※本ページ内の情報は2024年9月時点のものです。

企業がISO認証やプライバシーマークを取得することは、信頼性を高める上で極めて重要なステップである。しかし、その取得には専門的な知識と経験が求められ、社内で全てを対応するのは容易ではない。

そこで、多くの企業から支持を受けているのが、認証取得や運用、更新に関する専門的なサポートを提供する株式会社スリーエーコンサルティングだ。代表取締役社長である竹嶋寛人氏に、同社の強みや成長戦略や社内制度、そして今後のビジョンについて詳しくうかがった。

反響営業を中心とした効率的な顧客獲得体制を確立

ーー社長に就任されるまでの経緯と、MBOに至ったいきさつについてお聞かせください。

竹嶋寛人:
大学を卒業後、私はエンターテインメント業界に就職し、新店舗の立ち上げや接客責任者として経験を積みました。その後、2012年に入社し、コンサルタントとしてのキャリアをスタートさせたのです。2014年からは営業責任者を務め、グループ会社の立ち上げにも携わりました。そして2021年、代表取締役社長に就任し、会社全体の成長を牽引する役割を担っています。

社長に就任した際、多くの困難に直面し、その中で経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)を実施しました。MBOは、現経営体制を維持し、企業のビジョンをより明確にするための重要なステップでした。MBOを通じて、オーナーとしての責任を持ち、会社が目指すべき方向性をさらに具体化することができました。

ーー貴社が提供するサービスの詳細と、その強みについて教えてください。

竹嶋寛人:
弊社は、ISO認証およびプライバシーマークの取得を支援するコンサルティングサービスを提供しています。単なるコンサルティングだけでなく、認証取得に関する具体的な手続きや実務面でのサポートまでしっかり提供することを特徴としており、そのためにコンサルタント全員を自社で育成しています。

この取り組みにより、一貫した品質のサービスを提供することが可能となり、2011年のサービス開始以来、累計8,000社以上の企業との取引実績を誇ります。

弊社の最大の強みは、反響営業を中心とした顧客獲得体制にあります。ISOやプライバシーマークに関連するキーワードを巧みに活用したウェブマーケティングを通じて、多くの反響を得ています。大企業から中小企業まで、幅広い顧客層・ニーズに対応できる柔軟なサービスメニューを用意しており、反響があれば迅速にアポイントを取って営業にうかがうことで、短期間での契約成立を実現しています。

また、顧客が審査を無理なく通過できるよう、現場の状況に合わせてカスタマイズしたルールづくりをサポートすることも弊社の強みです。このアプローチにより、顧客の運用を大きく変えることなく、円滑に審査をクリアすることを可能にしているのです。

独自の教育プロジェクトで新卒社員を短期間で戦力化

ーー貴社の社内制度や教育体制において重視されていることは何でしょうか。

竹嶋寛人:
弊社では社内制度の充実に力を入れ、人事制度のマッピングや「ニューアロープロジェクト」と呼ぶ制度を導入しています。

マッピングでは、50以上ある社内制度を「感情報酬」と「金銭報酬」、「安心」と「挑戦」という4つの視点から体系化し、マトリクス図で可視化しています。このマトリクス図を基に従業員が満足できるバランスを追求しています。また「挑戦できる文化」を築くことで、優秀な人材が継続して働ける環境を整えました。

また「挑戦できる文化」を築くことで、優秀な社員が継続して働ける環境を整えました。「ニューアロープロジェクト」は、社員が新規事業の計画を提出し、社内審査を通過すれば誰でも事業責任者になれる仕組みです。その他にも、役職と職務を切り離し、専門スキルの成長を評価する人事制度の導入も進めています。

新卒社員向けの取り組みとしては、内定後にインターンシップを通じてそれぞれのスキルを可視化し、入社後には短期間で現場に出られるような教育プログラムを用意しています。インターンシップに参加しなかった新卒社員でも、平均して6〜9ヶ月で現場に出られるように育成しています。

さらに、独り立ちした後も、経験の少ない社員がストレスを感じることなく案件を担当できるようなサポート体制を整えています。このような綿密なサポートを通じて、社員一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮できる職場環境を提供しているのです。

新規取引先の開拓と海外展開でさらなる成長を目指す

ーー新規取引先の開拓や海外展開について、どのようにお考えですか。

竹嶋寛人:
現在は反響営業を主軸にしていますが、今後は新たなマーケティング手法や多様なメディアの活用を積極的に進める予定です。具体的には、ツール販売やSNSマーケティングなど、現代のトレンドに即した新しいアプローチを検討しています。

特に、プライバシーマークに関連するサイバーセキュリティやDXといった重要なキーワードに基づき、新たなメディア戦略の展開を目指します。また、新規取引先の開拓についても、顧客の多様なニーズに応じた柔軟な対応を行うことにより、さらに進めていきたいと考えています。

海外においても、ISOが世界標準である強みを活かし、積極的に展開を進めています。特にベトナムやインドネシアに注力し、現地のニーズに応じたサービスを提供することで、グローバルな成長を目指しています。

また、海外進出を計画している日本企業の支援も行うなど、幅広いサービスを展開していきます。グローバルな視点を持ちながら、現地に根ざしたサービスを提供することで、海外市場での競争力を一層強化していく方針です。

ーー今後の展望についてお聞かせください。

竹嶋寛人:
今後も顧客満足度の向上を第一に、高品質なサービスを提供していきます。

また、新たなマーケティング手法や海外展開に積極的に挑戦し、さらなる成長を目指します。契約に至らなかった企業に対しても引き続き状況を把握して、長期的な信頼関係を築くための体制を整えていきます。加えて、顧客ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応し、常に最先端のサービスを提供することで、業界をリードしていく決意です。

編集後記

竹嶋社長が率いるスリーエーコンサルティングは、急成長を遂げる中でさらなる挑戦を続けている。新規取引先の開拓や海外展開など、同社の取り組みは今後の成長を支える重要な要素となるだろう。また、人事制度や教育制度も充実しており、これらが同社の未来を支える基盤となることは間違いない。竹嶋社長のリーダーシップの下、スリーエーコンサルティングは今後も飛躍を続けるに違いない。

竹嶋寛人/1987年生まれ。2012年に入社以来ISOやプライバシーマークの認証取得・運用・更新コンサルティングに従事。これまでに個人で500件を超える案件を担当。営業・マーケティング部門のマネージャー、役員を経て、2021年に代表取締役社長に就任し、230名の従業員を統括している。2023年、MBOにより株式取得。