油の1株に対してJXホールディングスの2.55株を割り当てして株式交換方式で統合します。

JXホールディングスは規模をさらに拡大して、海外にその活路を見出そうという目論見です。
規模の拡大と海外展開、これでJXホールディングの利益体質の改善に繋がるのでしょうか、当分の間目が離せません。最悪、JXホールディングスの製油所の統廃合も選択肢に入ってくるかもしれません。

JXホールディングス まとめ

こうした巨大企業は素人には掴みどころがありません。実態がなかなかわからないからです。大きく3つの事業体に分かれてはいますが、それでもそれぞれが超大企業です。おまけに国のエネルギー政策により直接的に影響が出てきます。我々庶民との接点は全国にあるエネオスブランドのガソリンスタンドです。ガソリンの売値に一喜一憂し、ひたすら安くなることを願っているのですが、このスタンドが減少傾向にあります。JXホールディングスには安定的に成長して欲しい気持ちはありますが、世界のエネルギー需給と石油採掘量により価格が変動していきます。それでいて、国の基幹産業ですから倒産の危険性はほとんどありません。
JXホールディングスグループの会社に就職したい人は、こうした日本のエネルギー事情をよく理解した上で、募集に応じてほしいものです。