シャープ株式会社の概要と沿革

まず、シャープの基本情報は以下の通りです。

【シャープの概要】

社名シャープ株式会社(Sharp Corporation)
本社所在地大阪府堺市堺区匠町1番地
設立年月日1935年(昭和10年)5月1日
代表取締役社長戴 正呉
株式公開東証二部上場(証券コード:6753)
資本金50億円(2016年8月12日現在)
事業内容電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売等
シャープHP:概要より引用


シャープは現在、大阪府堺市に本社を置いている電気機器をメインに扱う会社です。古くから金属加工を主体とした事業を行なっており、金属加工した繰出式鉛筆を世に普及させたことでも知られており、そのシャープペンシルが現在の社名のシャープの由来になったと言われています。近年の経営難から台湾に本社を置く鴻海精密工業からの買収を受け、日本電機メーカーとして初の外資傘下の企業となりました。この影響を受けて、東証一部から二部への指定替えを余儀なくされ、現在は経営の回復に力を尽くしています。

それではシャープの歴史を沿革で見ていきましょう。

【シャープの沿革】

1912年早川徳次創業者が「徳尾錠」を考案。登録実用新案を取得
東京市本所区松井町(現・東京都江東区新大橋)に金属加工業を創業(9月15日)
1914年東京市本所区林町(現・東京都墨田区立川)に移転
1924年大阪府東成郡田辺町(現・本社所在地)に早川金属工業研究所を設立
1925年国産第1号鉱石ラジオ受信機の組み立てに成功し、量産・販売を開始
1943年本社事務所が完成
1949年大阪証券取引所に株式を上場
1951年テレビの試作に成功
1952年販売店向け情報誌『シャープニュース』を創刊
テレビ・ラジオを宣伝するためのサービスカーが完成し、全国を巡回
1953年国産初のテレビ<TV3-14T>の本格的量産を開始
1956年営業部門を独立させ、シャープ電機株式会社を設立
1957年トランジスタラジオを発売
1960年IBM電子計算機を本社に導入
1963年大阪シャープサービス株式会社を設立
1966年ターンテーブル式家庭用電子レンジ〈R-600〉を発売
1970年シャープ株式会社に社名変更
1972年当社初の複写機を発売
1998年「国内で販売するテレビを2005年までに液晶に置き換える」と宣言
2000年「20世紀に置いてゆくもの、21世紀に持ってゆくもの」液晶テレビ広告キャンペーン
2002年2D/3D切り替え表示可能な液晶ディスプレイの実用化に成功
2004年亀山工場が稼動を開始
2006年亀山工場が、第8回日本水大賞の「経済産業大臣賞」を受賞
2012年東京支社をシーバンスビル(東京都港区芝浦)に移転
創業100周年
2013年ノートPC向けIGZO液晶パネルを生産開始
独自の空気浄化技術「プラズマクラスター」搭載商品の世界累計販売5,000万台を達成
2014年国産第1号電卓発売から50周年
2016年薬剤を使わず捕獲する蚊取り機能を搭載した世界初のプラズマクラスター空気清浄機『蚊取空清』を国内向けに発売(ASEAN向けは2015年9月より)
東京証券取引所での当社株の市場第二部銘柄への指定替え実施
本社を大阪市(大阪市阿倍野区長池町22-22)から堺市(堺市堺区匠町1番地)へ移転
戴正呉(鴻海科技集團副総裁)が社長に就任、新経営体制発足
シャープHP:年表より引用


現在までにシャープが得意としてきた製品は、モデルチェンジをし続ける電子辞書や電子レンジ、液晶テレビのAQUOSなど幅広い製品が評価を受けてきました。その中からも現在はAQUOSなどの液晶部門に力を入れており、AQUOS携帯などでも人気を博してきました。そのどれもが独創的であり、業界初や世界初の製品をこれまでに多く発表してきたことでもシャープは有名ですね。

シャープ株式会社の経営理念

次に、シャープの経営理念をまとめていきます。

【経営理念】

いたずらに規模のみを追わず、
誠意と独自の技術をもって、
広く世界の文化と福祉の向上に貢献する。
会社に働く人々の能力開発と
生活福祉の向上に努め、
会社の発展と一人一人の
幸せとの一致をはかる。
株主、取引先をはじめ、
全ての協力者との相互繁栄を期す。
シャープHP:経営理念・経営信条より引用

【経営信条】

二意専心
誠意と相違
この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。

誠意は人の道なり、すべの仕事にまごころを
和は力なり、ともに信じて結束を
礼儀は美なり、互いに感謝と尊敬を
創意は進歩なり、常に工夫と改善を
勇気は生き甲斐の源なり、進んで取り組め困難に
シャープHP:経営理念・経営信条より引用

シャープはこれまで、その時代のニーズに応えるべく誠意ある事業展開を行なってきました。近年では残念ながら買収による外資傘下への加入ばかりが前へ出てしまい、マイナスなイメージが広まりつつありますが、シャープがこれまでに日本に残した功績は非常に大きいです。今後は日本企業としての信念やプライドは持ち続けて再びの発展に誠心誠意向き合っていってくれるはずですので、これからのシャープに期待していきましょう!

シャープ株式会社の事業内容

シャープの事業内容は以下の通りです。2016年現在のものであり、今後はきっと変わっていくことになりますが業界に新しい流れをシャープはこれまでに作ってきた事実は変わりませんよね。多くのヒット商品から便利な商品まで、これからもわたし達に届けてくれることに期待しましょう!

【コンシューマーエレクトロニクス】
液晶カラーテレビ、ブルーレイディスクレコーダー、携帯電話機、タブレット端末、電子辞書、電卓、ファクシミリ、電話機、冷蔵庫、加熱水蒸気オーブン、電子レンジ、小型調理機器、エアコン、洗濯機、掃除機、空気清浄器、扇風機、除湿器、加湿器、電気冷暖房機器、プラズマクラスターイオン発生機、理美容機器、ネットワーク制御ユニット

【エネルギーソリューション】
太陽電池、蓄電池

【ビジネスソリューション】
POSシステム機器、電子レジスタ、業務プロジェクター、インフォメーションディスプレイ、デジタル複合機、各種オプション・消耗品、各種ソフトウェア、FA機器、洗浄機

【電子デバイス】
カメラモジュール、CCS・CMOSイメージャ、液晶用LSI、マイコン、アナログIC、高周波部品、半導体レーザ、LED、光センサ、光通信用部品、スイッチング電源

【ディスプレイデバイス】
アモルファスシリコン液晶ディスプレイモジュール、IGZO液晶ディスプレイモジュール、CGシリコン液晶ディスプレイモジュール
シャープHP:有価証券報告書より引用

外資系傘下入りは決してマイナスではなくシャープ株式会社の戦略です。

経営難からの買収ばかりが広まってしまい、マイナスなイメージばかりが先行していっていますが決してデメリットではありません。シャープがこれまでに培ってきた経験や技術などにおけるノウハウを欲している企業があった結果、経営の回復も合わせての買収だったと思っています。日本の電機メーカーはこれまでに多くのモノを世界に発信してきました。その中にシャープがいたことも間違いない事実ですし、これからも新しいものをシャープが作り続けていくことも間違いありません!経営再建に向けて走り始めたシャープは、前を向いています。そんなシャープに今までの功績を称えると共に、また日本社会に新しい製品を届けてくれることを願い、更なる発展に期待していきましょう!