株式会社近鉄エクスプレスの概要と沿革

■ 株式会社近鉄エクスプレスの概要

社名株式会社近鉄エクスプレス
本社所在地東京都港区港南2丁目15-1 品川インターシティーA棟24F
設立年月日1920年(昭和50年)1月10日
代表取締役社長鳥居伸年
株式公開東証1部(9375)
資本金72億16百万円
売上高連結4,202億52百万円 単独851億79百万円(2016年3月期)
従業員数連結17,311名 単独1,047名
事業内容国際航空輸送、国際海上貨物輸送、コントライトロジスティクス、通関業
株式会社近鉄エクスプレスHP参照

■ 株式会社近鉄エクスプレスの沿革

1948年に近畿日本鉄道の国際貨物部門として業務を開始し、1970年に近鉄航空貨物株式会社として独立、そして1972年に運輸の単独混載の免許を取得、以後積極的に海外展開を図りました。

1948年(昭和23年)近畿日本鉄道にて国際貨物、旅客取扱い開始
国際航空運送協会(JATA)代理店認可を取得
1955年(昭和30年)近畿日本鉄道国際運輸部が近畿交通社に営業譲渡され、近畿日本航空観光株式会社に商号変更
近畿日本ツーリストへと発展し、国際航空部門と国際観光部門の連携により総合旅客貨物取扱業者となる
1969年(昭和44年)香港とアメリカに現地法人設立
1970年(昭和45年)近鉄航空貨物株式会社として分離独立
1989年(昭和64年)社名を株式会社近鉄エクスプレスに変更
1994年(平成6年)近鉄エクスプレスが運輸業界初のISO9002を取得
1998年(平成10年)近鉄エクスプレス成田タームナル竣工
2000年(平成12年)近鉄エクスプレスが大阪証券取引所ナスダックジャパン(現、ヘラクレス)に上場
2002年(平成14年)近鉄エクスプレスが東京証券取引所市場第2部に上場
近鉄エクスプレス成田タームナルにおいて環境ISO14001認証
2004年(平成16年)近鉄エクスプレス第4厚木ターミナルを竣工
2005年(平成17年)近鉄エクスプレスが商船三井と資本、業務提携を締結
2006年(平成18年)近鉄エクスプレスアジア、オセアニア本部を「近鉄エクスプレス東アジア、オセアニア本部」
「近鉄エクスプレス東南アジア、中近東本部」に2分割、世界5極体制を確立
2011年(平成23年)近鉄エクスプレス本社を千代田区から港区に移設
2012年(平成24年)近鉄エクスプレスが認定通関業者認証
2015年(平成27年)近鉄エクスプレスがAOL Logistics Ltdを完全子会社化

株式会社近鉄エキスプレスHP参照

株式会社近鉄エクスプレスの経営理念

株式会社近鉄エクスプレスは、ロジスティクスを通して、新たな価値と最良の環境を創造し、お客様
株主、従業員と共にグローバル社会の発展に貢献する。

株式会社近鉄エクスプレスの企業指針

1、 近鉄エクスプレスの私たちは、お客様に対して常に満足と信頼を得られる高品質なサービスを
提供し、企業価値の向上に努める。
2、近鉄エクスプレスの私たちは、ロジスティクスを通して、グローバルに事業活動を展開し、成長と
発展を続ける企業を目指します。
3、近鉄エクスプレスの私たちは、株主をはじめステークホルダーと広くコミュニケーションを図り、企
業情報を正確かつ適切に開示します。
4、近鉄エクスプレスの私たちは、国際ルール、各国、各地域の法令、規範を遵守し、コンプライア
ンスの徹底に努めます。
5、近鉄エクスプレスの私たちは、従業員の人格、個性、多様性を尊重するとともに、安全で働きや
すい職場環境を提供します。
6、近鉄エクスプレスの私たちは、グローバル企業として地球環境に配慮し、持続可能な社会作り
に貢献します。

株式会社近鉄エクスプレスHPより引用

株式会社近鉄エクスプレスの事業ポートフォリオ

世界5極体制について

1、 日本
近鉄エクスプレスは、海外45ヶ国、346都市、823拠点の体制で世界中の航空貨物、海上輸送の物流を行っています。
近鉄エクスプレスは、国際航空貨物輸送、国際海上貨物輸送、ロジスティクスを中心に、これに付帯する日本国内の貨物輸送などの事業展開が主です。ULDインタクト輸送サービス(貨物のダメージを防止する自社ハンドリングシステム)が特徴です。

これらの事業を支える日本国内のグループ会社
・ 株式会社近鉄ロジスティクス・システムズ:近鉄エクスプレスの国内航空貨物輸送事業を分社化して国内事業に特化、専業化した会社
・ 株式会社近鉄トランステック:輸出入貨物の集配業務や精密機器輸送、精密機器用の特殊梱包事業
・ 株式会社コスモス:物流、貿易業務を中心に専門スタッフを近鉄エクスプレスに供給する人材派遣業の会社
・ 株式会社近鉄エクスプレス販売:近鉄エクスプレスの物流商社、設備輸送、イベント輸送
・ 株式会社近鉄エクスプレス四国:四国地域の輸出入航空、海上貨物サービスの販売
・ 近鉄・パナソニックトレーディングサービス株式会社:パナソニックグループの輸出入、三国間貿易手続き全般

2、 米州
外資系に強い近鉄エクスプレスの基礎を築いた地域です。
・ 1969年にシカゴに進出し、近鉄エクスプレス米国法人を設立
・ サンフランシスコ直行便+米国内陸トラック輸送、米国全土向け
・ ロサンゼルス直行便+米国内陸トラック輸送、緊急輸送サービス
・ テキサス向け輸送サービス

3、 欧州、中近東、アフリカ
・ 1985年に英国、ドイツに近鉄エクスプレス現地法人設立
・ アムステルダム直行便+トラック輸送 ヨーロッパ向け輸送サービス
・ フランクフルト空港+トラック輸送 東欧向け輸送サービス

4、 東アジア、オセアニア
・ 中国、東アジア向け海上混載サービス
・ 日本から蘇州までダイレクトで輸送する海上混載サービス

5、 東南アジア
・ 中国に続く世界の製造拠点として、今後成長が見込まれる地域
・ シンガポール、タイ向けTime Definiteサービス
・ 近鉄エキスプレスタイ、プラチンプリ倉庫開設(2015年)

APLL子会社化について

株式会社近鉄エクスプレスは、平成27年5月、APL Logistics Ltd(本社、シンガポール)及びグループ会社66社を一括完全子会社化しました。

近鉄エクスプレスの中期経営計画の欧米競合他社と対等以上に戦える経営資源の構築の一環です。
近鉄エクスプレスは、今後の経営戦略の柱として、①世界で最も多彩なサービスを提供する。②生産、消費市場でお客様の物流ニーズを実現する。③コーポレート力を結集して生産性を高める。
の3点を掲げて、グループを挙げて全力で取り組むとしています。

この近鉄エクスプレスの経営戦略にAPLLのシナジーの早期創出と最大化がかかっています。
近鉄エクスプレスは、APLLの子会社化のためにシンジケートローン(三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行)を組んで1,300億円の借入を起こしました。APL Logistics Ltdの資本金は日本円換算で約512億円の巨大会社です。従業員も6,518名います。

一気に大きなリスクを負うことになりましたが、このグループの近鉄エクスプレス子会社化により、欧州、アジア地域のシェアが大きく拡大し、売上高、収益ともに増加すると思われます。

近鉄エクスプレスの主な輸送取扱い品目は、エレクトロニクス関連品、自動車関連品、メディカル・ケミカル関連品、高級服飾関連品などです。こうした利益に貢献する品目に力点を置きながら、さらなる収益性の高い品目を戦列に加えられるよう、商品開発も急務です。
APLLのシナジー効果と合わせて売上の拡大、安定化を急ぎたいところです。

株式会社近鉄エクスプレス まとめ

物流の動きは正に、その国、その地域の経済の景況をそのまま表しています。従って世界的な物流会社は、国ごとに経済、政治、社会の変化に対して極めて敏感です。その国の経済が直接的に自分の会社の業績に影響するからです。近鉄エクスプレスも世界中に営業ネットワークを張っています。今や完全に国際物流会社の1つです。世界経済に敏感で、即対応が可能な優れたビジネスマンを要求しています。またそうした経済の動きを敏感に反応させるべきアンテナを持った物流マンを必要としています。広く世界を見ながら活躍したい人は近鉄エクスプレスに集まれ!という感じです。