株式会社カクヤス ~いつでも、どこでも、どれだけでも運ぶ「カクヤス」常識破りの戦略~

Vol.4 「なんでも酒や」誕生秘話

株式会社カクヤス 代表取締役社長 佐藤 順一 (2015年3月取材)

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―「なんでも酒や」誕生秘話―

【佐藤】

1996~97年に大きな出来事が2つ起こります。

1つは今まで拡大路線を歩んでいたお酒のマーケットが縮小に転じたんですね。1~2年であれば一時的に下がったと言えますが、3年、4年と続くとこれは恒常的に下がるんだと、誰もがそう思うんですね。ということは、ディスカウントの商売はもう終わった、ということなんですよね。しかし、そんな簡単には変えられないので続けるんですが、「このままだとだめだな」と思いながら店を出していました。

更にもう1つ、厄介なのがお酒の規制緩和が決まりました。縮小マーケットで規制緩和がされたらどうなるかなんて誰が見ても悲惨な状況になることは分かっていました。

今までは酒屋や量販店、ディスカウントストアなどとの戦いだったのですが、コンビニやスーパーなどもライバルになり勝てそうにないとその時思いました。例えばこれが2、3件程度であれば地域密着型でやるという選択肢も生まれますが、なまじ28件も当時は出してしまっているので、どうしようかと悩みましたね。

店づくりは当然、売り場が広く日用品なども揃っているスーパーのほうが良いんですよ。利便性では、圧倒的な店舗数と24時間営業のコンビニに絶対敵わない。ですので店舗では勝ち目は全くありませんでした。

では無料配達がそこそこ受けている「配達」はどうなのかと。ただ、上手くいっていることに目をつけられたら、スーパーやコンビニなどはヤマト運輸にアウトソーシングして参入してくるだろうと思いました。

つまり配送で生き残るためにはヤマト運輸ができないサービスをするしかないんですが、正直思いつきませんでした。物流でヤマトに勝つなんてありえないと思ったんですが、ふと気づいたのは、「自分から発想しすぎていた」と思ったんですね。

例えば配送エリア、ロット、時間を決める理由は全て売り手側の都合ですよね。これをお客様の立場になって考えた時に、配送エリアの縛りはないほうがいいですよね。ですので、まず弊社がこれを実現するために手に入れる必要のあるキーワードは「どこでも」です。

ロットの制約もないに越したことはないので「1本から」というのを宣言してしまおうと。

そして時間の制約も短いに越したことはないと。ただ、できないことをコミットしてしまうと信頼がなくなってしまうので、でき得る最大限の努力として「2時間枠」というのがあったんですね。これらは当然無料配送でやります。

この「1本2時間でどこでも冷えたビールが無料で届く」というのが実現すれば、ありがたがられるのではないかと思ったんですね。ヤマト運輸でもできるかもしれませんが、無料ではやらないですよね。ですので、これをやってみようと思いました。

ロットや時間は宣言することでできますが、「どこでも」はいきなり日本全国はできないので、まずは東京23区「どこでも」でやってみようと思いました。

試しに東京23区の面積を1.2×1.2×3.14で算出してみたところ「137」という数字が出ました。ちなみにこれがもし500だったらやっていなかったです。28から137に店舗を増やすということも無謀なことでしたが、この配送を実現しない限り勝ちは絶対なかったのでやるしかないと思ったんですね。

その時に、「スーパーディスカウントダイヤス」という店名を「なんでも酒やカクヤス」に切り替えたんです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 佐藤 順一
役職 代表取締役社長

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