3.株式会社カクヤス

https://corp.kakuyasu.co.jp/

株式会社カクヤスは、店舗からの配送ならビール1本から送料無料、しかも1時間以内に届くサービスを実現した『なんでも酒やカクヤス』を展開する企業です。

安さと手軽さ、飲料から日用品までの幅広い品ぞろえに加え、自宅やギフトはもちろん、パーティ会場やバーベキュー上などの屋外にも配達可能など、型破りなサービスを次々に打ち出して年商1,000億円を超えるまでに成長し、2019年12月には東証二部に上場を果たしています。

佐藤順一社長は、大学卒業後に家業である現カクヤスに入社し、バブル景気を経験、そしてその崩壊の年に代表取締役社長に就任しました。

バブル時には1億円あった営業利益が就任3年目には1,000万円に減少。赤字転落を目前に、起死回生を狙いディスカウントショップを立ち上げます。

順調に出店数を拡大していたカクヤスですが、1990年代後半に入り、アルコール市場の縮小が鮮明になるとともに、酒類の規制緩和が決まりコンビニやスーパーが販売に参入。

利便性や送料を無料にするだけでは太刀打ちできないとなったその時、佐藤社長は『なんでも酒や』につながる大きなヒントを得たとインタビュー動画で語っています。


「物流で大手に勝つなんてありえない。しかし、ふと“自分から発想しすぎていた”ことに気付いたのです。」


その後は「1本から」「1時間以内」に「無料で」商品をお届けするなど、徹底した顧客目線のサービスを打ち出すことで、酒販チェーンの雄として地位を確立したカクヤス。

コロナ禍による外出自粛が叫ばれる現在も、外食店向けの売上は減少するも、家庭用は前年比増の売上を上げています。

佐藤社長の動画では、日本経済や業界の危機に直面しながらも、他社が出来ない顧客のニーズに応えていくことで事業を拡大してきたカクヤスの軌跡が語られます。

『なんでも酒やカクヤス』の誕生秘話からは、苦境に立たされときでも突破口を見つけ出すヒントが得られるのではないでしょうか。

カクヤス 佐藤社長のインタビュー動画はこちら-【いつでも、どこでも、どれだけでも運ぶ「カクヤス」常識破りの戦略】

4.常磐興産株式会社

http://www.joban-kosan.com/

1966年、炭鉱に湧いた温泉を利用し、「夢の島ハワイ」をイメージしたリゾート施設としてオープンした『スパリゾートハワイアンズ』(創業時は『常磐ハワイアンセンター』、以下『ハワイアンズ』)。

2006年公開の映画『フラガール』のヒットで全国的に知名度を高め、来場者数は年間100万人以上。

2011年の東日本大震災では壊滅的な打撃を受け休業を余儀なくされるも、約1年後には本格的に営業を再開し、2013年には震災前を上回る150万人の来場者数を記録しました。

福島復興のシンボルとも称される『ハワイアンズ』は、その後もテーマパークや宿泊施設の新設を続け、”奇跡の復活”をゆるぎないものとしています。

そしてその進化を牽引するのが、2013年に『ハワイアンズ』を運営する常磐興産株式会社・代表取締役社長に就任した井上直美氏です。

長くメガバンクに在籍し、IT関連のシンクタンクの代表も務めた経歴も持つ井上社長は、震災復興の一助を担いたいという思いから、『ハワイアンズ』初の外部からの経営トップに就きました。

地元出身者が多い施設で井上社長が重視したのは、徹底した現場主義。自ら施設を回り、従業員とコミュニケーションを取りながら信頼関係を構築し、現場とともに“究極のサービス”の実現に向けて奔走します。

インタビュー動画では、東日本大震災の影響がまだ色濃かった社長就任時、新たな施設投資を控えざるを得ないなかでも収益を拡大させた秘訣について、井上社長は「業務の効率化は知恵の勝負。だからこそ、会社の中をよく見ないとできなかった」と語ります。

自社の強みを気付かせ、アドバイスすることで、従業員自らが改善策を生み出しサービス水準を高める土壌をつくり上げていったのです。

斜陽化する炭鉱から観光へと転身し、大災害をも乗り越えた『ハワイアンズ』の歴史と井上社長の知見には、停滞する産業すべてに共通するメッセージが見出せるのではないでしょうか。詳しくはインタビュー動画をご覧ください。

常磐興産(スパリゾート・ハワイアンズ) 井上社長のインタビュー動画はこちら-【震災から奇跡の復活!スパリゾート・ハワイアンズ再建の舞台裏】

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本経済並びに世界経済は大幅なマイナス成長に陥ると予測され、長期化も懸念されています。

しかし、過去の困難を乗り越え、大逆転を果たした企業の軌跡を参考にすることは、より大きな視点で次のシナリオを描く足掛かりにもなるのではないでしょうか。

バブル崩壊やリーマン・ショック、東日本大震災などを乗り越えて飛躍を遂げた、今回ご紹介した4つの企業。この危機的状況にどのように立ち向かい、挑戦し、乗り越えていくのか。今後の動向に目が離せません。

本記事で紹介した経営者のインタビュー動画・記事

倒産寸前から奇跡の復活。老舗洋菓子メーカー 波乱万丈の再生物語

株式会社コロンバン 代表取締役社長 小澤俊文

上場廃止、相次ぐ店舗閉店。危機的状況を打開した逆転の一手

株式会社ワンダーテーブル 代表取締役社長 秋元 巳智雄

いつでも、どこでも、どれだけでも運ぶ「カクヤス」常識破りの戦略

代表取締役社長 佐藤 順一

震災から奇跡の復活!スパリゾート・ハワイアンズ再建の舞台裏

常磐興産株式会社 代表取締役社長 井上 直美

※本記事ページ内の情報は、2020年5月26日時点のものです。