株式会社ニッピの概要と沿革
まず、株式会社ニッピの基本情報は以下の通りです。
【ニッピの概要】
社名 | 株式会社ニッピ(Nippi,Incorporated) |
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本社所在地 | 東京都足立区千住緑町1-1-1 |
設立年月日 | 1907年(明治40年)4月1日 |
代表取締役社長 | 伊藤 隆男 |
株式公開 | ジャスダック上場(証券コード:7932) |
資本金 | 4,404,662,225円 |
事業内容 | コラーゲン・ケーシング事業、ゼラチン関連事業、化粧品関連事業、皮革関連事業、賃貸・不動産業、食品その他の事業 |
ニッピは東京都足立区千住緑町に本社を構えています。その歴史は古く、創業は1907年に日本皮革株式会社として誕生したことに始まります。その後、ゼラチンの研究をはじめ実用化、そしてコラーゲンケーシングの研究、実用化へと繋がっていきます。また、1963年に株式を店頭公開し、現ジャスダックへの上場もしています。
ではニッピにの歴史について沿革として見ていきましょう。
【ニッピの沿革】
1907年4月 | 東京都足立区に日本皮革株式会社設立(資本金500万円)
タンニンによる鞣製事業を開始 |
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1920年 | 東京クローム皮革第1工場新設
クロームによる鞣製事業を開始 |
1932年8月 | ゼラチン研究開始 |
1936年2月 | ゼラチン製造事業へ進出 |
1938年9月 | 財団法人日本皮革研究所設立(現:一般財団法人日本皮革研究所) |
1940年2月 | 静岡県富士宮市にゼラチン工場新設(現:富士工場) |
1942年 | 東京都足立区に本社事務所新設 |
1950年4月 | 東京都中央区に大鳳商事株式会社設立 |
1954年 | 東京クローム皮革第2工場新設 |
1956年11月 | ビニール・フォーム製造開始 |
1958年10月 | コラーゲン研究開始 |
1960年1月 | 不透性コラーゲンの可溶化に関する特許出願 |
1962年5月 | コラーゲンケーシングの研究開発本格化 |
1963年3月 | 鳳凰事業株式会社設立 |
1963年6月 | 株式店頭登録(現:大阪証券取引所JASDAQ市場) |
1965年9月 | 大阪府大阪市西淀川区に大阪支店移転 |
1970年1月 | 静岡県富士宮市にコラーゲンケーシング工場新設
(現:ニッピコラーゲン工業株式会社 富士宮工場) |
1970年 | ポリ塩化ビニルの架橋方法で特許を取得 |
1970年 | 大阪府大阪市浪速区に難波ゴルフセンター(現:貸駐車場)開設 |
1971年11月 | アルカリ処理によるコラーゲンの可溶化する技術で特許を取得 |
1974年2月 | 株式会社ニッピに商号変更 |
1975年 | コラーゲンペプチド(ニッピペプタイド)の研究開始 |
1976年 | ペプタイドの事業化 |
1977年2月 | ニッピコラーゲン工業株式会社設立 |
1977年 | リンカー(架橋塩ビ)の事業化 |
1979年10月 | 富士工場 医薬品製造業許可 |
1980年5月 | 富士工場にペプタイド製造設備設置 |
1983年10月 | ニッピゼラチン工業株式会社設立 |
1984年1月 | コラーゲン化粧品の開発開始 |
1986年3月 | ニッピ事業開発株式会社(株式会社NP越谷加工)設立 |
1988年5月 | 東京都足立区にペプタイド第1工場新設
医薬品・食品用ペプタイド製造開始 |
1988年6月 | 株式会社ニッピコラーゲン化粧品設立 |
1989年6月 | 大阪タンニン工場閉鎖 |
1991年2月 | 資本金35億円に増資 |
1991年10月 | 難波ニッピ都市開発株式会社設立 |
1993年 | ニッピ研究所を改組し、バイオマトリックス研究所を新設 |
1994年9月 | 賃貸事業の開始(大阪市西淀川区の工場跡地に賃貸用大型ショッピングモールを新設) |
1995年3月 | 静岡県富士郡芝川町(現:富士宮市)にコラーゲンケーシング工場新設
(現:ニッピコラーゲン工業株式会社 芝川工場) |
1998年3月 | 東京都足立区にペプタイド第2工場新設
注射薬用精製ペプタイド製造開始 |
1998年3月 | 大阪クローム皮革工場閉鎖 |
1998年9月 | 大鳳商事株式会社が大倉フーズ株式会社を買収 |
1999年8月 | 大阪府大阪市浪速区に大阪支店(現:大阪営業所)移転 |
2000年1月 | ゼラチン工業株式会社解散
事業を当社で継承 |
2000年5月 | ニッピコラーゲン工業株式会社 芝川工場 ISO9001認証取得 |
2000年6月 | 富士工場 ISO9002認証取得(現:ISO9001:2008年版) |
2001年2月 | 東京タンニン皮革工場閉鎖 |
2002年3月 | 難波ニッピ都市開発株式会社を吸収合併により事業統合 |
2002年4月 | ペプタイド第1工場を静岡県富士宮市に移設
ペプタイド第2工場を研究所管轄へ |
2002年5月 | 富士工場 欧州薬局方製造適性(EDQM:TSE free) |
2004年10月 | カナダB.C.州にNIPPI CANADA LIMITED設立(現:NIPPI COLLAGEN NA INC.) |
2005年8月 | 株式会社日本コラーゲン設立 |
2005年8月 | 中華人民共和国上海市に霓碧(上海)貿易有限公司設立
(現:日皮(上海)貿易有限公司) |
2006年3月 | リンカー工場 ISO9001認証取得(2011年抹消) |
2006年9月 | 茨城県取手市にバイオマトリックス研究所を移転 |
2007年3月 | 東京クローム皮革工場での生産中止 |
2007年4月 | 株式会社ニッピ・フジタ設立
皮革営業部門を継承 |
2007年12月 | ニッピ都市開発株式会社設立
皮革事業の大規模な縮小・集約に伴う東京工場跡地再開発計画に着手(現:ポンテグランデTOKYO) |
2008年10月 | 1月26日を「コラーゲンの日」として記念日登録 |
2009年5月 | 中華人民共和国河北省唐山市に日皮?原蛋白(唐山)有限公司設立 |
2009年6月 | ニッピコラーゲン工業株式会社 富士宮工場 ISO9001:2008認証取得 |
2010年10月 | 富士工場 ゼラチン製造終了 加工工程は継続 |
2010年11月 | ニッピテクノセンター竣工
東京工場内の製造設備を集約 |
2010年12月 | 東京都足立区に新本社ビル竣工 |
2011年12月 | 株式会社NP越谷加工解散
株式会社ニッピ・フジタへ事業継承 |
2012年4月 | ポンテグランデTOKYO 「千住大橋さくら公園」開園 |
2012年10月 | ニッピコラーゲン工業株式会社 芝川工場 FSSC22000:2010認証取得 |
2014年1月 | 資本金4,404百万円に増資 |
2014年4月 | 「ポンテポルタ千住」開業 |
2015年11月 | ニッピコラーゲン工業株式会社 耐震補強工事完了 |
2016年1月 | 大阪大学との共同出資によるiPS細胞関連事業開始 |
2016年6月 | ニッピコラーゲン工業株式会社 富士宮第2工場新設 |
現在、ニッピはニッピグループのリーダーとして、12社からなるグループ会社を先導しています。皮革製造から始まり、独自開発により生まれたコラーゲン抽出技術によるコラーゲンケーシングの製品化、それに伴い化粧品の実用化。先見の目を持って日々研究を重ねてきたニッピの企業努力が今のコラーゲン業界のパイオニアとしての地位を築いたことは間違いありません。
株式会社ニッピの事業ビジョン
ニッピの代表取締役社長の伊藤さんは以下のように述べています。
1907年創業以来、当社は良いものを創ることにこだわってまいりました。品質第一を信念とし、お客様のニーズに合致する製品を提供し続けること、これが創業以来一貫した当社の経営方針であります。ニッピHP:ごあいさつより引用
当社は、長きに亘り積み重ねてきた確かな製造技術を通じて、高品質製品を安定的に生産してまいりました。この間に研鑽された研究開発により、多分野での事業展開を推進しております。
創業当初からの皮革製造に関する研究にはじまり、良質なゼラチンの開発、当社独自のコラーゲン抽出技術によるコラーゲンペプダイドおよびコラーゲン・ケーシングの製品化、コラーゲン化粧品の創出、化学架橋性ポリ塩化ビニルコンパウンドの開発、そして研究作業の簡便化に貢献する破砕器具「バイオマッシャーR」の創造等、当社の歴史は“ものづくり”の歴史でもあります。
現在は、コラーゲン研究のパイオニアとして食品・医療品・化粧品・健康食品等、幅広い分野で高い評価をいただいております。
今後は、引き続き品質にこだわるという一貫した理念のもと、さらなる新規事業分野への進出を視野に入れつつ、新たなステージへ向けて着実に歩を進めてまいります。
ニッピが生産する製品への評価が高い秘密がこのお話から汲み取る事ができ、品質にこだわり続けることは絶対に欠かさないその理念を常に持ち、そして現行の事業の拡大を図りつつ、新しいことにも取り組んでいこうといった姿勢が伺えますね。これからもニッピには新しい製品の研究、開発、そして製品化へ努力を続けていってほしいですね。
株式会社ニッピの製品案内
最後に、ニッピの製品をまとめていきます。
コラーゲンケーシングニッピHP:製品情報より引用
牛由来のタンパク質であるコラーゲンを利用して、衛生的にコラーゲンケーシングを製造し、ソーセージケーシングとして食卓へお届けしております。
ゼラチン
食品、医薬、写真等、様々な分野で利用されており、ニッピでは高品質のゼラチンをお客様へお届けしております。
コラーゲンペプチド
飲料に使用しやすく、またタンパク質補給用としての健康食品である粉末製品や錠剤等、あらゆる食品用途に利用されております。
皮革製品
長年に亘って蓄積した皮革製造の豊富な経験と知識、販売ノウハウが高い評価を受けております。
コラーゲン化粧品
ニッピのコラーゲンを用いて開発した化粧品や健康食品を、株式会社ニッピコラーゲン化粧品が通信販売にて一般のお客様向けに直接販売しております。
機能性素材
皮革やコラーゲン以外の素材として、化学架橋性ポリ塩化ビニル樹脂(ニッピリンカー)やニッピVフォームをお客様へお届けしております。
バイオ関連製品・サービス
当社バイオマトリックス研究所の研究成果をもとに開発した様々な器材、試薬をバイオ・ケミカル事業部で販売しております。
その他事業
不動産の賃貸および社有土地の再開発事業を行っております。
株式会社ニッピは、コラーゲンのパイオニアなんです!
当時、注目されることも少なかったであろうゼラチン、そしてコラーゲンにいち早く着目し、それらの実用化、製品化を行なったニッピの努力は計り知れないものがあったと思います。美容にコラーゲンが良い!など最近では耳にすることも多くなりましたが、これの裏にはニッピのような研究を続けてきた企業の研究の結果だということを再認識させられましたね。これからもニッピには新しいことに取り組み続け、そしてコラーゲン研究のパイオニアとしてこれからも引っ張っていっていただきたいですね!