私たちの生活に多大な影響を及ぼし、経済にも大打撃を与えている新型コロナウイルス感染症。国内での感染者数は減少傾向にあるものの、累計の感染者数は1万6千人を超えています(※)。
※2020年5月25日時点
5月4日には、厚生労働省から新型コロナウイルスを想定した「新たな生活様式」が発表され、感染拡大前の生活に戻るのが容易ではないことは想像に難くありません。
経済活動の再開を探る動きもありますが、国際通貨基金(IMF)は2020年の世界経済の成長率を-3%とリーマン・ショックを超える厳しい見通しを示し、かつ年内の感染封じ込めをベースとした観測であることからも、しばらくはコロナウイルスの影響が続くといえるでしょう。
しかし、いずれ訪れる新型コロナウイルス克服時のために準備することが、いち早い復活の主因となることは決して間違いありません。
今回は、「危機」とも言える状況を脱して大逆転を果たした、社長名鑑に掲載している企業を厳選し、4社のインタビュー動画をご紹介します。困難を乗り越えて飛躍を遂げた経営者のメッセージから、コロナショックに立ち向かうヒントを探ります。
【目次】
1.株式会社コロンバン 2.株式会社ワンダーテーブル 3.株式会社カクヤス 4.常磐興産株式会社 まとめ |
---|
1.株式会社コロンバン
日本初の本格的なフランス菓子店として1924年に創業した洋菓子メーカー、株式会社コロンバン。全国的な知名度を持つコロンバンですが、2000年代に入ると、それまでのピークであった140億円の売上から100億円以上も急激に落ちこみ、倒産の危機に瀕していました。
しかし、大手都市銀行から出向してきた現代表取締役社長・小澤俊文氏が大改革を断行。
今や、本店サロン(原宿地区の再開発に伴い一時閉店中)にちなんだ『原宿ロール』や大学の校章入りクッキーなど数多くのヒット商品を生み出す、業界屈指の洋菓子メーカーへと再生を果たしています。
そんなコロンバンは、緊急事態宣言発令時のコンテンジェンシープランを策定しており、取引先からの全ての受注・出荷機能を埼玉工場に集中するなどの対策を実施しています。
また、発令に伴いショップ及びサロンの臨時休業と、生菓子の販売一時休止を決めました。
一方、オンラインショップは継続しており、限定で販売した『お楽しみお菓子ボックス』は5,000セットが2日で完売するほどの人気を見せました。
さらに、東京・原宿の自社屋上で採取した希少な『原宿はちみつ』の新物の予約受付を始めるなど、オリジナリティある商品で存在感を示しています。
歴史と伝統を背負いながらも、常に洋菓子業界に新風を吹き込む存在となったコロンバン。
その復活の軌跡を追うインタビュー動画では、リーダーに求められる資質について、「率先垂範であるべき」だと小澤社長は語ります。
倒産寸前からの企業再生を成し遂げた小澤社長だからこそ、その見解は新型コロナウイルスによる危機を脱するための、ひとつの指標となるのではないでしょうか。詳しくは、インタビュー動画をご覧ください。
2.株式会社ワンダーテーブル
シェラスコ料理専門店『バルバッコア』やローストビーフの老舗高級店『ロウリーズ・ザ・プライムリブ』など、海外の外食ブランドを誘致する独自のビジネスモデルを持ち、自社ブランドの『モーモーパラダイス』などと合わせて国内外で125店舗を展開する(※)株式会社ワンダーテーブル。
※2020年5月時点
世界を意識したブランド戦略と人材を特徴に、アジアを代表するグローバル・レストラン・カンパニーを目指す同社ですが、コロナ禍同様に未曽有の経済危機と言われたリーマン・ショックをきっかけに、2010年には東証二部上場を廃止するという厳しい過去を経験しています。
しかし、現代表取締役社長の秋元 巳智雄氏は、当時立案した会社再生計画を着実に実行し、店舗の絞り込みやブランド力の強化を推進。その翌年には危機的状況を脱しただけでなく、ワンダーテーブルは過去最高益を達成しました。
今回、新型コロナウイルス感染拡大防止のために外食業界では店舗の閉鎖や営業時間短縮を余儀なくされていますが、ワンダーテーブルでは計8ブランド22店舗でテイクアウトとデリバリーの営業を継続し、その店舗を一覧化したまとめサイトも開設しました。
また、経営するビアレストラン『よなよなビアワークス』では、新型コロナウイルスの影響を受けている飲食店への救済措置として設けられた期限付酒類小売業免許をいち早く取得。
業務提携契約を結ぶ『よなよなエール』などクラフトビールのテイクアウト販売も開始し、同社の魅力である専門性高いメニューを提供し続けています。
リーマン・ショック後に当時の社長との二人三脚で危機を乗り切った秋元社長は、大事にしていたのは「変化への対応」だったとインタビュー動画で語ります。
「変化に対応することができれば、また再生できる」との考えから、従業員に「疾風に勁草(けいそう)を知る」との言葉を送ったという秋元社長。
その言葉に込めた想いには、ワンダーテーブルが上場取り下げからわずか1年で過去最高益を達成するほどに復活した秘訣が隠されています。詳しくはインタビュー動画をご覧ください。